「男は祭りを そうさ かついで 生きてきた 山の神 海の神 今年も本当に ありがとう 白い褌 ひきしめた 裸若衆に 雪が舞う 祭りだ 祭りだ 祭りだ 豊年祭り 土の匂いの しみこんだ 伜その手が 宝物」
ご存知、北島三郎氏(作詞なかにし礼氏、作曲ご本人)の日本の心を歌った演歌「まつり」の一節である。
この歌にぴったりだと思うのが『古川祭・起し太鼓』である。この「祭」は「まつり」のためにあるのか、はたまた「まつり」は「祭」のためにあるのか「まつりの詞・曲」と「古川祭」が渾然一体となって心に沁みてくる。
日本の心「日本のまつり」、東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムに地域を彩る全国33の日本が誇るユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台」を集結、会場内にいる世界中のアスリートや観客だけでなく同時に衛星放送やインターネットで全世界に配信し、世界平和・日本の心「まつり」を是非披露したいものです。東京は勿論、日本のオリンピック・パラリンピックなんだから!
主催都市の小池百合子東京都知事、森喜朗公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会委員長、安倍晋三内閣総理大臣、イベント総合監督・演出家(未定)、誰でも構わない(失礼)2020年東京オリンピック・パラリンピックのフィナーレの演出の中に、日本の心「日本のまつり」を是非加えて欲しいものである。
飛騨の匠の故郷、屋台に一位一刀彫の昇り龍と降り龍。上野東照宮唐門にも、飛騨の生まれと言われる「 左甚五郎作昇り龍と降り龍」がある。
屋台からくり人形 青龍台
屋台の子供歌舞伎「五条の大橋の義経と弁慶」最上部には義経のからくり人形。義経哀れ千本桜・・・
獅子が舞ながら神輿を先導
飛騨市「古川祭」の落ち着いた町並み。門口の提灯が祭に華をそえている。名古屋の祭もかっては町内ごとに・・・
『古川祭・起し太鼓』と、北島三郎氏の「まつり」の映像を観ていたら思わずそんな想いが湧いてきました。皆さんは如何ですか?
それでは、まず高山市(荘川含む)や白川郷は知っているけれど、飛騨市って飛騨高山のことじゃないの?と勘違いされている方のために飛騨市の概要からご説明いたします。
飛騨市概要
平成16年2月1日に、古川町、河合村、宮川村、神岡町の2町2村が合併し、飛騨市が誕生しました。 飛騨市は、岐阜県の最北端に位置し、北は富山県、南は高山市、西は白川村に接しており、県庁所在地の岐阜市から約150km、高山市の北約15kmに位置しています。 周囲は3000mを越える北アルプスや飛騨山脈などの山々に囲まれ、総面積792.53平方キロメートルの約93%を森林が占めています。年間を通しては、平均気温11度で四季の移り変わりを肌で感じることができ、とても自然に恵まれた地域です。
雪国の風情漂う飛騨古川のまち
連なる白壁土蔵と、その袂に流れる瀬戸川。飛騨古川の町並みを語る時に欠かすことのできない、町の象徴とも言える風景です。瀬戸川沿いの通りの景観をはじめとした飛騨古川の町並み、暮らしに根付いた温かさを感じます。この優しさに満ちた温かい魅力の秘密は、「市民の手で取り組む景観保護」や「観光のためにではなく・・・自分たちが住む町を良くしようという思い」からなのです。
飛騨市古川町毎年2月末に行なわれる『三寺まいり」土蔵街の瀬戸川に千本の和ろうそく
古川町 雪の土蔵街と春~秋まで鯉が泳ぐ瀬戸川(冬は水温が下がるため鯉は山の池に引っ越しです。昔はそうでしたから、景色も変わっていないので今もそうしておられると思います)
何時、誰が何のために置いたのか?路傍に置かれた石仏、1年365日町と旅人たちの安全を祈っておられます。確か40年以上前にも観たような気がします・・・
古川町土蔵街瀬戸川に鯉が戻り季節がめぐります。
飛騨と言えば「紅がら格子」酒造場。見学も出来る。
和ろうそくの良さに気付いた方たちが立ち寄る。長持ちして温かい灯りが女性を美しく輝かせる
「富士山に月見草が似合う」ように、紅がら格子には、やはり雪がよく似合います。
朝霧が飛騨市をすっぽり包んでいます。これなら昔、肥後から攻め入った武将が峠から由布院を望んで湖と間違え、退却したという大分・由布院の朝霧に勝るとも劣らない。
繊細で美しい樹氷です。飛騨市の周囲は北アルプスと飛騨山脈、
河合 天生県立自然公園
カツラ門 河合 天生県立自然公園
宮川 池が原湿原
神岡 藤波八丁
古川 安望籐園
富山県との県境に近い宮川町にあるやな(魚簗)。飛騨市の中央を流れ、豊かな水の恵みをもたらす清流・宮川が育んだ大きなアユが自慢です。
