ZIPANG TOKIO 2020「2017 年アスタナ国際博覧会日本館のテーマは『Smart Mix with Technology ~オールジャパンの経験と挑 戦~』」


2017 年アスタナ国際博覧会「日本館参加契約署名式」が行われました 

安倍晋三内閣総理大臣及びカザフスタン共和国 ヌルスルタン・ナザルバエフ大 統領の立会いの下、「2017 年アスタナ国際博覧会日本館参加契約署名式」が7 日、首相官邸にて行われました。

ナザルバエフ大統領の訪日 (写真提供:内閣広報室)


1.アスタナ国際博覧会について この度、中村富安陳列区域日本政府代表とアフメトジャン・エシモフ同博覧会公社 総裁との間で日本館の参加契約が署名された「2017 年アスタナ国際博覧会」は、中 央アジアで初めて開催される万博であり、テーマは「未来のエネルギー」で、2017 年 6 月 10 日から 9 月 10 日まで、カザフスタン共和国のアスタナ市で開催されます。 

日本政府は経済産業省を幹事省、文部科学省、国土交通省及び環境省を副幹事 省、日本貿易振興機構(JETRO)を参加機関とすることを、2015年2月に閣議了解し ています。 

2.日本館について 日本館の出展テーマは「Smart Mix with Technology ~オールジャパンの経験と挑 戦~」です。このテーマに基づき、カザフスタンそして世界の皆様に日本のメッセー ジを発信します。 

今後、展示を中心とした出展詳細を発表する「会期 100 日前・日本館記者発表会」 の開催を予定しています。

 アスタナ国際博覧会概要

名   称:2017年アスタナ国際博覧会(EXPO2017 ASTANA)
テ ー マ:Future Energy(未来のエネルギー)
サブテーマ:①Reducing CO2 Emissions(CO2排出削減) ②Living Energy Efficiency(省エネルギーの活用) ③Energy for All(すべての人類のためのエネルギー)
期   間:2017年6月10日(土) ~9月10日(日) 93日間
開 催 地:カザフスタン共和国アスタナ市
目   的:「未来のエネルギー」に向けて、確実かつ持続可能な エネルギー政策やテクノロジーの開発の必要性を、 産業界、企業、個人のレベルで共通の認識を持ってもらう
来場者予測:500万人(85%はカザフスタン国内から、15%は海外から)会場面積:25ヘクタール 

会場は、旧市街から南へ8km、市庁舎等の集まる新市街から南へ4kmの、市街地と空港の間に位置する。アスタナ国際博覧会の会場は、総面積25ヘクタールの敷地である。真球体の構造であるカザフスタン館は中心に位置し、その周りを取り巻くように日本も出展する国際館などが配置されている。

シンボルマーク 「風のエネルギー」という名のロゴで使われている3色は、太陽光、風力、地熱発電をイメージし、全体は風力発電の羽根をイメージしている。

国際博覧会の歴史
国際博覧会にはとても長い歴史があります 国際博覧会とは  わたしたちが普通「万博」と言っている「国際博覧会」は、国際博覧会条約という国際条約に基づいて、正式にパリに本部のある博覧会国際事務局(BIE)に登録又は認定されたものです。1970年大阪万博(6,421万⼈を集めた)。や2005年愛知県名古屋市で開催された「愛・地球博」(約2,205万⼈が来場した)も、BIE条約に基づく国際博覧会です。  我が国が初めて国際博覧会に登場したのは、1867年(慶応3年)の「第2回パリ万国博覧会」(幕府、薩摩藩、佐賀藩がそれぞれ独⾃に出品)。その後、明治維新が進み、日本政府として正式に国際博覧会に参加したのは、1873年(明治6年)に開催された「第3回ウィーン国際博覧会」でした。1931年国際博覧会条約が発効し、「国際博覧会」はこの条約を基準に秩序をもって開催されることになりました。 第二次世界大戦の勃発で18年間の中断がありましたが、1958年ブリュッセル万博で再開され、今の時代まで世界各地で国際博覧会は開催されています。

 国際博覧会とは何か
●国際博覧会条約(BIE条約(※))に基づき、加盟国もしくは加盟国が認めた団体が 主催する国際的な博覧会である。博覧会国際事務局はパリに置かれている。 ※Bureau International des Expositionsの略 ●5年毎に⾏われる⼤規模の登録博覧会と、登録博覧会の間に1回開催できる⼩規模の認定 博覧会がある。

