下呂の田の神祭りは、初春の予祝行事である田遊びの芸系【げいけい】を伝えるもので、古代を今に遺して伝承されている。二月七日から十三日まで、テテ(神主)だのみ、〆繩ない、踊子決定、試楽などの前行事が行なわれ、十四日正午過ぎから本祭が執行される。この田の神祭の主役になる田口両家(現在は温泉会館)から田の神行列が出発し、森水無八幡神社の社前の祭場で、「田の神祭となえ詞」を歌いながら田打の作法が行なわれる。中央に大太鼓を据え、踊子が柄鍬餅【えくわもち】を振りかつぎ振り下して大太鼓の面を打つ、いわゆる田遊びの所作である。さらに、踊子は花笠を冠り、ささらをすりながら冬の歌、春の歌、鶯の歌を順次唱和し、鶯の歌の三首目が終わると同時に花笠を懐中にし、片肌をぬいで、田植、稲刈、穂刈、穂摺落【ほすりおと】しなどの所作を演じる。この間、寄進笠を参会者が奪いあう笠奪いがあり、また、型のよく整った獅子舞も演じられる。 飛騨地方には珍しく古風な田遊びの一種としてよく伝承されており、地方的特色の顕著なものとして価値が高い。
下呂の田の神祭り(国指定重要無形民俗文化財)
飛騨路に春を告げる祭りとして知られる森水無八幡神社の例祭「田の神祭り」は、「踊り子」と呼ばれる4人の若者が色鮮やかな花笠をかぶり舞を披露することから、別名「花笠まつり」ともいいます。
いつごろから始まったのかは定かではありませんが、400年前とも500年前ともいわれ、稲の豊作を前もって祝う「予祝(よしゅく)」という、中世以来の「田遊び(田楽)」の芸能がそのもとになっていると考えられています。
昔から変わらず大切に受け継がれているこの祭りは、昭和56年(1981)国指定重要無形民俗文化財となりました。
祭りは、2月7日の「神主(テテ)頼みの儀」に始まり13日の試楽祭、14日の本楽祭まで厳かに行われます。
※森水無八幡神社(読み方:もりみなしはちまんじんじゃ)
祭りのみどころ
2月13日 試楽祭(しがくさい) 森水無八幡神社 19時から
凍てつく寒さの中、田口家・神主・踊り子達が禊を行います。その後、神社境内にて厳かな雰囲気の中、古式ゆかりの舞を披露します。
2月14日 本楽祭(ほんがくさい) 下呂温泉合掌村 正午から
合掌村内にある池で禊を行ったあと、しらさぎ座で獅子舞(別れの舞)が披露されます。そして一向は森水無八幡神社への「御旅」に出発します。踊り子や獅子など色とりどりの衣装を身にまとった約200人の行列です。
2月14日 本楽祭(ほんがくさい) 森水無八幡神社 13時30分から
神社に到着した一行は境内にて御旅行列を行い神主・踊り子が花笠踊りを披露します。祭りのクライマックスでは、縁起物の「花笠(寄進笠)」・「赤白団子」・「小竹箸(コイ箸)」が観衆の中に一斉に投げられます。
寄進笠を手に入れると、その年一年、幸せに過ごすことができるとも言われている縁起物なので皆さん頑張って獲得してください。
※クライマックスの「笠投げ」は15時30分頃から行われる。ただし祭りの進捗状況により時間が前後することがあるのでご注意ください。
また、14日には10時頃から森水無八幡神社前の通りに出店(様々な屋台)が並び毎年楽しみの一つです。
※森水無八幡神社は下呂温泉街の"白鷺橋"や"下呂市役所"付近にあります。近くに市営駐車場があるので車の場合は、そちらを利用される良いと思います。
下呂の見どころ
下呂温泉合掌村
白川郷などから移築した10棟の合掌家屋集落で、日本の原風景を再現した合掌の里です。
村内は「合掌の里」と「歳時記の森」の2つのゾーンで構成されており、それぞれに飛騨の生活文化と山野草をはじめ、さまざまな植栽などから日本の四季を感じることができる。
「合掌の里」は、国重文「旧大戸家住宅」を中心に10棟の合掌造りで集落を再現し、農具や民具などを展示する民俗資料館は合掌集落の生活文化を身近に体験でき、 お食事処「合掌茶屋」、円空館などの施設がある。
体験施設「飛騨工房」では、色付けされた"こうぞ"で絵を描く「和紙の絵付け体験」、皿や茶碗など、素焼きの陶器に絵を描く「陶器の絵付け体験」、本格的には"ロクロ"や"手びねり"などの「陶芸体験」が楽しめ、
