「道の駅」は、平成5年の制度創設以来、現在では全国で1040箇所に広がり、 地元の名物や観光資源を活かして、多くの人々を迎え、地域の雇用創出や経済の活性化、 住民サービスの向上にも貢献しています。 国土交通省では、この「道の駅」を経済の好循環を地方に行き渡らせる成長戦略の 強力なツールと位置づけ、関係機関と連携して特に優れた取組を選定し、重点的に応 援する取組を実施します。 今般、有識者のご意見もいただき、選定対象を国土交通省として決定しましたので、 以下のとおりお知らせします。
1. 選定結果
○全国モデル「道の駅」 選定数 全 6箇所
○重点「道の駅」 選定数 全35箇所
○重点「道の駅」候補 選定数 全49箇所
全国モデル「道の駅」選定数 全6箇所とは
(地域外から活力を呼ぶゲートウェイ型 ①~③)
①【 群馬県川場村 道の駅「川場田園プラザ」】
田園プラザ構想
<基本理念>
地場産品PR・直販による消費促進
村民・来村者の交流・情報交換の場
来村者の飲食・購入ニーズに応え、村内消費拡大
スキー場へのシャトルバス等、村内交通ターミナル 機能
若者就業機会を増やし、定住、UIターンの促進
道の駅「川場田園プラザ」
川場村の産業、情報、交流の核である
タウンサイトの形成を目指す
○ 「農業プラス観光」で自立する群馬県川場村の産業、情報、交流の核として人気の道の駅「川場田園プラザ」。
○ 農産物や観光名所など、豊富な地域資源へのアクセスポイントとして、「道の駅」を目的地とする新たなニーズを掘り起こし、 人口約3700人の村で、利用者数約120万人(リピーターが7割)を誘致。
○ 駅での販売(約10億円)、雇用創出(80名)に加え、ファーマーズマーケットの出荷登録(420名:村内農家の93%)などを通じて 経済・地域活性化の効果は、地域に広く波及。
農業プラス観光
・園内では朝取り野菜・ブルーベリーや乳製品な どの地域資源を活かし、果物狩りや陶芸など の体験やイベント等により、村民と来訪者の交 流の機会を提供。
地域のゲートウェイ
・観光協会スタッフがビジターセンターに常駐し、 宿泊、体験施設など、地域全体の観光案内
②【 栃木県茂木町 道の駅「もてぎ」】
真岡鉄道のSLやサーキットなど地域の魅力へのアクセスポイントとしてのゲートウェイ機能
○ 柚子、エゴマ等の特産品を加工する「もてぎ手づくり工房」を整備し、「道の駅」を核とした6次産業化を推進。
○ 「道の駅」が、農産物の生産指導から全量買取、33種類のオリジナル商品を開発、販売まで実施。
○ 地域ならではの地場産品の提供、真岡鉄道のSLやサーキットなど地域の魅力へのアクセスポイントとして、地域センター機能と
ゲートウェイ機能を兼ねるにぎわいの核として定着。
○ 既往災害(昭和61年洪水)の教訓から、地域に根差した防災啓発のために茂木町防災館を備え防災井戸を設置。
地域のにぎわいの拠点
創意工夫の取り組みで利用客数、 販売額は10年間で1.3倍に増加
地域の防災拠点
防災力向上のための防災館を併設。 平時からの防災啓発に活用
③【 千葉県南房総市 道の駅「とみうら」】
○ 地域特産のビワを道の駅が中心となり、加工、オリジナル商品を開発(ビワ関連商品50種類)。従来の規格外品の活用や需要 安定により生産農家の経営安定に貢献。
○ ビワ狩りや体験企画、菜の花など、地域の観光資源をパッケージ化し、都市部の旅行会社へ販売、観光バス3000台を誘致す るとともに、地域の100事業者に効果が波及。
○ 人形浄瑠璃などの地域文化の発信や、地元産野菜・花卉のマルシェ、観光案内人の常駐、非常用電源などの防災設備など、 地域の拠点として多様な機能を発揮。
地域固有の観光資源をパッケージ化し、観光ニーズを呼び込み
観光資源をパッケージ化し、都市部の旅行会社へ販売 (道の駅が旅行業資格を取得)
地域の伝統・文化の継承、交流のための取り組み
富浦人形劇など、地域の伝統・文化の継承の場としても活用
(地域の元気を創る地域センター型 ④~⑥)
④【 山口県萩市 道の駅「萩しーまーと」】
○ 隣接の魚港で水揚げされた海産物が直接店頭に並ぶ新鮮さを特長に、地元のニーズにこたえる「道の駅」を展開。 ○ 売り場面積1m2あたりの売上高は、一般的なスーパーの約2倍。約100名の雇用を創出。
