タイムスリップしたような建物と、街並みのプロムナード、桜と灯りがそぞろ歩く人々を癒してくれる川には鯉が!
川には色とりどりの錦鯉が放流されて訪れる人たちの目を楽しませてくれている。
緑の稲穂が揺れ、8月の青い空に入道雲、忘れていた懐かしい風景が旅人たちを迎えてくれる金山町
金山杉をふんだんに使用した屋根付き歩道橋「きごころ橋」。ゆるやかなアーチ状の橋は、季節を問わず安全で快適な通行が可能となりました。自然と金山の景観に溶け込んだ金山職人の技が光る橋です。
最上郡金山の町の歴史は、古くは天平3年(759年)に平弋駅(宿駅)が設置され、昔から陸奥国府の多賀城(宮城県多賀城市)と出羽国府の秋田城(秋田市寺内)を結ぶ街道として大変重要視されてきました。
金山町の町名が示す通り、ここにはかって大きな鉱山があった。最盛期で金掘り小屋三千件、坑道の数は66に及んだという。平安時代に発見されたと伝わり、江戸時代に盛った谷口銀山。その遺構は保存会の手で守られ、今もなお岸壁に刻まれた生々しい手掘りのノミの跡を目のあたりにできる。
全国から注目される金山町の「街並み(景観)づくり100年運動」とは
いま、全国各地で昔からある街並みの保存運動が展開されています。それは、私たちが日常生活で便利さや機能性を優先させながらも、心のどこかで追い求めてきた、懐かしいたたずまいの家並みや風景を捨てきれないからだと思われます。
このような状況の中で、金山町では昭和58年度策定の「新金山町基本構想」の中で『街並み(景観)づくり100年運動』を基幹プロジェクトとして位置付けし、推進をしております。これは100年をかけて自然(風景)と調和した美しい街並みをつくっていこうというものであり、あわせて林業等の地場産業の振興や人と自然の共生を図るというもです。
街並み(景観)づくり100年運動の実現のために、昭和61年3月に「金山町街並み景観条例」が制定され、「街並み形成基準」とともに、街並みの基本となる「金山住宅」の基準と、金山住宅を建てた場合の助成制度が定められました。平成25年4月に「金山町の風景と調和した街並み景観条例」に改正されました。
金山住宅とは
白壁と切り妻屋根をもつ、在来工法で建てられた住宅です。金山で育った木材や伝統的な材料を使うことによって、気候風土にあった建物になります。また、年数が経過しても「美しく古びる」素材であり、地球にやさしい住宅です。金山住宅の家並みこそ「もうひとつ先の金山」の姿であり次代に継承する美しい共有財産です。
金山住宅を建てるには
金山町の風景と調和した街並み景観条例に定める金山住宅を建築する場合は、まず役場産業課へ届け出をすることになっています。なお、住宅建築をしようと思った段階からご相談いただければ街並み景観審議会専門委員の方々がアドバイスいたします。
助成金の交付
「金山町街並み形成基準」に合致した建築物などに対して助成を行います。住宅の場合は、最高80万円です。その他(車庫、小屋等)の場合は最高30万円です。
◎こんな場合も助成対象になります。
・屋根を基準色以外からこげ茶や黒に塗り替えた場合。
・屋根を基準以外の形から切り妻につくり替えた場合。
・外壁を基準以外の素材から基準の素材につくり替えた場合。
・屋根の形や一部の材料が形成基準をクリアしない場合でも助成金の対象となることがあります。お気軽にご相談ください。
※ただし、基準物件に対するメンテナンス等は対象外です。
※増改築等の場合は、解体前の写真をとっておきましょう。
(お問合せ先 産業課商工景観交流係)
街並み景観助成金支出状況
昭 和 61 年 度~ 平 成 23 年 度
累計助成件数 1,477件 、累計助成金金額 227,078,000 円
累計対象事業費 9,104,659,000 円
※平成9年度からの変更点 ①色彩変更が対象と扱われるようになった。 ②助成金の上限が30万円から50万円に増額された。
庄内銀行さんも街にとけこんだ店舗で「金山町の街並み(景観)づくり100年運動」支持
『金山町街並み景観条例』
“険しい尾根を越えて非常に美しい風変りな盆地に入った。ピラミット型の杉の 林で覆われ、その麓に金山の町がある。ロマンチックな雰囲気の場所である。私は ここ2、3日ここに滞在したいと思う・・・”(明治11年7月)
─イサベラ・バード女史(英国地理学会特別会員)の「日本奥地紀行」の一節より─
