総理大臣官邸でロシア連邦のウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン大統領と首脳会談等を行いました。
儀じょう隊による儀じょう
両首脳は会談(ワーキングランチ)
総理大臣公邸で文書交換式及び共同記者会見
日露ビジネス対話で記念撮影に臨む両首脳
両首脳は経団連会館において行われた「日露ビジネス対話」に出席し,スピーチ
両首脳講道館を訪問
平成28年12月16日、15日の長門市続き、安倍総理は、総理大臣官邸でロシア連邦のウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン大統領と首脳会談等を行いました。
儀じょう隊による儀じょうに続き、両首脳は会談(ワーキングランチ)を行い、その後、総理大臣公邸で文書交換式及び共同記者会見を行いました。
続いて、両首脳は、都内で開催された日露ビジネス対話に出席しスピーチを行った後、講道館を訪問しました。
安倍総理大臣及びプーチン・ロシア大統領の日露ビジネス対話出席
16日,午後4時50分頃から約30分間,安倍晋三内閣総理大臣と訪日中のウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン・ロシア連邦大統領(H.E. Mr. Vladimir Vladimirovich Putin,President of the Russian Federation)は,経団連会館において行われた「日露ビジネス対話」に出席し,スピーチを行なったところ,概要は以下のとおりです。
1 最初に,安倍総理大臣から「協力プラン」の目に見える成果として,60件を超えるプロジェクトが結実したことに触れつつ,日露両国が互恵の原則に基づいて関係を強化しながら,共にアジア太平洋地域の繁栄と安定に貢献していくことを呼びかけました。
2 次に,プーチン大統領から,日本はアジア太平洋地域におけるロシアの重要なパートナーであるとしつつ,貿易経済日露政府間委員会における議論や8項目の「協力プラン」の具体化を通じ,二国間関係を更に発展させていくことへの期待を表明しました。
3 その後,日露の経済界を代表し,榊原定征経団連会長及びアレクセイ・エヴゲニエヴィチ・レピク「実業ロシア」会長 (Mr. Alexey Evgenievich Repik, President of All-Russia Business Association ”Delovaya Rossiya”)が挨拶を行い,日露経済関係の強化に向けた更なる協力拡大について肯定的な発言が行われました。
日露ビジネス対話で握手を交わす両首脳
日露ビジネス対話 安倍総理スピーチ
尊敬するプーチン大統領、そして御列席の皆様、「日露ビジネス対話」の開催に当たり御挨拶を申し上げます。
後世の人々は2016年を振り返り、日露両国の関係が飛躍的な発展の軌道に乗った一年であったと意義付けることでしょう。
私は、5月のソチ、9月のウラジオストク、11月のペルーと、プーチン大統領と首脳会談を重ね、深い信頼関係を築いてきました。政治、経済、文化等、幅広い分野で多くの成果が結実する中、プーチン大統領の訪日は、日露関係を新たな高みに導く歴史的な出来事といえます。
昨日は、私の地元、山口県長門市で平和条約締結問題を含め胸襟を開いた会談を行いました。本日、ここ東京で日露関係の展望について大統領と話し合えたことを大変嬉しく思います。
先日の年次教書演説でプーチン大統領は、ロシアの東方政策は、長期的国益と地域の発展傾向を見据えたものと強調されました。ロシアがアジア太平洋と共に発展していく決意を表明した。私はこのように受け止めました。
プーチン大統領、アジア太平洋はロシアに開かれています。大統領の決意に賛同し、心からロシアを歓迎いたします。ロシアの豊かな資源、高い技術、優れた人材は、地域の発展の力強いエンジンになり、ひいては地域の安定にも寄与するものと考えます。
日本も更なる繁栄の道をロシアと共に歩みたい。その思いを込めたアイデアが、ソチで私から提案した8項目の「協力プラン」にほかなりません。
この会場には、日本の経済界を代表する企業の皆さんが多数出席され、多くの方々が既にロシアとのビジネスに取り組んでいます。「協力プラン」に基づく多くのプロジェクトが、日露のビジネスの最前線で日夜進められています。
その目に見える成果として、5月のソチから半年余りという短い期間に、60件を超えるプロジェクトが結実したことは、この「協力プラン」の力強さ、日露協力の可能性の大きさを物語っているといえるでしょう。
健康寿命の伸長では、極東での外来リハビリセンター開設、子供の医療、心臓病やがんの予防等で協力していきます。ウラジオストクとヴォロネジをモデル都市として、活気あふれる生活環境と地域経済を支える都市づくりに協力していきます。