○ 値も付いてなかった魚を加工品として商品化する「萩の地魚もったいないプロジェクト」を推進し、漁業者の所得向上に寄与。
萩漁港の水揚げ高の約15%を販売し、地産地消に寄与。
魚食普及・食育の拠点として地域活動を実施
○ 魚食普及・食育の拠点機能として、子供向けの地魚料理教室や出張授業を積極実施
地元加工業者と連携して生み出したヒット商品は、地域全体の活性化に貢献。
・金太郎(ヒメジ) 約15cmの小魚で漁獲の対象にな らなかったが、鮮魚や加工品として 販売し、お土産として人気。 魚価:約230円/kg → 約270円/kg
年間利用者: 約140万人 販売額: 約10億円 雇用: 約100名
・売場面積1m2あたり年間売上高の比較
萩しーまーと :101.2万円(約2倍)
スーパー(平均): 50.9万円
・萩漁港の水揚げ高 約35億円(H24年度)
うち萩しーまーとへ出荷:約5億円(約15%)
山口県の西北に位置する萩市は、阿武川の下流(橋本川と松本川)の三角州を中心に発達したまちで、日本海と中国山脈に囲まれ、美しい水と緑に恵まれたところです。
⑤【 愛媛県内子町 道の駅「内子フレッシュパークからり」 】
○ 地元農家の女性達が中心となり、販売額は約7億円、町の農産生産額の15%を占め、新たに58名の雇用を創出。
○ 運営も生産者自らが手作りで、商品開発、品質管理、イベント企画運営までを実施。特に、商品開発は、女性で構成される
複数のチームで独自商品を開発するなど、女性主役の運営も特長。出荷農家は、当初から約2倍に(176人→394人)
○ 販売管理システムやトレーサビリティを導入し、16年間で利用者は6倍、販売額は8倍に増加。
年間利用者: 約80万人 販売額: 約7億円 雇用: 58名
季節の農作物にあわせて加工商品を開発販売。
内子町内の農産物販売額の約15%を売り上げる拠点に発展
ITを導入して鮮度を追求することで、安全安心な農産物提供システムを構築
○出荷する地場農産物にトレーサビリティやPOSシステムを導入。 販売情報が連絡され、在庫に合わせて出荷者が直接納品することで鮮度向上を追求
栽培履歴情報検索 (生産者・栽培情報はもとより農薬・肥料まで)
出荷者へ販売状況や 必要農作物を随時配信
⑥【 岩手県遠野市 道の駅「遠野風の丘」】
○ 東日本震災時には、自衛隊・救急隊の支援拠点として機能を発揮。 これを受けて、岩手県広域防災拠点配置計画の 広域防災拠点に位置づけられ、ベースキャンプ、備蓄等の高度な防災機能を分担。
○ 復興に向け、沿岸被災地の海産物の販売所を新設、岩手県内「道の駅」の共通販売商品を開発。
○ スタッフが常駐する観光案内所は、沿岸地域の復興情報、観光情報に加え、ふるさと納税や移住促進にも活用。
防災の拠点
東日本大震災では、復旧、救援に向か う自衛隊・消防隊やボランティアの方々 の後方支援拠点として機能
産業振興の拠点
沿岸被災地の海産物を販売する 鮮魚店を開設し、被災地の復興を支援
遠野風の丘が中心となり、岩手県 内の「道の駅」共通の新商品を開発。
観光や地方移住等 総合案内拠点
観光案内所では、沿岸地域の 観光復興に向け情報を発信 ふるさと納税制度の紹介、納税者 には、「道の駅」の特産品を提供
協力
国土交通省 道路局 〒100−8918 東京都千代田区霞が関2-1-3 (代表電話) 03-5253-8111
編集室からのコメント
【 山口県萩市 道の駅「萩しーまーと」】の写真の点数が、他の道の駅と比べかなり多くなってしまいました。山口県が安倍首相の出身地で近々ロシアのプーチン大統領が訪ねられるということとは、全く関係ありません。写っている方たちの表情が生き生きとして素晴らしく、編集していくうちにこれも載せたいあれも載せたいという写真がどんどん増え、それでも絞りに絞ってやっと10分の1位です。個人的には、それ程魅力のある道の駅のように感じたからでした。是非一度訪ねてみたいと思っています。他の五つの道の駅も全国から選ばれただけありコンセプトもしっかりして素晴らしいと思います。是非皆さんもお出かけ下さい。
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