わたしたちの町金山は、羽州街道沿いに開けた宿場町で、白壁造の土蔵、住いが周囲の山々の緑に映える落ちついた街並みはバード女史が訪れて一世紀過ぎた今もあまり変わりなく“常緑杉山四方にめぐらして光静けき水清き町”を形づくっている。
わたしたち町民は、この町民の共有する貴重な財産である金山らしい街並みや自然を保ち、さらにつくり上げて後世に引き継ぐことがわたしたちに課せられた重大な責務と考える。
しかし、近年必ずしも町の風土、環境になじまない家並みが目立ちはじめる等、ふるさとのよさが失われつつある。
いまこそ、わたしたちは、先人が伝えてくれた金山らしい文化、自然を生かし、地域経済の活性化を促しながら、街並み景観づくりを進めていかなければならない。
わたしたち町民は、英知と総意を結集し、永遠に居住するこの金山町を、より美しく誇り高い郷土につくり上げることを決意し、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は個性豊かな街並み、自然の美観の維持及び増進並びに新しい街並み景観の形成に関する必要な事項を定め、もってわたしたちが自らの手でより快適で誇り高い郷土につくり上げることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)街並み景観の形成、金山らしい優れた街並み景観を保ち、さらにつくり上げることをいう。
(2)建築物等、建築基準法(昭和25年法律第 201号)第2条第1号に規定する建築物及び建築物以外の工作物で別に定めるものをいう。
(3)町民及び事業者等、町民及びその他の施主又は施行、設計を業として行う者をいう。
(町の責務)
第3条 町は、この条例の目的を達成するための基本的かつ総合的な施策を策定するよう努めるとともに、これを実施しなければならない。
2 町は、前項の施策の策定及びその実施に当たっては、町民及び事業者等(以下「町民等」という)の意見が十分反映されるよう努めるものとする。
3 町は、公共事業等の施行に際し、街並み景観の形成に先導的役割を果たすよう十分配慮する。
4 町は、町民等が街並み景観の形成に寄与することができるよう街並み景観の形成に関する調査、研究、知識の普及、啓発を図る等の必要な措置を講じなければならない。
(町民等の責務)
第4条 町民等は、自ら進んで街並み景観の形成に寄与するよう努めるとともに、街並み景観の形成に関する町の施策に協力するよう努めるものとする。
2 町民等は、街並み景観の形成に寄与するため相互に協力するものとする。
(指定)
第5条 町民は、街並み景観の形成を図るために必要な地域を街並み景観形成地域及び街並み景観形成特定地区として指定するものとする。
2 街並み景観形成地域は、次の各号の一に該当する地域について指定するものとする。
(1)都市計画法(昭和43年法律第 100号)
第5条第1項の規定により指定された金山町都市計画区域
(2)その他町長が街並み景観の形成のために必要と認める地域
3 街並み景観形成特定地区は、次の各号の一に該当する地区について指定することができる。
(1)前項各号に規定する地域内で、特に景観の保全、創造及び修復の必要がある地区
(2)その他町長が街並み景観の形成のために必要と認める地区
4 町長は、街並み景観形成地域及び街並み景観形成特定地区を指定しようとするときは、あらかじめ金山町街並み景観審議会の意見を聴かなければならない。
5 町長は、街並み景観形成地域及び街並み景観形成特定地区を指定したときは、これを告示しなければならない。
6 前2項の規定は、街並み景観形成地域及び街並み景観形成特定地区を変更する場合について準用する。
(街並み景観形成基準)
第6条 町長は、街並み景観形成地域及び街並み景観形成特定地区を指定したときは、当該街並み景観形成地域及び街並み景観形成特定地区ごとに街並み景観の形成のための基準(以下「街並み景観形成基準」という。)を定めるものとする。
2 街並み景観形成基準は、次に掲げる事項のうち必要なものについて定めるものとする。 (1)建築物等の規模及び敷地内における位置形態
(2)建築物等の意匠、色彩及び素材
(3)建築物等の一階部分及び屋上の形態
(4)敷地の緑化措置
(5)その他街並み景観の形成のために町長が必要と認める事項
