昭和30年代の終わり頃から数年間、春夏秋冬、学校が休みになると名古屋から友人の親戚のある飛騨高山に通ったものです。その時代は、今のように飛騨街道がまだ整備されていなくて道路は地道で、対向車が来るとどちらかがストップして道を譲り合いながら通行しなければならなかったため、当時は大変不便に感じていました。しかし今振り返ってみると、なんとなく懐かしく微笑ましい光景でもあります。飛騨金山、白川、下呂・萩原を通過して突き当たりの町、小坂を左に折れ(右に折れると、鈴蘭高原や御嶽山の中継地点の濁河温泉がある)しばらく走ると宮峠です、山の陽の落ちるのは早く、その頃にはすっかり辺りは夕闇で、曲がりくねった峠の上から高山の町を眺めると彼方の家々の山吹色の灯りが点々とみえたような記憶がありますが、もう何十年も前のこと、それはひょっとすると富山から神岡~数河高原を抜け古川を経由して高山の町に入る手前の絶壁のような峠からの眺めだったのかもしれません?とにかく雪道に高山の町の灯りが見えた時には「無事やっと着けた」と峠の我が家のようにほっと肩を撫で下ろしたものでした。
今、どこから高山に入るにも本当に便利になりました。まるで時が止まっているかのような飛騨の里。ご紹介したいところばかりですが、幾つかに絞ってご案内いたします。
乗鞍岳
乗鞍岳は、乗鞍火山帯の中にあり、中期更新世(100万年前)に活動が始まったと考えられる複合火山です。
剣ヶ峰をはじめとし、摩利支天岳などの23の峰々と7つの湖、8つの平原から成り立っています。
乗鞍岳からは槍ヶ岳、穂高連峰など、まさに雲上の世界が眺められるほか、乗鞍スカイラインの終点である標高2,702メートルの畳平には約4ヘクタールのお花畑が広がり、夏には、白、黄、ピンクなど色とりどりの高山植物がご覧になれます。
乗鞍岳は国立公園の特別保護地域に指定されており、特別天然記念物のライチョウをはじめ、高山植物など貴重な動植物の宝庫でもあります。山のルールを理解し、乗鞍の自然をみんなで守りましょう。
乗鞍スカイラインは、岐阜県と長野県の境にある中部山岳国立公園の南端に位置する乗鞍火山帯にあります。
日本一高所を走る山岳道路として昭和48年に「乗鞍スカイライン」として完成し、毎年多くの観光客が訪れています。
開通期間
5月15日から10月31日まで
開通時間
5月、6月、10月は午前7時から午後6時まで
7月から9月までは午前3時30分から午後6時まで
乗鞍ご来光見学バス 7月16日から9月19日まで
7月16日から8月31日 「平湯温泉」午前3時30分、「ほおのき平」午前3時45分発
9月1日から9月19日 「平湯温泉」午前3時45分、「ほおのき平」午前4時00分発
奥飛騨温泉郷 新穂高温泉
槍ヶ岳・穂高岳への登山口があるため登山シーズンになると多くの登山者で賑わいます。豊富な湯が川床からこんこんと湧きでる露天風呂天国です。また中尾高原にはペンションが多くリゾート気分が味わえます。
古い町並(国選定重要伝統的建造物群保存地区)
城下町の中心、商人町として発達した上町、下町の三筋の町並みを合わせて「古い町並」と呼んでいます。出格子の連なる軒下には用水が流れ、造り酒屋には看板ともいわれる杉の葉を玉にした「酒ばやし」が下がり町家の大戸や、老舗ののれんが連なっています。
三町伝統的建造物群保存地区
高山市上一之町、上二之町、上三之町、片原町、神明町4丁目の各一部
下二之町大新町伝統的建造物群保存地区
高山市下一之町、下二之町、下三之町、八幡町、大新町1丁目、大新町2丁目、大新町3丁目、大新町4丁目の各一部
JR高山駅より徒歩12分
日下部民藝館(国指定重要文化財)
友人のご先祖様のお住まいです。明治12年に建築されたものです。いかにも雪国の民家らしく、低く深く、しかも重々しい軒。どっしりした構えの中に美しい出格子、隣り合う吉島家とともに明治以降の町家建築としては、初めて重文に指定されました。
豪快に組み上げられた梁組みと広い土間が表す空間美は、江戸時代そのままの技法を最大に生かした民家建築の集大成とも言える建築物です。
JR高山駅より徒歩17分
飛騨の匠
「かにかくに物は思はじ飛騨人の打つ墨縄のただ一道(ひとみち)に」
この「万葉集」の歌は、飛騨の匠が墨縄で付けた一本の線に、作者が自らの一途な恋心を重ねたものです。万葉集がつくられた奈良時代、すでに飛騨の匠がよい腕を持った大工としての代名詞であったことが伺えます。
ご協力・お問い合わせは
高山市商工観光部 観光課
電話:0577-35-3145 ファクス:0577-35-3167
鎹八咫烏 記
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