宮川に架けられた赤(朱)い中橋
市内の中心部を流れる宮川にかかる飛騨高山の代表的な橋である赤い中橋と桜が調和し、とても美しい光景が見られます。夜にはその周辺をライトアップし、幻想的な春の飛騨高山を見ることができます。現在はつぼみですが、4月14日、15日の高山祭のころには、満開の桜を観ることができる。
古い町並みから通りを一つ外れたところ、宮川沿いのその静かな通りに「本舗 飛騨さしこ」のお店はあります。店先に並ぶのれんや傘など、飛騨地方のさしこの特徴である美しい幾何学模様が刺繍された製品たち。手にとってみたくなるような素敵なアイテムにふらっとお店に入ってみると、そこにはポーチからのれんまで様々なグッズが並ぶ飛騨さしこのギャラリー。
上三之町の古い町並み
かつて不便な土地だった飛騨では物持ちを良くするために様々な創意工夫がありました。そのひとつが飛騨さしこです。布に模様をつける技術が乏しかったため、デザイン性と布の補強という両面から、布に糸で幾何学的な模様などの図柄を一針、一針縫い込んでデザインし、日々使ってきました。少ない物資を工夫して生活の中に活かそうとする飛騨の人々「本舗 飛騨さしこ」は、今でもその伝統の技を伝承しています。
高山の手作りの民芸品として人気の「飛騨さしこ」。ポーチやのれんからコースターまで、美しい刺繍グッズは老若男女問わず、特に女性に人気の定番土産。でもこの飛騨さしこ、ただ見た目のために刺繍してるんじゃないんです。物のない時代、山間にあった飛騨の民は布を大事に使うための創意工夫を凝らしました。その賜物が飛騨さしこです。
美しい柄は長時間眺めていても飽きないくらい素晴らしく、ちょっと立ち寄って見学してみるだけでも損はありません。また、飛騨のさしこは表面だけでなく裏面も美しいのが特長です。糸を玉止めしない独特な技法の飛騨さしこは、裏の模様も美しく、リバーシブルで使う人も多いです。お店の奥に行くとまさに伝統技法で縫いつけをしている職人さんが、一針一針丁寧に縫い付けを行なっておられました。
見事な手さばきで下書きに従い正確に幾何学模様を縫い付けていく職人さん。これだけの布面積を全て手縫いで、一針一針縫い付けていきます。昔貧しく、物がなかった時代、贅沢は出来ませんがおしゃれは楽しみたかった。そんな飛騨の民はこうして一針一針想いを込めながら、自分のために、大切な人のために少ない布を補強するため針を刺したのでしょう。布に糸を縫い込んで施すデザインは耐久性が高くなり、何十年も使えるといわれています。
そんな飛騨さしこを手に取ってじっくり見ると、まるで芸術作品のように美しく、作り手の丁寧さが思い浮かぶようです。ところがそれらの製品はハンカチ、ふきん、テーブルクロスなど、ほとんどが毎日の生活に使うものであり、飾って楽しむものではないのです。生活のなかで使ってこそ活きてくる!そんな品物ばかりなのです。
長く使えて丈夫な飛騨さしこ。気に入った製品を手に取られたならば、高山の思い出にぜひ身近において日常でお使いください。使えば使うほど、自分の生活に馴染み出し、そしてなくてはならない生活用品になってくるはずです。
「飛騨さしこ」は、高山グリーンホテル敷地内の飛騨物産館で見ることができる
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同)
高山グリーンホテル 飛騨のたばる箱
〒506-0031 岐阜県高山市西之一色町2-180 TEL 0577-33-5500
高山市役所 観光課
〒506-8555 岐阜県高山市花岡町2丁目18番地 電話:0577-32-3333
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