3 前条第4項及び第5項の規定は、街並み景観形成基準を定め、又は変更した場合について準用する。
(行為の届出等)
第7条 街並み景観形成地域及び街並み景観形成特定地区において、次の号に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめその内容を町長に届け出なければならない。
(1)建築物等の新築、増築、又は改築
(2)建築物等の外観の大規模の模様替又は色彩の変更
(3)宅地の造成及びその他の土地の形質の変更
(4)その他街並み景観の形成に影響を及ぼすおそれのある行為で規則で定めるもの
2 前項の規定は次の各号に掲げる行為については適用しない。
(1)規則で定める通常の管理行為又は軽易な行為
(2)国、地方公共団体その他規則で定める公共団体が行う行為
(3)その他町長が認める行為
(街並み景観形成基準の遵守)
第8条 前条第1項各号に規定する行為をしようとする者は、当該行為が街並み景観形成基準に適合するよう努めるものとする。
(街並み景観形成基準に基づく助言及び指導)
第9条 町長は、第7条第1項の規定による届出があった場合においては当該届出をした者に対し、街並み景観形成基準に基づき必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導することができる。
2 町長は、前項の規定により助言し、又は指導する場合においては金山町街並み景観審議会の意見を聴くことができる。
(街並み景観審議会)
第10条 町長の附属機関として、金山町街並み景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、この条例に定めるもののほか町長の諮問に応じ、街並み景観の形成に関する基本的な事項又は重要事項を調査審議するものとする。
3 審議会は、街並み景観の形成に関する事項について、町長に意見を述べることができる。
4 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、町長が別に定める。
(援助等)
第11条 町長は、街並み景観の形成のために必要な行為をしようと認める者に対し、技術援助を行い、又はその行為に要する経費の一部を助成し、若しくは融資することができる。
(規則への委任)
第12条 この条例において、別に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則 この条例は、公布の日から3月を超えない範囲内において、規則で定める日から施行する。 (昭和61年規則第9号で昭和61年6月10日から施行し、昭和61年4月1日から適用)
宿場町金山の中心部の商家として栄えた西田家(屋号:マルコ)から譲渡された土地や建物を整備し、蔵をモチーフに統一感のある建物に。平成25年7月から「街角交流施設 マルコの蔵」として活用されています。東蔵は喫茶やお土産、展示ギャラリーとなっており、西蔵は資料館となっています。
広場では、さまざまなイベントや青空市なども開催されます。多くの方から親しまれ、交流促進や憩いの場として幅広く活用されています。
『金山町街並み景観条例の施行に関する規則』
(目的)
第1条 この規則は、別に定めるものを除くほか、金山町街並み景観条例(昭和61年金山町条例第2号。以下「条例」という。)の施行に関して必要な事項を定めることを目的とする。
(工作物)
第2条 条例第2条第2号に規定する建築物以外の工作物で別に定めるものは、次に掲げるものとする。
(1)門、へい、垣、さく、擁壁、その他これらに類するもの
(2)水路に類するもの
(3)屋外広告物で町長が別に定めたもの
(4)その他、町長が別に定めたもの
(行為の届出)
第3条 条例第7条第1項の規定による届出は、次の各号に掲げる事項を記載した書面正副2通を町長に提出して行うものとする。届け出た内容を変更しようとするときも同様とする。
(1)届出者の住所及び氏名(法人の場合は、その名称、事務所の所在地及び代表者の氏名)
(2)行為地の所在地及び地番
(3)行為の期間及び内容
(4)その他町長が必要と認めたもの
2 前項の書面には、次の各号に掲げる図書を添付するものとする。
(1)付近見取図(縮尺2500分の1以上)
(2)行為に関する設計図(縮尺 200分の1以上)
(3)その他町長が必要と認めたもの