「歳時記の森」は、桜とモミジの里山で、春から新緑の季節、そして紅葉の季節への移ろいを感じることができ 里山のふもとには、下呂地域の住宅家屋を再現した民家「萬古庵」や土蔵、水車小屋・棚田、そして下呂の元祖「かえる神社」も鎮座して 「合掌の里」を眼下に、小鳥のさえずりを聞きながらの散策途中、普段の生活とは違った視点で発見した感動は、忘れえぬ思い出になることでしょう。また、175メートルの「森の滑り台」は合掌村の遠望と、スリルが堪能できる。(1回3才以上100円)
下呂温泉合掌村は、昭和38年3月に大野郡白川村から移築した国指定重要有形民俗文化財「旧大戸家住宅」及び、富山県五箇山(現・南砺市)などから移築した合掌造りを中心に、10棟の合掌家屋で集落を再現している。
「旧大戸家住宅」は、現在の白川郷集落から約10km南に位置する御母衣字上洞にあり、御母衣ダム建設(電源開発)の際に集落が離散し、保存管理が困難であったものを、保存展示するために解体移築したもので、天保4(1833)年から弘化3(1846)年まで13年をかけて建造されものと「棟札」に記録されている。
間口24.96m、奥行き12.27m、建坪251,337㎡の切妻茅葺き合掌造りで、昭和31年6月28日(文化財保護委員会告示建1367号)に国重要文化財に指定されている。
また、昭和37年3月30日付け文化財保護委員会地文建第25号により、現有地に移築を許可され、同年7月に文化財保護委員会の技術指導のもとに移築工事に着手、翌38年3月に完成。
なお、建物に附随している「棟札」には建造された期間や作業にあたった職人や家族の名前が記され、この「棟札付き」で国の重要有形民俗文化財に指定されました。
白川郷一円の民家は、南部の荘川地域は飛騨高山の系統に属し入母屋形式が多く、白川村及びその以北は主に切妻作りで、越中の職人によったものが多い傾向です。
旧大戸家住宅もこれらの手によって造営されたことは棟札により明らかです。また、造営時の家族は19名を数え、その内3分の2が女性で、その身分は明らかではありませんが養蚕を営むには好都合だったようです。
旧大戸家住宅に附属する板倉は、御母衣遠山家(重文)のものを同時に移築したもので、この建物は文化7(1810)年の造営に成る3間4面の総釿ばつりの板倉です。1階の柱には「文化七加能ゑ(注:庚)午年三月朔日 大工 伊八 定八」の墨書が、2階の窓の板戸内側には「弘化三ひのゑ馬年十月やねふきかえ仕也」の墨書があります。
国重要有形民俗文化財「旧大戸家住宅」
なんと、旧大戸家住宅は、学生時代に安倍晋三首相の家庭教師をしていた平沢勝栄氏(衆議院議員)の生家だそうですよ。
下呂温泉「合掌村」〒509-2202 岐阜県下呂市森2369 TEL:0576-25-2239
交通案内
・JR高山線下呂駅から濃飛バスで6分。タクシー5分。徒歩20分。
・中央自動車道「中津川IC」から国道257号を経由約60分。
・東海環状自動車道「富加関IC」から県道58号、国道41号を経由約70分。
・東海北陸自動車道「郡上八幡IC」から国道256号、国道41号を経由約90分。
・高山市内から、国道41号で約60分。
田の神祭りが行われる下呂温泉の別名は【美人の湯】
下呂温泉でしか味わえない夕景!
飛騨川が下呂温泉の中央を龍が飛ぶがごとく悠々と流れる。
飛騨川(益田川)
御嶽山に源を発し、高山市久々野町から下呂市小坂町で下呂市に流れ入り、小坂川、山之口川、竹原川など下呂市内に源を持つ川を合流させながら、市内を南北に貫流している。河道が所々で大きく曲がっているのは、阿寺断層の活動によるといわれている。金山町で馬瀬川と合流し市外へと流れ出るが、美濃加茂市で木曽川と合流し、伊勢湾へと流れる。地元では益田川(ましたがわ)とも呼ばれている。
インテリア、建築、デザイン関係者には、下呂市特有の「益田造り」という建築様式も見逃せない。
宿に到着して、ひと風呂浴びて散歩も良いし、先に下呂温泉ならではの山と川+海の幸をめしあがって、そのあとの夜歩きも楽しみの一つ、宿に戻って温泉に入り一献かたむける。
一日目の温泉は、体に良いからと言って長湯は禁物。入浴は2回位にしてください。
特別に(?)長時間入浴するときの極意を授けましょう、両足首を湯から外に出して入浴する(㊙)。一度試されては!