「カイゼン」というグローバルに使われている言葉が象徴するとおり、日本企業との深い付き合いは、ロシアの製造業大国への近道です。セミナー、ミッション、食関連の共同イベントの開催を通じ、中小企業協力・交流を拡大します。12社のロシアの工場の生産性診断、約100名の企業人材育成によりロシアの産業多様化に協力します。来年はパートナー国として、エカテリンブルグにおける「イノプロム」を、皆様と一緒に成功させます。
エネルギー分野では、サハリンや東シベリアで石油・天然ガスの上流開発やLNGプロジェクトが進展していきます。今後は、極東地域などで石油天然ガスの共同探査や開発を進めるとともに、LNGプロジェクトの拡張に向けた協力を行います。また、福島第一原発の廃炉に関する日露協力を行うとともに、風力発電やコジェネレーションの導入といった幅広い分野でプロジェクトを推進します。
極東では、ハバロフスク及びヤクーツクの植物工場での生産拡大、石炭積出し港の整備等、日本企業のプロジェクトが進展しています。また、原子力、ICT・郵便、農水産業といった幅広い分野で先端技術に関する協力を進め、イノベーションを起こしていきます。
人的交流の更なる活性化のために、査証緩和措置を決定し、JNTOモスクワ事務所を開設しました。将来の世代にわたる日露友好への投資として、青年交流と大学間交流を倍増し、スポーツ交流を3倍増します。
今回、租税条約改正に向けた正式交渉の開始で合意しました。今後も、日露企業の声に耳を傾け、ビジネス環境の向上に努力しながら、8項目の「協力プラン」を推進してまいります。
プーチン大統領、ロシアの企業の皆様。日本の強み、日本企業の強み。それは、どの国にあっても、地域社会への貢献を忘れず、地域と共に発展しようという姿勢であります。
木材加工に関わりつつ、アムールトラの保護に貢献した企業があれば、海鳥が暮らす極東の海域保全に取り組んだ企業もあります。ロシアの6都市で「日本センター」が「カイゼン」講座や訪日研修、ビジネスマッチングに取り組んでいます。今回、この事業を更に強化します。
現地の雇用、人材の育成、環境への配慮。このように、現地社会との調和の中で一緒に発展しようとする姿こそ、我が国の誇るべき伝統であり、単なるビジネスの関係を越えた、両国の信頼の礎にもなっていきます。
ウラジーミル。私が目指すのは、互恵の原則に基づき、日露が「共に発展していく」関係です。先日発表された年次教書の中で、君は、我が国との関係の「質的前進」に強い期待を表明しました。
全く同感です。幅広い分野で日露関係を大きく発展させ、両国国民の間に深い信頼関係を育み、強固な協力関係の下、共にアジア太平洋地域の繁栄をつくり上げ、地域の安定に貢献していきましょう。
本日の会合では、「協力プラン」のテーマに沿った8つの分科会を含め、今後の日露関係を展望する有意義な議論が行われたと承知をしております。この会合が日露経済関係の、そして日露関係の更なる発展に大きく貢献されますことを期待いたしまして、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
北方領土
1855年2月7日,日本とロシアとの間で「日魯通好条約」が調印され択捉島とウルップ島の間に国境が確認されました。それ以降も,択捉島,国後島,色丹島及び歯舞群島からなる北方四島は,一度も他国の領土となったことがない,日本固有の領土です。しかし,1945年に北方四島がソ連に占領されて以降,今日に至るまでソ連・ロシアによる不法占拠が続いています。
政府は,北方四島の帰属の問題を解決してロシアとの間で平和条約を締結するという基本方針に基づき,ロシアとの間で強い意思をもって交渉を行っています。
On February 7, 1855, Japan and Russia signed the Treaty of Commerce, Navigation and Delimitation, which confirmed the boundary between the islands of Etorofu and Uruppu. The Northern Territories, consisting of four islands of Etorofu, Kunashiri, Shikotan and Habomai, are an inherent part of the territory of Japan, which have never been held by foreign countries. However, the Northern Territories have been under illegal occupation by the Soviet Union, and then Russia, since the Soviet Union occupied them in 1945.