3 届出をした行為が完了し、又は中止したときは、速やかにその旨を記載した書面を町長に届けなければならない。
(届け出なければならない行為)
第4条 条例第7条第1項第4号に規定するその他街並み景観形成に影響を及ぼすおそれのある行為で規則で定めるものは、次に掲げるものとする。
(1)水路に類するものの改修等
(2)宅地の緑化増進に類する行為
(3)道路に類するものの建設等
(届出行為の適用除外)
第5条 条例第7条第2項第1号に規定する規則で定める通常の管理行為又は軽易な行為は、次に掲げるものとする。
(1)床面積及び外部面積が10平方メートル以下の建築物等の新築、増築又は改築等
(2)地下に設ける建築物等の新築、増築又は改築等
(3)仮設の工作物の新築、増築又は改築等
(4)法令等に基づく行為
(5)災害のため必要な措置として行う行為
(助成)
第6条 条例第11条の規定による街並み景観の形成のために必要な行為に係る助成は、予算の範囲内において街並み景観形成助成金を交付することにより行う。
(助成金の交付申請)
第7条 助成金の交付を受けようとする者は、様式第1号による街並み景観形成助成金交付申請書に次の各号に掲げる図書を添付し、これを町長に提出しなければならない。
(1)設計図書
(2)工事費積算書
(3)その他町長が必要と認める図書
(助成金の交付決定)
第8条 町長は、前条の規定により助成金の交付の申請があったときは、速やかに交付の適否を決定し、その旨を記載した文書をもって申請者に通知するものとする。
2 町長は、助成金の交付を決定する場合において助成金の目的を達成するため必要があると認めるときは、条件を付すことが出来る。
(実績報告)
第9条 助成金の交付の決定を受けた者(以下「助成対象者」という)は、当該助成金の交付の決定に係る行為を完了したときは、速やかに、様式第2号による実績報告書に次の各号に掲げる図書を添付し、これを町長に添付しなければならない。
(1)実施設計図書
(2)完成写真
(3)その他町長が必要と認める図書
(助成金の額の決定)
第10条 町長は、前条の規定による報告があったときは、速やかに当該行為を審査し、適合すると認めたときは、交付すべき助成金の額を確定し、様式第3号による助成金確定通知により助成対象者に通知刷るものとする。
(助成金の交付)
第11条 助成対象者は、前条の規定による通知を受けたときは、様式第4号による助成金交付請求書により町長の助成金の交付を請求することができる。
(助成金の交付決定の取消し)
第12条 町長は、助成対象者が次の各号の1に該当するときは、助成金の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができる。
(1)助成金の交付の決定内容又はこれに付した条件に違反したとき。
(2)不正の手段により助成金の交付の決定を受けたとき。
(3)助成金交付の目的達成に支障となる行為を行ったとき、又は目的の達成に必要な町長の指示に従わなかったとき。
(4)助成金を他の用途に使用したとき。
(助成金の返還)
第13条 町長は、前条の規定により助成金の交付の決定の全部又は一部を取り消した場合において、当該取消しに係る部分に関し既に助成金が交付されているときは、期限を定めてその返還を命ずるものとする。
(施行の細目)
第14条 この規則の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
付 則
この規則は、公布の日から施行する。
『(別表)金山町街並み形成基準』
問い合わせ先
〒999-5402 山形県最上郡金山町大字金山324-1
金山町役場 産業課商工景観交流係
TEL: 0233-52-2111
FAX: 0233-52-2004
『金山町街並み景観形成助成金交付要綱』
(目的)
第1条 この要綱は、金山町街並み景観条例施行規則(昭和61年6月10日規則第10号。以下「規則」という。)に定めるものを除く他、金山町街並み景観条例(昭和61年3月18日条例第2号。以下「条例」という。)第12条の規定による街並み景観の形成の為に必要な行為に係る助成に関し必要な事項を定めることを目的とする。
(用語の意義)
第2条 この要綱において使用する用語の意義は、条例及び規則の例による。
(助成の対象)
第3条 助成の対象は、条例第7条第1項各号の届出に係るものとする。
