カザフスタン共和国について
カザフスタン共和国は、ユーラシア大陸の中央部、中央アジアに位置している。272万4900平方キロに達する広大な国土は、旧ソ連邦のCIS諸国の中で2番目に大きく、ロシア、中国、アメリカ、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、インド、オーストラリアに次いで世界第9位で、EU諸国の12か国の国土を合 わせたよりも大きい。
カザフスタンは、中国に1460キロ、キルギスタンに980キロ、トルクメニスタンに380キロ、ウズベキスタンに2300キロ、ロシアに6467キロの長さにわたって国境を接している。全国境の長さは1万2187キロに及ぶ。
西のウラル川に接する低地から、東のアルタイ山脈に連なる山岳地帯まで、3000キロの広がりがあり(二つの時間帯をカバーする距離)、北部の西シベリア低地帯から南部のキジルクム砂漠と天山山脈の山岳地帯まで、2000キロほどの距離がある。
カザフスタンの最北端は北緯55.26度。東ヨーロッパ平原の中央部分の南でイギリスの南端(モスクワの緯度)の位置に相当する。最南端の緯度は、 北緯40.56度。コーカサス地方と南ヨーロッパの諸国の緯度と同じで、マドリッド、イスタンブール、アゼルバイジャンの首都バクの緯度に相当する。 カザフスタン国内には、大小8500の川がある。7大河川の長さの合計は、1000キロ以上に及ぶ。最大の川はウラル川とエンバ川で、カスピ海に注ぐ。シルダリヤ川はウラル海に、イルティシュ川、イシム川、トボル川は共和国を横断し最終的には北極海に注ぐ。
4万8000の大小の湖がある。最大の湖はアラル海、バルハシ湖、ザイサン湖、アラコリ湖、テンギス湖、セレテンギス湖。また、カザフスタンは、世 界最大の湖であるカスピ海の北部と東部の沿岸の多くを占める。カスピ海のカザフスタン側の沿岸は2340キロに及ぶ。カズフスタンの国境の26%はステッ プが占める。国土の44%は1億6700万ヘクタールに及ぶ砂漠で、14%は半砂漠である。それに対して森林は2100万ヘクタールを占める。
21世紀の偉大な首都「アスタナ」の物語
カザフスタンの首都アスタナは、かつてはアクモラと呼ばれたところだ。
1997年10月20日カザフスタン共和国大統領令およびカザフ共和国議会の承認を得て、1997年12月10日カザフスタン共和国の首都と宣言された。
カザフ共和国の新しい首都であるアスタナの国際的お披露目は1998年6月10日に行われた。 1920年当時のカザフスタンの当時の首都はオレンブルグ。(現在はロシア連邦に編入されている) 1925年カザフの首都はクジル・オルダに移動。更にトルキスタン、シベリア鉄道の建設が主な理由となって、アルマ・アタ(アルマ・トゥイ)に移された。 法的には1927年4月3日のことだが、実際は1929年に移転。アルマティからアクモラへの首都の移転は経済的、環境的、地理的理由から進められた。
まずにアルマティは共和国の地理的中心地から遠すぎること、更に人口が150万人に近付き、居住地が狭くなってきたことによる。 社会、経済的指数、天候、景色、地震、自然環境、生産輸送基盤、建設設備、労働力等32の指標を元に、カザフスタン全土を徹底的に検討し、アクモラが最適な都市として選ばれた。
アクモラの可能性
選ばれたアクモラは、カザフスタンの地理的にはほぼ中央にあり、空路の乗り入れによって主要な経済的地域とも近く、現在の人口に対して更に40万人増加できる可能性があり、温水、冷水、電力供給の基盤が充分しっかりしている。輸送基盤のインフラも十分。自然環境もバランスがとれており、これら全ての要素がアクモラ選択決定の要因となった。
アクモラの歴史はカラウルトゥクの地にアクモラ要塞を建設した時から始まる。 "アクモラはシベリア・キルギス地区のイシム川河畔アクモラ郡の主要な都市で、この地域の地理的な中心地にあり、東はカルガリと道が通じており、南にアクタウの城砦があり、西にアトバサールがあり、これによりコクチェタクの町に通じている"と、1863年ペテルスブルグで発行されたロシア帝国の地理・統計事典に書かれている。すなわち、この時期から、この町の地理的利点が知られていたと言うことだ。 また、他の出典によると、アクモラ ステップ(草原)は、色々な国や文化との他民族交流の地でもあった。