【登録博と認定博の違い】
「登録博覧会」
開催期間 6週間以上6ヶ⽉以内
特徴 ⼆つの登録博覧会には少なくとも5年以上の 間隔を置く。
開催実績 愛・地球博(2005年・⽇本) 上海万博(2010年・中国)

「 認定博覧会」
開催期間 3週間以上3ヶ⽉以内
特徴 会場規模は25ヘクタール以内で、⼀つの参加国に割り当て られる⾯積は1,000平⽶以内。 認定博覧会は、⼆つの登録博覧会の間に⼀回だけ開催できる。
開催実績 サラゴサ万博(2008年・スペイン) 麗⽔(ヨス)万博(2012年・韓国)

●開催地は、博覧会国際事務局(BIE)において⽴候補地の中から、選挙(1国1票)で決定。

BIE ●BIEは“Bureau International des Expositions(博覧会国際事務局)”の略。 事務局はパリに置かれている。 ●加盟国は、2014年12⽉1⽇現在、168ヶ国。 ●現在の事務局⻑は、ヴィチェンテ・コンザレス・ロセルタレス(Vicent Gonzalez Loscertales)⽒。 ●「国際博覧会」を名乗るためには、BIEに承認されることが必要である。

「愛 地球博開催時の会場」の様子と現在の愛知県民・名古屋市民の憩いの場所「愛 地球博記念公園」


<2005年以降の博覧会リスト>

2005 年 3⽉-9⽉ (185⽇間) 登録博 愛知(⽇本) ⾃然の叡智 121ヶ 国 2,205万⼈ つなぎ直そう。 ⼈と⾃然 
2008 年 6⽉-9⽉ (93⽇間) 認定博 サラゴサ (スペイン) ⽔と持続可能な開発 90ヶ 国 565万⼈ ⽔と共⽣する⽇本 ⼈〜智慧と技〜 
2010 年 5⽉-10⽉ (184⽇間) 登録博 上海(中国) より良い都市、より 良い⽣活 158ヶ 国 7,308万⼈ こころの和、わざ の”和” 
2012 年 5⽉-8⽉ (93⽇間) 認定博 麗⽔(韓国) ⽣きている海と海 岸:資源の多様性と 持続可能な活動 104ヶ 国 820万⼈ 森・⾥・海、つな がり紡ぐ 私たちの 未来。 
2015 年 5⽉-10⽉ (184⽇間) 登録博 ミラノ (イタリア) 地球に⾷料を、⽣命 に エネルギーを 140ヶ 国 約2,000万⼈ (想定) 共存する多様性
 2017 年 6⽉-9⽉ (93⽇間) 認定博 アスタナ (カザフスタン) 未来のエネルギー 約500万⼈ (想定)
 2020 年 10⽉-翌年4⽉ 登録博 ドバイ (UAE) ⼼を繋いで、未来を 創る 約2,500万⼈ (想定)


カザフスタン概要

《概要》 1 面 積: 272万Km2(日本の約7倍) 2 人口 / GDP / 一人あたりGDP: 1,640万人 / 924億ドル / 13,171ドル 3 民 族: カザフ系(65%)、ロシア系(22%)、その他(13%) 4 宗 教: イスラム教(70%)、ロシア正教(26%) 5 言 語: カザフ語、ロシア語 6 大統領: ナザルバエフ大統領(74歳) 1990年4月就任 

《経済の概要》 ○旧ソ連邦の構成国であったが、1990年10月25日に独立を宣言。 ○豊富な資源を有する。また、日本から商社、電力会社、電機メーカー等 が投資。 ウラン(生産量世界1位)、クロム(同2位)、マンガン(同6位)、モリブ デン(同11位)、原油(同18位)、天然ガス(同38位) ○2014年10月23日、「日・カザフスタン投資協定」に署名。

《アスタナ市の概要》 ○カザフスタン共和国の首都。1997年にアルマティーから遷都した。 ○アスタナの都市建設には日本も関与しており、黒川紀章氏が基本設 計を行い、JICAが援助を行った。人口は約79万人(2013年6月)