(助成金の交付申請書)
第4条 助成金の交付申請をすることができるものは、次の各号に掲げるものとする。
(1) 条例第6条第1項の規定により指定された街並み景観形成地域内の土地又は建築物等について権利を有する者で前条各号の助成の対象に係る行為をしようとする者
(2) その他、町長が街並み景観形成の為、特に必要と認める行為をしようとする者
(助成金の額)
第5条 助成金の額は、第3条に掲げる助成の対象に係る街並景観形成の為に必要な経費について、別表で定める助成率により、助成限度額の範囲内において町長が決定する額による。ただし、別表によりがたい時はこの限りでない。
(助成対象の適正管理)
第6条 助成の対象となった建築物等、その他について権利を有する者は、当該建築物等、その他の適正管理に努めなければならない。
(施工の細目)
第7条 この要綱の施行に関し、必要な事項は、町長が別に定める。
附 則
この要綱は、昭和61年7月1日から施行する。
街並み景観助成金査定方針
1 査定部門
査定方法としては、各地区の街並み景観形成基準に基づき、全体的な印象とともに外壁部門と屋根部門に分けて査定を行う。
2 具体的査定方法
具体的な査定方法としては、理想的な外壁及び屋根をそれぞれ100として、減点していく方法をとる。
3 外壁部門及び屋根部門の査定
外壁部門の査定は、特に次の項目について評価し決定する。
(1) 査定対象全体の景観としての評価
(2) 査定対象を構成する細部までの素材評価
(3) 査定対象の色彩評価
(4) 周辺景観(風景)との調和を基に査定対象の評価
(5) その他関連する要素によって評価
屋根部門の査定は、特に次の項目について評価し決定する。
(1) 査定対象全体の景観としての評価
(2) 査定対象を構成する細部までの素材評価
(3) 基準の色彩以外は対象外で0とし、他の評価点を1/2に減点する。
(4) 周辺景観(風景)との調和を基に査定対象の評価
4 助成金の計算方法
外壁評価点 + 屋根評価点
助成金 = 助成限度額(対象経費と照合して)× ─────────────
200
(計算例)住居の新築及びおおむね増改築の場合──事業費500万円以上
100 + 50
助成金 = 500,000円 × ─────────────
200
150
= 500,000円 × ───
200
= 500,000円 × 3/4
= 500,000円 × 0.75
= 375,000円
5 その他
増改築等は原則として、新築・増改築等後、満5年を経過したものについて対象とする。違反建築は対象としない。
金山町街並み景観形成助成金査定実施要項
1 目的
金山町街並み景観形成助成金の交付申請があった内容について、書類審査と現地確 認を行い、助成金の額を決定する。
2 審査日時
(1) 書類審査:随時
(2) 現地確認:関係書類が出そろった時点で、担当者と金山町街並み景観審議会専門委員が相談して決定するが、状況に応じて書類がそろわなくとも該当しそうな場合は確認しておく。
3 審査場所
(1) 書類審査:金山町役場産業課
(2) 現地確認:町内一円
4 審査者
(1) 書類審査:産業課担当者
(2) 現地確認
[1]金山町街並み景観審議会委員(金山町街並み景観審議会専門委員)
[2]産業課担当者
5 審査方法
金山町街並み景観形成助成金交付要綱(昭和61年7月1日施行)、各地域の街並み景観形成基準、建物の新築・増改築・修繕等における街並み景観形成助成金算定基準及び街並み景観条例に基づく助成内容について(詳細)に基づいて実施する。
6 審査内容
(1) 書類審査
[1] 提出された関係書類より、金山町街並み景観形成助成金の交付対象となる経費を確認する。
[2] 図面により審査対象内容について、図面仕様・色彩と実施物件の確認。
[3] 各地域の街並み景観形成基準の内容と比較する。
[4] [1] から[3] の結果を金山町街並み景観形成助成金交付審査調書に記入する。
(2) 現地確認
役場担当者と金山町街並み景観審議会専門委員(1人以上)がいっしょに、金山町街並み景観形成助成金交付審査調書に基づいて申請された助成対象を写真及び現場査察して確認する。
7 助成金査定
必要項目の記入された金山町街並み景観形成助成金交付審査調書に基づいて、交付申請者一人ひとりについて助成金の額を査定する。