BC1世紀の中頃、古代ギリシャの有名な歴史家ヘロドトスの言うところの大草原の道がこのアクモラの草原を通っていたと言われており、シルクロードでもあった。 数多くのキャラバンのルートに、交易や手工業によって新しい都市を生み出し、牧畜とは別に新たに増えた人口が農業に従事した。文明の始まりだ。 19世紀にもアクモラは草原における商業経済の中心地だった。1863年7月16日、アクモラは正式に地域都市として認められた。 こうした歴史的な背景もアクモラが選ばれた理由のひとつだ。
アクモラをアスタナに改名
アスタナとは「偉大な都市」と言う意味だ。 8月21日首都建設局は2000年2月カザフスタン政府によって承認されたアスタナ発展総合計画の実施を発表した。この計画策定に当たっては国際的な規模での都市計画のコンペティションが行われ日本の建築家黒川紀章氏の案が採用された。
この総合計画の主要な考え方はイシム川左岸の発展とともに新市街と旧市街の調和のとれた融合にある。新市街は川の左岸で建設される。 左岸に建設すると言うことは、このカザフスタンの首都を近代的であらゆる活動を容易にするためのもの。計画が目指しているものはイシム川とアブラク地区にレクリエーションと森のゾーンを作ることだ。また、アスタナの気候を改善するために、いくつかの湖を作ることも、計画されている。
総合計画の中の一つは、市の各地区間を交通網で結び、住民が他地区に容易に移動できるようにすることだ。市は一つの有機体として機能しなければならない。既に作られたバイパス以外に、市街に更に2つの環状道路を建設する予定だ。
イシム川の左岸と右岸を結ぶため、もう一つ橋を架ける工事が既に始まっている。高速鉄道も建設の予定で、地下鉄の建設も検討されている。総合計画の実施は都心の建設から始まる。
都心はイシム川左岸に3300メートル×1200メートルの長方形で置かれる。この都心の軸となるのが、100メートル幅の通りで、広場や噴水、彫刻が設けられます。またこの通りと平行して、6レーンの通りも4つ設けられる。中央には直径400メートルの円形の建設地があり、そこにカザフ オイルやトランス オイルのビルが建てられている
中央通りに沿って、オフィス ビルや、銀行、マンションが建てられつつある。
都心には、また外交関係施設も設けられます。都心の一部はイシム川の流れに沿っており、この中心広場に大統領官邸や、カザフスタン国会の上院・下院の建物が建ち並び始めた。 カザフスタンが独立して以来、初めて自国の手で建設する首都アスタナ。21世紀に相応しい機能を備えた新都市がいま完成しつつある。
国の概要
独立 1991 年 12 月 16 日 人口 1700 万人(2013 年) 首都 アスタナ(人口 80 万) 最大の都市 アルマティ(人口 150 万強) 総面積 270 万平方キロメートル。日本の 7 倍。 近隣国 ロシア、トルクメニスタン、ウズベキスタン、キルギス共和国、 中国。カスピ海をはさんでアゼルバイジャンとイラン。 国境 合計 1万 3200 キロメートル。カザフスタン共和国はロシアとの国境 が最も長く、7591キロメートル。中国との国境は1783キロメートル。 沿岸部 カザフスタンは内陸国だが、アラル海とカスピ海に接している。
政体 三権分立の共和国
元首 ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領
主要言語 カザフ語(国語)、ロシア語(「公用語」)。
主要宗教 イスラム教、キリスト教他。
平均寿命 64.66 歳(男性)、74.88 歳(女性)(2013 年)。
通貨 1 テンゲ= 100 ティイン
主要輸出品 原油、ウラニウム、鉱物、金属、穀物、羊毛、肉など。
一人当たりGDP 1 万 4000 ドル(2013 年)
インターネット・ドメイン .kz
カザフスタンみどころ
南カザフスタン(アルマティ、ジャンブル、南カザフスタン、タジール・オルダ地区)は、アイシャービビ、カラハン、タラスのババジャ―ハトウンといった中世建築で有名な霊廟、トゥルケスタンのホジャアフメットヤサビといった建築群等の古い歴史と文化で有名な地域だ。更にセミレチェ(アルマトゥイ地区)の特異なスキタイ墳墓を付け加えられる。
