スポーツ・文化・ワールド・フォーラム(平成28年10月19日~10月22日)文化会議全体会において、「2020年を見据えた文化による国づくりを目指して」(京都宣言)が発表されました。
「2020 年を見据えた文化による国づくりを目指して」
※通称:京都宣言
文化を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは人々の変
わらない願いである。また文化は、人々の心のつながりや相互に尊重しあう土壌を
提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成し、世界の平和にも
寄与するものである。
折しも我が国は、来る 2020 年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会の
開催を控え、世界の熱い注目が集まる中、国民総参加による夢と希望を分かち合う
大会づくり、次世代に誇れるレガシーの創出と世界への発信等に取り組むべき時期
にある。
オリンピック・パラリンピックは文化の祭典でもある。実際リオオリンピック・
パラリンピック競技大会を振り返ってみても、そのオリンピック閉会式で、我が国
が誇るポップカルチャーを活用した斬新で創造的な演出が、世界に感動を与え 2020
年東京大会に向けた希望をもたらしたことは記憶に新しい。今こそ我が国が強みと
するクールジャパンという言葉に代表されるソフトパワーを活かし、2020 年東京大
会を契機として、多様な文化の振興はもとより、産業振興や海外展開、地方創生等
への大いなる可能性を秘めた文化による国づくりをオールジャパンで推進すべき
である。
ここに、2020 年に向け、また 2020 年以降の次世代に誇れるレガシーの創出も意
識して、文化関係者、関係府省、地方公共団体等が一致団結して文化による国づく
りに取り組む決意を、歴史に裏打ちされた伝統文化から現代芸術に至るまで優れた
文化資源が豊富に息づく京都の地において、以下の通り表明する。
一 我が国には、伝統的な芸術から現代舞台芸術、最先端技術を用いた各種アート、
デザイン、クールジャパンとして世界中が注目するコンテンツ、メディア芸術、
ファッション、和食・日本酒その他の食文化、祭り、伝統的工芸品、和装、茶道、
華道、さらには、木材・石材・畳等を活用した日本らしい建築など、地域性豊か
で多様性に富み、悠久の歴史の中で重層的に蓄積されてきた日本文化がある。
そして、人々の間にあっては日常的に多様な文化活動が盛んに行われ、文化は
国民共通のよりどころとして重要な役割を果たしている。
このような我が国の文化が有する特色や役割に照らせば、文化に関わるあらゆ
る人々が行う多様な文化活動は、人々が文化を鑑賞し、参加し又は創造する上で
極めて意義深いものであり、全国各地で様々な優れた文化活動が活発に展開され
ることを大いに期待する。
二 オリンピック・パラリンピックは文化の祭典でもある。我が国は、2020 年に向
け、多様な日本文化の振興を通じて 2020 年東京大会開催に向けた全国的な機運
を醸成するとともに、日本文化を観光資源としての魅力も高めるなどしながら世
界に発信し、地方創生、地域活性化、担い手の育成等につなげる。また、共生社
会の実現を図る観点も含め障害者の文化芸術活動を推進する。さらに、文化によ
る国際的な対話の重要性を踏まえ、国内外の芸術家を招へいし滞在中の創作活動
を支援するアーティスト・イン・レジデンスなど国境を越えた交流・協働を育む
取組を推進する。
このようにして我が国の文化の一層の向上を図り、国民総参加で夢と希望を分
かち合えるよう、東京 2020 文化オリンピアードや beyond 2020 プログラムの中で、
地域性豊かで多様性に富み、次世代に誇れるレガシーの創出に資する取組を、文
化プログラムとしてオールジャパンで関係者が一体となって推進する。
三 これからの文化行政については、我が国の文化の一層の向上に向け、文化財の 保護・活用や文化活動への支援、人材育成等の充実を図るだけでなく、文化を資 源として捉え、文化への投資が国際協力、新たな社会への発展、経済成長等にも つながるよう転換させる。 具体的には、グローバル化の中、我が国は世界における多様な文化の発展に貢 献するため、クールジャパン戦略等も踏まえながら、「カルチャー・フォー・ト ゥモロー」として、被災した文化遺産の修復・保護、ASEAN 等における著作権 制度の整備、伝統文化や漫画、映画等メディア芸術等の海外への展開など、戦略 的な国際協力・国際文化交流を強化する。さらに、官民協働による多様な文化の 振興を通じて産業振興や地方創生、社会課題の解決等を目指す文化による国づく りを推進する。このため、必要な機能強化を図るとともに、従来の文化行政の範 囲に閉じることなく、外交、観光、産業、まちづくりなど様々な関連分野との連 携を強化し総合的に施策を推進する。 平成 28 年 10 月 19 日 内閣官房東京オリンピック競技大会 ・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局 内閣府知的財産戦略推進事務局 文化庁 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック 競技大会組織委員会 京都府 京都市
協力(順不同・写真掲載順)
名鉄犬山ホテル(国宝茶室・如庵)
北広島町観光協会(神楽)
遠山郷観光協会(峠の国盗り綱引き合戦)
飯田観光協会(大太鼓)
南信州獅子舞フェスティバル実行委員会(獅子舞)
名古屋市(名古屋まつり)
高山市商工観光部観光課(高山祭)
(一社)長野県観光機構(市田柿)
出羽三山神社・山形県鶴岡市羽黒町観光協会(精進料理)
飛騨高山 日下部民藝館(国指定重要文化財・日下部家)
(一社)信州いいやま観光局(かまくらの里)
山形県花笠協議会・山形市観光協会(山形花笠まつり)
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