水と木と石と空気と陽の光、自然と一体になった建物
『金山町の景観づくりへの取り組み 』
金山のまちづくりの最大の特徴は、住民生活と景観づくりが一体となっている点です。その前提には「景観とは、個人の所有に帰属するものでなく、公共的なものである」という『景観共有論』があります。
そして個々のものをある基準に基づいて統一的に整備することで、全体として風景と調和のとれた美しい景観を指しています。
しかも、景観といえども見た目の美しさだけではなく、その内容が、生活する上で快適でなければなりません。さらに、景観づくりは、住民の高い意識と自主的な精神に基づいて行われる住民運動としての側面を有しており、その神髄は、まさに町づくりに直結するものであると考えられます。
景観づくりの主要な部分となる家並みは、「金山型住宅」と言われる在来工法を基本とした住宅産業との関連が深く、その延長線上には、木材消費の拡大、林業の総合的振興といった分野が見えるほか、観光開発、地域商業の活性化等が結びつきます。
以上のことから当町の景観づくりの概念を規定すれば、「景観の共有性を前提とし、美しく快適な生活環境を形成するため、地域の資源を最大限に活用し、地域住民と行政が一体となって進める積極的な町づくり活動である」といえます。
金山町の主な景観施策は次のとおりです。
1.金山町住宅建築コンクール
昭和53年から実施している住宅建築コンクールは、金山型住宅の普及と金山大工(職人)の技術の向上を目的として始められましたが、平成4年度からは、応募された住宅と周囲の環境・景観についても審査を行っています。
また、このコンクールは、「金山町地域住宅計画(HOPE計画)」や「金山町街並み景観条例」の主目的である『金山型住宅による家並みづくり』の基礎になっており、美しい景観づくりの展開過程の基礎づくりから概念づくりまでの「橋渡し的施策」として位置づけられています。
当初、このコンクールは、町が主催しておりましたが、現在は、金山町商工会に委託しており、応募条件及び審査基準については、毎年、要綱で定めています。 基本的には、最上地域(1市4町3村)に建築された住宅で、金山町民もしくは金山の工務店等に勤務している人が建てたものを応募対象としています。
審査は、応募者自身の自主審査(第1次審査)を経て応募されたものについて、配置及び平面計画、素材の選択、技術、仕上げ、形、色彩等について100点満点の減点方式で評価されます。
その結果、最優秀賞、優秀賞、優良賞、佳作、入選、特別賞、部門賞が決まり、施主と大工が表彰されます。なお、審査委員は、林業関係者、建築関係者、経済団体関係者、一般町民、街並み景観審議会専門委員等で構成されております。
2.街並み(景観)づくり100年運動
いま、全国各地で昔からある街並みの保存運動が展開されています。それは、私たちが日常の生活に利便さと機能性を優先させながらも、心のどこかで追い求めてきた、懐かしいたたずまいの家並みや風景を捨てきれないからだと思われます。
このような状況の中で、昭和58年度策定の「新金山町基本構想」の中で『街並み(景観)づくり100年運動』を基幹プロジェクトとして位置付けをし、推進しております。
この運動の目指すものは、次の3つにまとめることができます。
1) 人と自然との関わりづくり、さらには人と自然との共生(調和)づくりの推進。
2) 美しい街並みの形成とCI(コーポレイト・アイデンティティ)化、地域の個性化を推進する。
3) 地域風土、地域材、在来工法等、杉を中心とした地域資源の有機的結合を図る。
言い換えれば、この運動は、自然(風景)と調和した美しい居住環境の構築運動であり、林業振興さらには美しい町づくりのためにも効果的な戦略であり、地域住民の過去、現在、未来を担う子供たちに、本当に美しいものは何かを教示する「街並みの美学」として捉えることができます。100年以上も前にイサベラ・バード女史が観て感じたロマンチックな街並みが、着実に現代に蘇ろうとしています。
3.金山町地域住宅計画(HOPE計画)
「良好な住宅市街地の形成」、「地域住宅文化の形成」、「地域住宅産業の形成」という3つの視点から、美しい街並み形成の考え方、地域に合った住宅モデルの提案、これらの進め方等について体系的に整理を行い、金山型住宅の普及、地域の風景や特性を十分に活かした快適で美しい居住環境づくりを進めるための指針として、昭和59年度に策定されました。