2017 年アスタナ国際博覧会日本館基本計画

【アスタナ博概要と参加について】

1 アスタナ博について 2017 年 6 月 10 日から 9 月 10 日までの間、カザフスタン共和国の首都アスタ ナで「未来のエネルギー」をテーマとしてアスタナ博が開催される。 カザフスタン側は、参加国等は約 100 カ国、7国際機関、入場者数は約 500 万人を想定している。 カザフスタン政府は BIE(博覧会国際事務局)に提出した認定文書において、 アスタナ博のコンセプトを次の通りとしている。

“エネルギーは、21 世紀において文明の中核をなすものである。しかしながら依 然として多くの社会では当然あるものと余り重視されていない。発展する世界に おける膨大な人口(とりわけ中国そしてインド)により、これまで以上に需要が 増大している。(略)「未来のエネルギー」では、こうした根本的な問題に様々な 視点から取り組むもので、諸問題への解決策を提示する。国際博覧会への来場者 は、未来のエネルギー生産および利用に関し、責任ある持続可能なプランの設計 そして実行について、検討することが奨励される。” 

2 基本計画策定等に係る経緯 我が国は、2014 年 7 月にカザフスタン共和国政府から参加招請があったこと を受け、2015 年 2 月の閣議了解により、幹事省を経済産業省、副幹事省を文部 科学省、国土交通省、環境省とし、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ) を参加機関として公式参加することとなった。

2010 年 7 月 1 日 第 147 回 BIE 総会において 2017 年国際博覧会開催地にカザ フスタン(アスタナ)が立候補 2012 年 11 月 22 日 第 152 回 BIE 総会において首都アスタナでの開催が決定 2014 年 6 月 11 日 第 155 回 BIE 総会において開催計画の正式承認 7 月 31 日 ナザルバエフ・カザフスタン大統領から安倍内閣総理大臣 に対し、参加を正式に招待する旨の書簡が接到 8 月 21 日 関係省庁連絡会議 2015 年 2 月 20 日 閣議了解により公式参加を決定

3 日本にとってアスタナ博に出展する意義 (1) 地球規模の課題解決に貢献する国際博覧会への参加 世界のエネルギー需要は、OECD(経済協力開発機構)諸国のみならず経 済成長を続ける新興国においても増加している。エネルギーをとりまく環境 は国際的な地政学や国際エネルギー価格の変動といった外部要因にも影響 を受けやすく、エネルギー安全保障の確保は多くの国や人々にとって重要な 課題。加えて、化石燃料の使用等による温室効果ガスの排出削減も気候変動 問題への対処から喫緊の課題となっている。

(2) 国際社会における日本のイメージやプレゼンスの向上 我が国はエネルギー供給の大宗を海外に頼っており、また2度のオイルシ ョックを経験し、さらに近年の地球温暖化対策への対応の必要性からエネル ギー環境技術の技術開発と知見の蓄積が進められてきたところ。かかる、技 術の蓄積といったアドバンテージを活かしながらソリューションを提示す ることは、地球規模課題であるエネルギー・環境問題に対する、我が国のプ レゼンスをアピールし、カザフスタンをはじめとする国際社会における日本 のさらなるイメージ向上を図ることに資する。

(3) 二国間関係等の構築強化 カザフスタンは資源産出国であり、かつ、中国、ロシアと言ったエネル ギー消費が増加している大国と国境を接しているといった地政学的背景も あり、自国で産出する資源の供給先多角化といった、エネルギー安全保障 に対する問題意識が高い。 日本が有するエネルギー技術・製品がカザフスタン国民の暮らしの質的向 上に繋がることを訴求し、エネルギー分野をはじめとする日本のインフラシ ステム輸出、消費財輸出、といったビジネス展開に繋げることで、両国間の 互恵的経済協力関係の構築・強化を図る。また、クールジャパンの発信等を 通じてカザフスタン国民の日本や日本文化への関心を高めることで、日本へ のインバウンドの増加や、将来的には両国間の往来を促進する。


(4) 愛知県名古屋市で開催した「愛・地球博」の理念・成果の継承 「自然の叡智」というテーマのもとに開催された「愛・地球博」で提示し た「自然と人間の共生」という理念や技術によるブレークスルーという考え 方は累次の国際博覧会でも継承されてきた。アスタナ博のテーマであるエネ ルギーについても環境は表裏一体の関係にあり、「愛・地球博」の理念・成 果を継承していく好機である。