The Government of Japan has energetically been continuing negotiations with Russia based on its basic policy of resolving the issue of the attribution of the four Northern Islands and concluding a peace treaty with Russia.
北方領土問題とは?
(1)日本はロシアより早く、北方四島(択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島)の存在を知り、多くの日本人がこの地域に渡航するとともに、徐々にこれらの島々の統治を確立しました。それ以前も、ロシアの勢力がウルップ島より南にまで及んだことは一度もありませんでした。1855年、日本とロシアとの間で全く平和的、友好的な形で調印された日魯通好条約(下田条約)は、当時自然に成立していた択捉島とウルップ島の間の国境をそのまま確認するものでした。それ以降も、北方四島が外国の領土となったことはありません。
(2)しかし、第二次大戦末期の1945年8月9日、ソ連は、当時まだ有効であった日ソ中立条約に違反して対日参戦し、日本がポツダム宣言を受諾した後の同年8月28日から9月5日までの間に北方四島のすべてを占領しました。当時四島にはソ連人は一人もおらず、日本人は四島全体で約1万7千人が住んでいましたが、ソ連は1946年に四島を一方的に自国領に「編入」し、1948年までにすべての日本人を強制退去させました。それ以降、今日に至るまでソ連、ロシアによる不法占拠が続いています。
(3)北方領土問題が存在するため、日露間では、戦後70年以上を経たにもかかわらず、いまだ平和条約が締結されていません。
日本の基本的立場
(1)北方領土は、ロシアによる不法占拠が続いていますが、日本固有の領土であり、この点については例えば米国政府も一貫して日本の立場を支持しています。政府は、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという基本的方針に基づいて、ロシア政府との間で強い意思をもって交渉を行っています。
(2)北方領土問題の解決に当たって、我が国としては、1)北方領土の日本への帰属が確認されるのであれば、実際の返還の時期及び態様については、柔軟に対応する、2)北方領土に現在居住しているロシア人住民については、その人権、利益及び希望は、北方領土返還後も十分尊重していくこととしています。
(3)我が国固有の領土である北方領土に対するロシアによる不法占拠が続いている状況の中で、第三国の民間人が当該地域で経済活動を行うことを含め、北方領土においてあたかもロシア側の「管轄権」に服したかのごとき行為を行うこと、または、あたかも北方領土に対するロシアの「管轄権」を前提としたかのごとき行為を行うこと等は、北方領土問題に対する我が国の立場と相容れず、容認できません。 したがって、日本国政府は、広く日本国民に対して、1989年(平成元年)の閣議了解で、北方領土問題の解決までの間、ロシアの不法占拠の下で北方領土に入域することを行わないよう要請しています。
(4)また、政府は、第三国国民がロシアの査証を取得した上で北方四島へ入域する、または第三国企業が北方領土において経済活動を行っているという情報に接した場合、従来から、しかるべく事実関係を確認の上、申入れを行ってきています。
協力・出典
内閣官房内閣広報室
〒100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1
外務省
〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1電話(代表)03-3580-3311
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