また、「金山・杉のふるさと 雪のふる街 木の住まい」をテーマとし、杉林と豪雪という当町の風土と金山杉をふんだんに使った木造住宅を美しい景観形成のキーワードとして盛り込んでいます。
平成12年10月には全国のHOPE計画策定団体による全国シンポジウムが、金山町で開催されました。
4.金山町の風景と調和した街並み景観条例 当町の美しい景観づくりは、昭和30年代から町民と行政が一体となって築き上げてきた歴史があり、その節目として昭和61年3月に条例第2号「金山町街並み景観条例」が誕生しました。
条例では、「個性豊かな街並みづくり」、「自然の美観の維持及び増進」、「新しい街並みづくり」、「快適な町づくり」、「誇りのもてる町づくり」という5つの柱を掲げています。
また、町内で建築行為を行おうとする者は、町に届け出をしなければならないとしておりますが、罰則規定はなく、内容としては助成、援助、指導、助言といった支援的な性格を有しています。
町では、条例に基づく助成金制度を設けており、形成基準に合致した建築をすれば、最大80万円の助成金を交付しています。
形成基準は、当町に古くから残っている住宅を基本として作成されており、美しい街並みの保存と新しく美しい街並みをつくることを目的としています。
また、この基準は、平成8年度に改正され、基本理念に「町全体を風景としてとらえ、周囲の自然や歴史的資産が美しく見え、かつ住民が住みやすく、風景と調和する美しい町を形成する」と掲げ、古くから当町が持ち続けてきた美しい風景と個性豊かな街並みを、より美しく誇り高い郷土につくり上げることを決意するものとなっております。
平成25年4月に「金山町の風景と調和した街並み景観条例」に改正されました。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
山形県金山町 〒999-5402 山形県最上郡金山町大字金山324-1TEL.0233-52-2111(代)
日原もとこ氏
東北芸術工科大学名誉教授、アジア文化造形学会会長、
風土・色彩文化研究所主宰、まんだら塾塾長
推薦の言葉「金山町に寄せて」
金山町は、私達が打上げた理念をその侭体現し、更に歩みを止めることなくその完全性を目指し前進している奇跡的な美の理想郷である。
その私たちとは、市民活動団体 "公共の色彩を考える会" であった。
"住宅は個人の資産であっても、景観は公共の財産である " ことを基本理念として、全国から様々なモデル事例を募集、顕彰する事によって、一定の村落単位、街単位の全体調和を図ることの重要さをシンポジウム、報告書、出版物、展示会等で啓蒙活動を続けてきた。
しかし、一昨年3月にその35年間の歴史の幕を閉じた。理由は全てがボランティアによって運営されていたので事務局が立ち行かなくなった為である。
私は山形県在住者の立場で、地域景観専門部会主査を受けて月1回の常任委員会に上京を繰り返していた。
残念ながら、全国区に亘る大変情熱に溢れた100余名の会員達で支えられていたが、事務局が永田町(首相官邸のお膝元)に有ったせいか、頻繁に集まれる常任委員は首都圏在住者に限られていた。
それはすなわち、中央(未来志向)対地方(伝統志向)の論理から言えば多勢に無勢で、地域景観への在り方を深く論議出来ず、焦燥感を抱えた侭、消化不良のうちに幕を閉じたことは今以て無念さが残る。
金山町の奇跡の原点はまさに明治11年7月に英国女流探検家イザベラ・バードが残した山形県金山峠に差し掛かった折、3つのピラミッド型山々の眺望景観に声を上げ、『ロマンティックな雰囲気の場所』と評した事に始まったと思う。
実は私も、初めて金山町訪問の際、 峠から見下ろした三山を見つけ、何と美しく不思議な景色か!と眼に焼付け、金山町参りへの参道は此処から始まっていると、今も実感。
そして、金山杉を活かした金山住宅の形式が町民の美意識の共有にあり、それを100年かけて完成させるという、町が取組んだ実に息の長い景観施策にあり、今の日本にあって山形県が誇るべき誠に奇跡的な町である。
国道13号上台峠からの眺め。 稲刈りの最盛期…
金山町参りへの参道は此処から始まっている。
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