ところでこの地区は、世界的に有名な宇宙基地バイコヌールのある地区でもあります。 Khodza Akhmed Yassawi Mauseleum 更にこの地区は気候がレクリエーション、リハビリテーション、狩猟、登山、山岳スキー、スケートに適したユニークな地区でもある。
西カザフスタン(アクトベ・アティラウ・マンギスタン州)は、ヨーロッパとアジアの交差路に位置する。カスピ海に面し、そこにはまた、ヴォルガ・ウラル油田地帯が広がる。 この地方には、世界で2番目に深い海抜を持つ低地「カルギエ盆地」〔マイナス132m〕 が、その白亜の懸崖を広げる。狩猟に適していて、魚釣りや、マリンスポーツを楽しめるのも魅力である。考古学・歴史学の分野で近年注目を浴びているこの地域には、マンギシュラック・ウチュルットなどの遺跡や、カザフの口承文学にゆかりの深い史跡を訪れることができる。
北カザフスタン(コスタナイ・北カザフスタン・パブロダル州)は、季節により多様な風景が見られる。景色やドライブ、サイクリング、水遊びといったあらゆる種類の観光レクリエーションに適している。この地方に位置するいろいろな療養のための、コクシェタウ・バヤンーアウル・ムヤルディ保養所には、治療だけではなく、日々の疲れを癒すためにバケーションに休養で訪れる人々で、特に夏はにぎわう。クルガリジノ・ナウルズ自然保護地域は、生態系研究など、学術旅行で次々と新発見のされる場所である。
中央カザフスタン(カラガンダ州)には、世界で最も大きい湖の一つ「バルハシ湖」がある。バルハシ湖の周りを、カルカラリン森林のオアシスが.包む。またこの地方には、考古学・民俗学の分野で興味深い遺跡などが太古の時代から、そのままの状態で保存されている。 東カザフスタンである、アルタイは、その山麓には森林地帯が広がり、イリ川が流れ、ザイサン・マルカコリ・アラコリ・サウスカン・などの湖がある。さまざまな動物・植物の生態群がここに暮らす。セミパラチンスクは、カザフの偉大な文学者である、アバイ・クナンバエフや、ムフタル・アウエゾフなどの故郷だ。
小生の記憶に間違いがなければ、黒川紀章氏の東京オフィスで話を伺ったのは丁度、カザフスタンの都市計画の真っ最中の頃でした。
話の途中でスタッフが、何度も何度も指示を仰いでおりました。また、間が悪く少し大きな地震が発生して、私が、逃げ腰になると黒川紀章氏が「早川君、このビルは、しっかりと設計してあるから大丈夫だから・・・」と悠然とされていたのを思い出しました。
その後、偶然名古屋でお目にかかると、その容姿の変貌ぶりに驚かされました。まるで「燃えよドラゴンの」ブルースリーのような姿で現れたのでした。「黒川先生どうされたのですか?カンフーでも習っておられるような姿で・・・?」と尋ねると、実は今、中国の鄧小平さんから頼まれた都市計画の最中なんだよ、鄧小平さんが僕に、「黒川先生この都市計画が完成するのは、あと、何年くらいかかりますか?」と尋ねられたので、僕が「百年はかかります。」と答えると、「それでは、私も貴方もこの世にはいないので、あと誰が引き継いで完成させるのですか?黒川先生、私に提案があります。この都市計画を完成させてくれる人材も一緒につくって下さい。」
「今まで僕は何処の大学から頼まれても首を縦に振らなかったんだけれど、今度ばかりは断り切れなくてね…現在中国の都市開発を行いながら、北京大学で学生たちに建築を教えている。それには、このスタイルが一番良いと思ってね、君もどう!」冗談のような、本当の話です。今は、懐かしい思い出です。ご冥福をお祈りいたします。
「2017 年アスタナ国際博覧会」是非、皆さん一緒に行きましょう!
鎹八咫烏 記
協力(敬称略)
カザフスタン共和国大使館
東京都港区麻布台1-8-14 Tel: (03) 3589-1821
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2017.01.15 03:08
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2017.01.08 09:08