【日本館出展について】

1 日本館の発信すべき内容 (1) 発信内容について ① これまでの日本の経験と蓄積(エネルギーに関する課題と挑戦) 我が国は、二度のオイルショックと原子力事故を経験し、省エネルギーを推 進しながら、原子力開発や再生可能エネルギー導入促進などにより、エネルギ ー供給源多角化を図ってきた。また、近年は、気候変動問題への対応のため、 化石燃料の使用等による温室効果ガス排出削減が求められている。過去現在に 渡って、我が国が直面するエネルギー・環境問題及びこの問題への対応、さら には3E+S(①Energy Security, ②Economic Efficiency, ③Environment + Safety)の同時達成を図るために、日本において歴史的に積み重ねてきた経験 や努力を発信する。 これまでに我が国が省エネルギー推進及びエネルギー供給源多角化のため に開発・普及してきた技術は多岐にわたる。日本館での発信にあたっては、ア スタナ博のサブテーマである、「省エネルギーの活用」、「CO2 排出削減」及び 「すべての人類のエネルギー」に添いながら、技術開発・普及の変遷を時間軸 で整理する。

ア 省エネルギーの活用 我が国は、二度のオイルショックの経験を機に省エネルギー政策が推進さ れ、1979 年に「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)を制 定するとともに、1978 年に「ムーンライト計画」を立ち上げ、エネルギー 転換効率の向上、未利用エネルギーの回収・利用技術の開発などを推進した。 今日まで続く省エネルギー推進を通じて、とりわけ、我が国の産業部門は世 界でも最高水準のエネルギー使用効率を達成している。 展示にあたって想定される、省エネルギー技術の例は以下の通り。

(ア)建築物と都市計画 省エネ家電、照明、エネルギーマネージメントシス テム 等 (イ)運輸部門 低燃費自動車、物流効率化 等 (ウ)産業部門 エネルギー多消費産業の生産プロセス効率化、エ ネルギーマネージメントシステム 等

イ CO2 排出削減
第一次オイルショック以降、エネルギー安定供給の確保や省エネルギー推 進への取組を進めていた我が国は、第二次オイルショックを経て、さらにそ の取組を推進。これに加えて、原子力開発を推進するとともに、石油代替エ ネルギーの開発及び導入促進により、石油依存度の低減を図り、エネルギー 供給構造を改善するため、1980 年に「石油代替エネルギーの開発及び導入 の促進に関する法律」(代エネ法)を制定。また、大型の石油代替エネルギ ー技術開発を総合的に推進するために、同年に新エネルギー総合開発機構を 設立し、今日まで、太陽光発電や風力発電、バイオマス利用技術、燃料電池、 地球温暖化対策技術等の再生可能エネルギー技術等の開発推進及び普及促 進を行っている。


展示にあたって想定される、技術の例は以下の通り。 (ア)風力発電 (イ)太陽光発電 (ウ)小水力 (エ)バイオマス (オ)地熱 (カ)原子力発電 (キ)クリーンコールエネルギー 等

ウ すべての人類のためのエネルギー 独立無電化村対策やエネルギー安定供給といったエネルギーアクセスの 確保の観点からは、上記のア及びイで挙げたエネルギー源の他にも、例えば、 蓄電池、リサイクルといった技術も有用であり、併せて情報発信することも 考慮する。

② これから日本が推進する水素社会 上記①の通り、日本が複数のエネルギー資源の有効活用や温室効果ガス排 出削減等を追求する中で、水素は、多様なエネルギー源から様々な方法で製 造が可能であり、利用段階での温室効果ガスの排出が無いこと等から、1981 年にムーンライト計画として開発に着手してから今日までの 30 年以上にわた り、これを 利活用する技術開発が進められている。家庭用燃料電池(エネフ ァーム)は、2009 年に世界に先駆け販売が開始され、2015 年 3 月末現在、12 万台超が普及している。また、水素燃料電池自動車(HFCV)は昨年 12 月に 商用販売が開始された。さらに、業務・産業用燃料電池については、2017 年 に発電効率が比較的高いSOFC(個体酸化物形燃料電池)型の市場投入が予定 されている。これらの官民の努力の成果としての水素の実用化と今後の利用 可能性の拡大が現実的になってきたところである。また、技術開発から導入 促進にあたっては燃料電池の耐久性や信頼性といった課題を克服しながら、 併せてパブリックアクセプタンスによる国民理解を図りながら進めてきたと ころ。このような技術開発及び導入促進の成果として、定置用燃料電池、水 素燃料電池自動車等を紹介しながら、将来の水素社会の絵姿を提示する。こ れにより、水素がエネルギー・環境問題の解決策の一つであることを提示す る。