神岡 共同水屋
飛騨市「市章」
この市章は「水と木の文化薫る四町村が響き合い、市民や他の地域、そして世界へ発信する様子(活力)」を表しています。古川町の朝霧、河合村の雪、宮川村の豊かな水、そして 神岡町の最新技術を支える水など、四町村をつなげる「水」 に着目し、波紋や年輪をモチーフとして、彫刻的(立体的) で現代的なシンボルとなっています。
全体的な造形として、現代の生活にふさわしい表情をもちながら、古い町並みにも調和する日本的な表情にも配慮しています。
市章
それは歴史ある飛騨の文化を守りながら、現代に発展させる人々の姿を表しています。また、シンボルカラーであるおちついた水色は、水や空など飛騨市の豊かな自然と、人々のやすらぎを表現したものです。
さて、本題の『古川祭・起し太鼓』のご案内をいたします。
古川祭は、町内にある気多若宮神社の例祭・伝統神事である。「君の名は」にも登場。
お越し太鼓
屋台(からくり人形)
「気多若宮神社」の例祭 神事 御神輿行列。神輿はよほど重いのか?貴重なものか?昔はどうだったんだろう?「神輿を担ぐ」と言う位なので・・・でも、きっとこの屋台のように曳くスタイルが昔からの伝統なんでしょうね。
全国の33件「山・鉾・屋台行事」のひとつとして「ユネスコ無形文化遺産」に登録がされました。
全国に名を馳せる「古川祭」は、町内にある気多若宮神社の例祭で国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統神事です。この祭は、神社での神事、古式ゆかしい「御神輿行列」が中心となって、"動"の「起し太鼓」と"静"の「屋台行列」が二大祭事として加わり、三つの行事群により4月19日、20日の2日間に渡って盛大な時代絵巻が繰り広げられます。飛騨の春の始まりです。
是非皆さんお出かけ下さい。
「荘川」(荘川IC降り直ぐ)にもよって見て下さい。春には荘川桜がお出迎えです。
東京から飛騨市「古川」へ
大阪から飛騨市「古川」へ
名古屋から飛騨市「古川」へ
富山から飛騨市「古川」へ
高山から飛騨市「古川」へ
最後になりましたが、飛騨市のご担当の方が、2012年に「古川祭」を指揮された方から「古川祭」の見どころや苦労話を聞かれていますので、ご紹介いたします。
「ユネスコ無形文化遺産に登録された古川祭は先人より引き継がれてきた伝統文化として、地元の人々よって支えられ、今に伝 わっています。どんな準備をしてまつり当日を迎えるのか?地元の人がオススメするまつりの見どころはどこなのか?上台勇さんにお話を伺いました。」
「随所に飛騨の匠の技が施された絢爛豪華な屋台の曳行、子供歌舞伎、からくり、御神輿行列など、古川祭は見どころがたくさんあるんですが、やはり何といっても『起し太鼓』でしょう」こう語る上台さんは、2012年に起し太鼓の総務局長を務めた方です。「古川の町を朱雀・青龍・玄武・白虎の4つの地区に分け、地区ごとに様々な仕事があるんです。起し太鼓は毎年3月第1日曜に『抽選祭』というものを行い、その年の起し太鼓の主事を決めます。そこから大規模な会合を頻繁に開いて、役割ごとに皆が動いていきます。櫓の上に乗って太鼓を打つ人は「太鼓打ち」と呼ばれ、起し太鼓の花形。一生に一度あるかないかの大変名誉ある役目なので、選ばれた若者は必死に役目を務めます」
「起し太鼓の中でも、ぜひ見てほしいのは『打ち出し』。安全運行を祈願しての出立祭で、厳粛な雰囲気と『いよいよ起し太鼓が動き出す』という男たちの高揚感で、熱気が最高潮に達します。まつり広場で見られるので、ぜひこの雰囲気を味わってみてください。あとは、町の辻々で繰り広げられる大太鼓と付け太鼓の競り合いですね。我れ先にと大太鼓に突っ込む町内各組の付け太鼓、それを防ごうとする大太鼓の護衛の攻防は深夜にまで及びます。激しい攻防ですので見学は自己責任で、ケガに注意してください」男性がクローズアップされる古川祭ですが、女性は子どもたちへのお菓子配りや救護などの仕事で参加し、家々でのおもてなしの準備に大忙しなんだとか。飛騨古川の老若男女すべてが協力し支える――これが古川祭なのです。
飛騨地方は幾つかある故郷の一つになります。是非皆さん訪ねてみて下さい。4月はまだ少し肌寒いですが、きっと飛騨の人たちは温かく迎えてくれると思います。 鎹八咫烏 記
協力
飛騨市役所 観光課 住所 岐阜県飛騨市古川町本町2番22号 電話番号 0577-73-2111
電話受付時間 9:00~17:00(土日祝日年末年始休) FAX番号 0577-73-6866
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