全国の温泉地を踏破した鎹八咫烏の言うことに間違いはありません。(実を言うとまだ、行ってないところは沢山ありますが)と、阿蘇の地獄温泉の通称すずめのお宿という東屋付きの露天風呂に一日中入っているご年配者を心配してアドバイスしたところ、仙人のような風貌の人が現れ、「偉そうに、そんなことはここでは、千年前からやってるわい」と一喝。今回はどんな意見が返ってくるのか?
何も申し上げません。
1000年の歴史をもつ下呂温泉。
傷ついた一羽の白鷺が温泉のありかを知らせたという伝説がある。
飛騨川の流域に湧く下呂温泉は室町時代京都五山の僧万里集九や、徳川家康から四代の将軍に仕えた儒学者林羅山により、兵庫県の有馬温泉、群馬県の草津温泉と並ぶ「日本三名泉のひとつ」と称された天下の名泉である。(清少納言は、枕草子で日本三名泉は有馬温泉、榊原温泉、下呂温泉と書き記しておりますので念のため。いずれにしても下呂温泉はどの時代でも名泉と謳われている。平安美人・清少納言の銅像も建てて欲しいな~)温泉街は飛騨川を中心に歓楽的な賑わいと山里の風情が調和して、下呂温泉の魅力を醸し出している。
林羅山の銅像。清少納言が並べば天下無敵!
ツルツルスベスベした肌触りから別名「美人の湯」と呼ばれ、特に女性に人気が高い。下呂温泉の源泉温度は高く最高84℃、供給温度は55℃あり外は寒くても体がいつまでもぽかぽかと温かく、高温をを好むご年配者にも大変好評である。
温泉旅館、温泉ホテル、温泉保養所など飛騨川を挟んで約70軒の宿泊施設があり、その泉質は、アルカリ性単純温泉 効能:リウマチ、運動機能障害、神経痛、美容効果など幅広い。
最近は、名古屋・三重・滋賀・岐阜、関西方面に加えて北陸新幹線開通や安房トンネル、北陸道等の開通で日本がぐっと近くなった。今まで日本三大温泉のうち有馬温泉、草津温泉は行ったけれど山の中の下呂まではと言われていた方たちが山里の風情を求めて、また、高山とは異なる味わいを求めて海外からの観光客も増えてきている。
下呂温泉源泉塔。外国の人たちが喜ぶ風景、それを見て日本人はその良さにきずかされる。そういう小生もその一人ですが・・・
そこで、折角なので清少納言も認めた天下の名泉「下呂温泉」を紹介しますが、本来なら70軒すべての温泉宿をご紹介したいところですが、当サイトのキャパシティの問題もあり今回は、これまで何らかのいきさつで、宿泊した温泉宿を順不同にて紹介いたします。
下呂温泉の温泉卵、本場の温泉卵の味は忘れられない!
下呂温泉の中心地に温泉の神様が祀られている「温泉神社」。
岐阜(飛騨)は木どころなので次に鳥居を建て替えられるときは、是非、木(檜)にて・・・。
(勿論、岐阜は建築石材でも全国№1のシェアを誇っているが)
下呂の温泉宿の紹介
望川館
日本三名泉下呂温泉の望川館(ぼうせんかん)は、家族、カップルに好評の貸切露天風呂と旬の料理が自慢の宿です。
(今は故人ですが、美術、芸能に秀でた友人のご実家に泊めていただきました)
〒509-2207 岐阜県下呂市湯之島190-1
TEL 0576-25-2048
川と一体感の露天風呂
望川館の温泉の自慢は何と言っても、このロケーション。 旅館の名前の通り、川とつながっているかのような開放感です。四季折々の景色を堪能しながら、ゆったりつかる温泉は、他では味わえない開放感。
下呂は山あいの温泉地なので、山の緑を感じながら、開放感を同時に堪能するのは、なかなかの贅沢。
湯之島館
創業昭和6年、登録有形文化財。下呂温泉の街並みを眼下に望む敷地五万坪の山中に佇む古格の宿。
(高山からの帰りに気分が悪くなり、親切に介抱していただきました。ありがとうございました)
〒509-2207 岐阜県下呂市湯之島645
TEL 0576-25-4126
下呂温泉の起源
下呂温泉の起源は、延喜年中(西暦901-923)と言われています。 日本三名泉と呼ばれるようになったのは、徳川家康以下4代の将軍に仕えた儒学者・林羅山が「我が国には多くの温泉があるが、最も著名なのが、有馬、草津、湯島(下呂)である。 有馬、草津は広く世の知るところだが、湯島は古来の霊湯なことを知る者は少ない。だが入湯者はその験を得ざることなし」と書き残した事によるものでである。
水明館
飛騨川沿いに建つ老舗旅館「水明館」。趣異なる3ケ所の大浴場があり、滑らかな下呂の湯をご堪能いただけます。(一時期、福井市の知人が主催して、年末の忘年会と年始の新年会は芦原温泉の「べにや」さんで行いました。その折に当時のご主人が、下呂温泉の水明館に娘が嫁いでいるから寄ってみてくださいと言われて伺ったことがある。凛とした着物姿の若女将が出迎えてくれた。)