また、カザフスタンに賦存する石油随伴ガスや天然ガス及び褐炭といった 一次エネルギー源から水素製造が可能であること、CCS / CCUS(炭素回収・ 貯留・利用技術)により一層の CO2 排出削減効果の可能性があることから、 カザフスタンでの水素製造にポテンシャルがある面も取り上げながら、「カザ フスタンは水素生産国になれる」というメッセージを発信することも重要。 なお、水素は二次エネルギーであり、水素を製造するためにはエネルギー を投入する必要がある。しかしながら、これまでは資源エネルギー利用にあ たっての付加価値が比較的低かった褐炭、原油随伴ガスといった未利用エネ ルギーからの改質や、再生可能エネルギー発電等の一次エネルギー源の余剰 電力を利用した電気分解による水素への変換といった可能性がある。また、 長時間かつ大量の貯蔵と輸送も可能であるといった特徴を有しており、かつ 発生する電力や熱等を有効かつ多用途に活用できる二次エネルギーであると いえる。


展示にあたって想定される、技術の例は以下の通り。 ア 水素燃料電池自動車(非常時向け等の蓄電・給電機能を含む) 等 イ 水素製造技術(石油、天然ガス及び褐炭等の化石燃料からの製造、製鉄 や化学工業等からの副生ガス精製、再生可能エネルギーによる発電電力 を利用した水からの電気分解、次世代型原子炉) ウ 水素輸送・貯蔵技術 エ 水素発電技術 オ 高圧水素ガス及び液体水素燃料利用技術 カ CCS / CCUS(炭素回収・貯留・利用技術) キ 定置用燃料電池

(2) 発信手法に関して (1)の発信内容を日本館来館者に、魅力的かつわかりやすく発信するため、展示編 集方針を策定するにあたって考慮すべき点について以下に示す。また、併せて、最 新の展示技術と内容の融合を目指していくべき。

 ① 全体骨格的な流れ(ストーリー)を考慮すること。 ア 我が国でのエネルギー技術や文化の系譜学や歴史、変遷や環境との相互交 通などを「時間軸」に沿って流れるように訴求すること イ 身近なエネルギーから遠大な地球的エネルギーの諸問題を「スケール軸」に 沿って流れるように訴求すること 

② 身近な感覚に引き寄せる切り口などを考慮すること。 ア 「過去から見た未来のエネルギー」 イ 「未来エネルギーと社会・人の営み、生活文化とのダイナミズム」 ウ 「環境、芸術分野、科学技術と未来エネルギーの関係性」 エ 「生活や社会と寄り添える安全な未来エネルギー」 

③ 展示内容の展開の企画にあたって、来館者の大勢がカザフスタン人であること を想定し、これらの来館者に対する訴求を考慮すること。例えば、以下の展示要 素が考えられる。 ア (未来エネルギー動力の)自動車 イ 都市や生活空間のジオラマ・パノラマ ウ 驚異のエネルギーテクノロジー エ カザフスタンにとって近未来的・同時代的に導入可能なエネルギー諸技術 オ アニメやマンガなどのクールジャパン的手法によるコミュニケーション カ 没入型映像、高精度映像、インタラクティブ体験等の最先端技術

 2 発信にあたって留意すべき点(考慮すべき事項)

日本館へは、万博というイベントを楽しむために来る一般来館者からエネル ギー問題に詳しい専門家まで幅広い層の来館が想定される。展示においては、 それぞれの来館者層の視点や関心に訴えかけ、記憶や印象に残るような展示内 容とすることが肝要である。以下に想定される来館者層とそれらに対して訴求 すべき点を整理する。

(1) 一般来場者(特にカザフスタン人) 日本館展示で訴求する内容について、面白く、わかりやすく、また体験展示 も通じて印象や記憶に残るような効果的な展示となるよう工夫すること(未来 の生活のイメージを提示する)。 日本館展示を通じた提案の中で、水素を取り上げることにより「カザフスタ ンは水素生産国になれる」というメッセージを発信する。 また、エネルギー技術のみならず日本製品や日本文化も紹介し、カザフスタ ンの人々をはじめとする一般来館者に日本を知ってもらい、日本に関心を持っ てもらうことを追求する。

(2) カザフスタン政府、カザフスタン企業等 カザフスタンへのエネルギー協力の成果や将来の可能性を強調する。 特に、カザフスタン政府関係者に対しては、日本館展示を通じた提案が、2012 年にカザフスタンが長期戦略として策定した『カザフスタン 2050』の実現に 貢献することを提示するとともに、「カザフスタンは水素生産国になれる」と いうメッセージを発信する。 また、この中には専門的知見を有する来場者も想定されることから、水素は 水や褐炭及び天然ガス等の一次エネルギーや副生ガス精製などの様々な方法 で製造することが出来るエネルギー源で気体、液体、固体というあらゆる形態 で、かつ大量の貯蔵・輸送が可能であり、利用方法次第では高いエネルギー効 率、低い環境負荷、非常時対応等の効果が期待され、将来の二次エネルギーの 中心的役割を担うことが期待されることも強調すべき。

(3) マスメディア 展示のストーリーや訴求点がわかりやすい内容であること。 また、東日本大震災を経験し、再生可能エネルギー導入や水素社会構築に向 けた動きを示しながら、次世代エネルギーとしての水素の必要性を訴えること は効果的。


 【日本館出展テーマ】

1 日本館展示は、「これまでの日本の経験と蓄積(エネルギーに関する課題と挑 戦)」及び「これから日本が推進する水素社会」とし、この中で様々なエネルギー源 を対象とするが、特にアスタナ博のテーマである「未来のエネルギー」へのソリュー ションの提案が水素社会であることを踏まえ、日本館出展テーマ及びメッセージは 「水素」を強調するものとしつつ、以下の案をベースに、今後、コピーライターやア ーティストなどのプロフェッショナルによって、より洗練されたものとすべき。

2 日本館出展テーマは、日本語、カザフ語、ロシア語及び英語とする。カザフ語、 ロシア語及び英語の日本館出展テーマは、上記1によって考案された日本語のも のをベースとしつつ、趣旨が逸脱しない程度にアレンジすることで直訳することは 避け、さらに、それぞれを母国語とする人にも相談しながら、より現地で受け入れ やすいものを考案すべき。

・ 水素が拓く未来のくらし ・ 水素がまもる未来のくらし 

【メッセージ】

日本の技術と経験が切り拓く、安全で、持続可能な未来のエネルギー

エネルギーと環境問題への挑戦


【展示、運営、広報・行催事、レストラン・売店】

1 展示 

(1) 基本的な考え方
展示は誰にもわかりやすく、かつその内容は深く、記憶に残る体験を提供す るもの、説明的・解説的なものは極力避け、体感的にそのメッセージが通じる ものを目指す。展示内容は情報量が多く多様性に充ちたものがよいが、メッセ ージは質の高いシンプルなものをさまざまな展示媒体を駆使して展開する。ま た、他館との差別化を図り、日本館の展示を印象づける。クールジャパンの観 点も考慮する。

(2) 具体的対応

① テーマを最大限具現化した展示コンテンツ 日本館のテーマを最大限、具現化した展示コンテンツの展開を第一義にお く。 ② 観客の楽しめる高度なエンタメ伝達技術 クリエイティブ性に充ち、かつコンテンツと親和性のあるディスプレイ技 術によって、体感的な展示空間を創り上げる。 ③ 安全確保 施設人員処理能力にマッチした展示空間の配置、緊急避難動線の確保、清 潔な環境、観客に事故が起こらない展示物やその配置への配慮を徹底してお こなう。 ④ ユニバーサルデザイン ストレスのない展示の流れを基本に、障がい者に対する配慮、多言語など ユニバーサルデザインへの配慮をおこなう。 ⑤ 空間断面活用 アスタナ博公社より提供される 3 層になったパビリオン構成(地下:倉庫、 1 階:展示室、2 階:運営事務室 等の想定)を合理的に活用した空間構成 にする。 ⑥ 入館待ち時間の活用 過去の国際博覧会参加の経験を踏まえ、入館待ちの行列が出来ることが想 定されるため、待ち空間の情報提供空間としての活用も検討する。