〒509-2206 岐阜県下呂市幸田1268
TEL 0576-25-2800
山水閣、飛泉閣、臨川閣のそれぞれの館に大浴場があり、どの館にご宿泊されても3ヶ所とも利用することが出来る。また、展望大浴場は24時間お好きな時間に利用でき、水明館では青嵐荘、臨川閣、山水閣・飛泉閣(特別室のみ)の客室のお風呂にも温泉を源泉のまま引き込んであるので、どの部屋でも下呂温泉の滑らかな泉質を堪能できる。
小川屋
飛騨川を望み下呂の中心地にあり温泉街巡りに最適!(招待旅行で同行しました)
〒506-2207 岐阜県下呂市湯之島570
TEL 0576-25-3121
高濃度アルカリ性単純泉のお湯は、角質を取る働きがあることから“天然石けん”の別名も持つ「美肌の湯」として古くから知られている。この名湯に「ホワイトイオンバス」を加えることで、真っ白な泡のお風呂“シルクバス”が誕生した。白いお湯に身をゆだね、ゆっくりゆったり五感で愉しむ。仕事やプライベートで忙しいあなたの、心も体も癒してくれる。
ホワイトイオンバスとは
微細気泡の破裂により大量のマイナスイオンが作られ、気泡は毛穴の奥まで入りこむ。ゆっくりとお湯に浸かるだけで、お肌の汚れを綺麗に掃除。入浴後のつるつるとしたシルクの輝きを、「百聞は一見に如かず」是非一度体験してみられては。
下呂温泉山形屋
湯治の地として歴史のある下呂温泉。 わが家以上にくつろげて、地元の食材を堪能し、元気になって帰路につける。(仕事で名古屋~旧・益田郡萩原町を日帰りする予定でしたが、遅くなり仕事先のオーナーの紹介にて宿泊)
〒506-2207 岐阜県下呂市湯之島260-1
TEL 0576-25-2601
下呂温泉山形屋の創業は江戸末期天保年間。時代のなかで培われてきたおもてなしの心、
くつろぎの空間が、山形屋最大の魅力。
山形屋では、時代に合わせてくつろげる空間を作り続けてきました。
またお客様への対応も、その人その人に合わせて変化させ、客が 肩肘張らず心からくつろげるように、肩の凝らないおもてなしを提供している。
長い間、変わらずあり続ける「丹心」
丹心とは「まごころ」のこと。“山形屋を訪れた人々が、わが家以上にくつろぎ、
元気になって帰ることができるように”と想いを込めて180年。
毎日変わらぬ「丹心」とともに、みなさんをお迎えしている。
下呂温泉で宿泊した宿は、確かあと2~3件あったように思いますが、締め切りの時間となりましたので、次に下呂温泉を紹介する折にいたします。
「飛騨川の ここにくびれて 岩つつじ」
松尾芭蕉翁の句ではありませんが、芭蕉祭りで受賞したわが師・伊東(小生は破門の身ですが)の句です。下呂の手前の飛騨木曽川国定公園にも指定されている名勝・飛水峡を覗いてみてください。季節になると必ず岩つつじが咲いているはず・・・ 合掌
飛水峡の甌穴群( ひすいきょうのおうけつぐん)
上麻生橋から上流約2キロメートルまでの飛彈川の峽谷にある。この一帶は秩父古生層に属する珪質岩類から成り、層理がよく発達し、褶曲構造は複雜でかつ断層を伴なっているため甌穴の規模形態は多種多様である。特に集中的に見られるのは曲流部と岩石段丘であって、直径2メートル以上のものだけでも300余をかぞえ、それより小形のものは無数である。この種甌穴群として類例の稀なものであって、学術上の価値が高い。
是非、春の飛騨路を下呂温泉の「美人の湯」で堪能してみては如何ですか!
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
下呂市役所 観光商工部 観光課 〒509-2295 岐阜県下呂市森960番地
電話番号:0576-24-2222
一般社団法人 下呂温泉観光協会 〒509-2202 岐阜県下呂市森922-6 TEL/0576-24-1000
一般社団法人 岐阜県観光連盟
〒500-8384 岐阜県岐阜市薮田南5丁目14−12 岐阜県シンクタンク庁舎 4F
電話: 058-275-1480
下呂温泉「合掌村」〒509-2202 岐阜県下呂市森2369 TEL:0576-25-2239
文化庁 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号 電話番号(代表) 03(5253)4111
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