2 運営 

写真は、当サイト編集者による「一期一会」のイメージです


(1) 基本的な考え方

来館者の安全を確保することを第一義としながら、運営の特色である来館 者との直接のコミュニケーション機会を通じて、日本と日本館への来館者の 相互交流、相互理解の促進を目指す。日本ならではの「おもてなしの心」、 「一期一会の心」で来館者を迎え、日本流のホスピタリティが来館者の心に 残るような運営を目指す。

(2) 具体的対応

① 国内広報 協賛企業との連携など各種イベントとの連携を図り、テレビ、新聞、雑誌等に積 極的に露出させ、費用対効果の高い広報を企画・実施する。また、アスタナ博及 び日本館の広報を実施するための各種広報素材を作成する。

② 日本館ホームページ

日本館をはじめ各種情報を発信するホームページを運営し、日本国民に対し ては、アスタナ博、日本館及び他国館等の情報を発信し、日本国内での認知度 向上や参加機運を形成、来訪意欲を刺激することで、来場者増に結びつけるとと もに、日本ブランドの国内再発信やテーマに係る意識涵養を図る。カザフスタン 人をはじめとする外国人に対しては、日本館の魅力的な情報を発信し、来館者増 に結びつけ、日本館の取組みを分かりやすく紹介することで、対日理解の促進を 図る。言語は日本語、カザフ語、ロシア語、英語とする。

③ 催事

会期中の自主催事(特に博覧会場内の催事)に重点を置いて実施し、展示内 容を補完・補強して我が国出展の意義・目的を達成するものとする。実施に当た っては展示、レストラン・売店、催事、広報との連携を検討し、それぞれを効率的 に活用することで、相乗効果をもたらす工夫を行う。

④ 博覧会会場外の催事

博覧会会場外での催事を企画・検討する。

⑤ ジャパンデー

公式参加国としてナショナルデーの行事に参加し、カザフスタン国民をはじめ、 来場者や博覧会関係者等に対して我が国の参加をアピールするとともに、レセプ ションにおいて関係者間の交流を拡大・深化させ、催事においては来場者に日本 の文化、クールジャパンを魅力的に紹介することにより、日カザフスタン友好親善 や対日理解促進を図る。また、ジャパンデーを広くメディアに取材してもらうことで、 アスタナ博の場を活かした日本の取組みや話題を日本へ発信する。 日本のプレゼンスを向上させるため、他国のナショナルデーに見劣りすることの ないよう、充実した内容で着実に実施する。(結団式、開館式など対内的な行催 事については、必要最小限の対応とする)

⑥ その他

ア 結団式 アスタナ博開幕前に日本館スタッフ等の関係者の士気高揚を図ることにより、 意欲を喚起し、開催期間中の日本館の運営の円滑な実施を確保する。

イ 開館式 日本館の開館を祝う式典を開催するとともに、VIPや報道関係者に対して内 覧会を実施することにより、日本館を内外にPRする。

ウ 万博公社主催フォーラム アスタナ博の中心となるイベントの一つである「未来のエネルギー」フォーラム と連携した催事・広報の企画を展開する。

4 レストラン・売店 

(1) 日本食レストランの設置 日本館において、日本食の提供を希望する事業者がある場合はレストランの設置 を検討する。レストランを設置する場合、食を通じた体験的な日本の理解は高い効 果が見込まれるため、レストランの設置により日本の文化紹介・普及に資するよう考 慮に入れるとともに、日本食レストランや日本食の海外展開も視野に入れた展開を 図るよう検討すべきである。

(2) 物販等の商業活動 外国人の興味をひく日本ならではの伝統的な商品などを中心に展示・販売を検討 する。来館者が「もの」に直に触れることで、日本人のものづくりの精神をより深く実 感してもらう。また、物販にあたっては、例えば、日本全国の駅内で見られる売店、 いわゆる”KIOSK”の導入等、スペースの有効活用や日本らしさも考慮しながら検討 すべきである。日本の特色や伝統文化を示すのにふさわしい物販のあり方において は、その可否も含めて、今後検討を加えていくべきである。

(3) 自動販売機の活用 必要に応じて、飲料、食品及び物品の販売にあたって自動販売機の活用を検討 する。特に自動販売機は日本で発達、深化したクールジャパン的要素があり、また、 飲料用自動販売機については省エネ型自動販売機もアスタナ博のテーマである 「未来のエネルギー」に適う可能性がある点に留意する。


【今後のスケジュール】

「日本館基本計画」策定後、アスタナ博終了までの主なスケジュールとしては、概ね 以下の通りであり、工程表を適切に定め、確実な進捗管理を行いながら、円滑な諸準 備に努めるべきである。


2015年8月中旬 展示、行催事・広報、運営等の諸準備着手 2016年 展示、行催事・広報、運営等の諸準備 2017年1月2日 パビリオン引き渡し 2017年4月3日 展示物等搬入開始 2017年5月26日 日本館の展示・内装完成 2017年6月10日 アスタナ博開幕 2017年9月10日 アスタナ博閉幕


協力(順不同)

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
南飛騨馬瀬川観光協会 岐阜県下呂市馬瀬西村1508-1 TEL 0576-47-2841
(株)竹田嘉兵衛商店  〒458-0924愛知県名古屋市緑区有松1802番地 TEL:052-623-2511
山形県鶴岡市羽黒町観光協会 (いでは文化記念館内)〒997-0211 山形県鶴岡市羽黒町手向字院主南72 TEL 0235-62-4727
愛・地球博記念公園 〒480-1342 愛知県長久手市茨ケ廻間乙1533-1電話:0561-64-1130
北栄町役場 〒689-2292 鳥取県東伯郡北栄町由良宿 423-1 TEL 0858-37-3111 
四国電力(株)〒760-8573香川県高松市丸の内2番5号 TEL 087-821-5061
トヨタ自動車(株)〒471-8571愛知県豊田市トヨタ町1番地 TEL(0565)28-2121
公益財団法人みやざき観光コンベンション協会 〒880-0811 宮崎市錦町1番10号 宮崎グリーンスフィア壱番館(KITENビル)3階 TEL0985-26-6100
一般社団法人 長野県観光機構 
〒380-8570 長野県長野市大字南長野字幅下692-2TEL:026-234-7200
一般社団法人 信州いいやま観光局 
〒389-2292 長野県飯山市大字飯山1110-1 飯山市役所内 TEL :0269-62-3133 
日下部民藝館 〒506-0851 岐阜県高山市大新町1丁目52TEL (0577)32-0072
三徳山三佛寺 〒682-0132 鳥取県東伯郡三朝町三徳1010 TEL:0858-43-2666

日原もとこ 東北芸術工科大学 名誉教授 / 風土・色彩文化研究所 主宰 /
日本デザイン学会名誉会員 / 日本インテリア学会名誉会員 










ZIPANG TOKIO 2020

2020年、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。 この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、伝統芸能、行事、風習、ものづくりの技の美等、 サイトを通じて、平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです

もしもこのサイトに同じ思いをお持ちの皆様から、素敵な情報や画像をお寄せ戴ければこの上ない喜びです。以下のEメールアドレスへご連絡下さい。

E-mail aromajinja@gmail.com ( ZIPANG 2020 編集部 )。

2020, will be held the Olympic Games and Paralympic in Tokyo.

On this occasion, for the little-known beauty of the spiritual culture and national land of Japan to the people of the world I think that if we help to re-discover.

Climate, nature of the four seasons, of food, clothing and shelter cultural beauty, traditional arts, events, customs, beauty, etc. of the work of making things,

Through the site, peaceful country, a strange country, if the interest is more depth or round to ZIPANG Japan, is where I want secretly.


写真ご協力:高山祭(高山市)/ 富士山(富士市)

ZIPANG TOKIO 2020

2020年、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。 この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、伝統芸能、行事、風習、ものづくりの技の美等、 サイトを通じて、平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

もしもこのサイトに同じ思いをお持ちの皆様から、素敵な情報や画像をお寄せ戴ければこの上ない喜びです。以下のEメールアドレスへご連絡下さい。

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2020, will be held the Olympic Games and Paralympic in Tokyo.

On this occasion, for the little-known beauty of the spiritual culture and national land of Japan to the people of the world I think that if we help to re-discover.

Climate, nature of the four seasons, of food, clothing and shelter cultural beauty, traditional arts, events, customs, beauty, etc. of the work of making things,

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