嘉渡の夕日
高知山展望台
鹿児島県大島郡瀬戸内町
大島海峡と加計呂麻島を一望できる展望台。美しいリアス式海岸が続く大島海峡一帯は、奄美群島国定公園に指定されている。
打田原海岸
鹿児島県奄美市笠利町
島北部の笠利湾に面した半島にある美しい海岸。プライベートビーチ感覚で海水浴や休憩ができる。天然の塩作りも行われている。
ホノホシ海岸
鹿児島県大島郡瀬戸内町
打ち寄せる波に洗われた丸い石が一面に積みあがっている海岸。波が引く時は、石同士がぶつかり合い「カラカラ」と音を奏でる。
ハートの潮だまり
鹿児島県大島郡龍郷町
近年恋愛のパワースポットとして人気の場所。波打ち際にあるため、潮が引いたときにだけはっきりと見ることができる。
フナンギョの滝
鹿児島県奄美市住用町
川内川の上流にある落差約35mの雄大な滝。「舟木を切りに行くところ」という名前がついたと言われている。
マテリヤの滝
鹿児島県大島郡大和村
太陽の光が、滝壺に差し込む美しさから「マ・ティダ・ヌ・コモリ(太陽の光が照り輝く滝壺)」と名付けられた滝。
四級親水公園
鹿児島県大島郡宇検村
琉球弧最高峰「湯湾岳水系」のひとつ。川沿いに生える木々には、オオワタリが着生し、うっそうとした雰囲気が味わえる。
マングローブ原生林
鹿児島県奄美市住用町
日本で2番目の面積を誇るマングローブ林。満潮時にはカヌーツアーがおすすめ。干潮時は、干潟の生き物探しも楽しめる。
金作原原生林
鹿児島県奄美市名瀬
10mもの高さのヒカゲヘゴの群生を間近で見ることができる亜熱帯性照葉樹林。植物や生物に詳しいガイドが案内するツアーが人気。
ソテツ群生地 群生地にあるソテツの本数は約6万本とも言われ、山肌一面に広がる光景は圧巻です。ソテツは第2次世界大戦の前後までは、民衆の飢餓を救う貴重な食料源でした。現在でも、「ナリ粥」や「ナリ味噌」として口にすることが出来ます。
鶏飯
鹿児島県
奄美大島笠利町発祥の郷土料理。温かいご飯の上に鶏肉・しいたけ・錦糸卵等の具をのせ、熱々の鶏のスープをかけて食べる。
※以上が奄美大島です。
サガリバナ
鹿児島県大島郡瀬戸内町与路
サガリバナは、奄美大島が北限の常緑高木。夏(7月~8月)の夕方から未明にかけて、甘い香りの花が群れ咲き幻想的。
芭蕉の群生地
鹿児島県大島郡瀬戸内町与路
かつては、芭蕉布の材料として利用されていた芭蕉群生地がある。糸芭蕉からとり出した繊維を紡いで織る伝統工芸品。
サンゴの石垣
鹿児島県大島郡瀬戸内町与路
奄美の家々には、風除け等のためサンゴの石垣が積まれている。与路島には、今でも昔ながらの重厚な石垣が残っている。
デイゴ
鹿児島県大島郡瀬戸内町諸鈍
5月下旬から6月上旬に、鮮やかな濃い朱色の花が咲き誇る。琉球交易の際、目印のために植樹されたといわれている。
巨木ガジュマル
鹿児島県大島郡瀬戸内町於斎
加計呂麻島には、ガジュマルやデイゴ等亜熱帯植物が自生している。於斎(オサイ)のガジュマルは、聖なる巨木でもある。
渡連海岸
鹿児島県大島郡瀬戸内町渡連
渡連には、レジャー施設があるためマリンレジャーやキャンプを楽しむことができる。地元の人にも人気のスポットである。
実久ブルー
鹿児島県大島郡瀬戸内町実久
近くに海中公園があり、青く澄んだ海はダイビングやシュノーケリングに最適。周囲には、シャワー・トイレ・休憩所等も整備。
スリ浜
鹿児島県大島郡瀬戸内町諸数
別名「白い村」と呼ばれるマリンレジャーが整っているビーチ。ダイビング・クルージング・釣り等マリンレジャーが楽しめる。
高原海岸
鹿児島県大島郡瀬戸内町与路
与路島の西側にある海岸。海に突き出す桟橋から覗く海の透明度は抜群。外洋に面しているため、流れがきつい海域。
ハミャ島
鹿児島県大島郡瀬戸内町与路沖
請島と与路島の間にある、白い砂浜が美しい無人島。奄美大島か加計呂麻島や与路島から、海上タクシーで渡航。
安脚場
鹿児島県大島郡瀬戸内町安脚場
安脚場は、大島海峡の東の入り口に位置するため大正9年頃から砲台等の軍事施設が設置された。展望の良い高台にある。
徳浜海岸 鹿児島県大島郡瀬戸内町徳浜 海岸の左奥に、ライオンがたて髪をなびかせているような奇岩がある。海は、透明度が高くマリンレジャーには最適。
請阿室海岸
鹿児島県大島郡瀬戸内町請阿室
請阿室海岸から見える海は、特徴的な青緑色。美しい砂浜が広がる、どこか懐かしい風景。波の音、心地良い風がほっとさせる。
港
鹿児島県大島郡瀬戸内町請阿室
請島へ渡るは、瀬戸内町古仁屋から町営定期船「フェリーせとなみ」に乗船する。一日2便、古仁屋~請阿室港~池地港。
ミヨチョン岳
鹿児島県大島郡瀬戸内町請
大山ミヨチョン岳は、標高398mの島最高峰。加計呂麻島・徳之島が眺望できる島の絶景ポイント。希少な植物も数多く見られる。
諸鈍芝居
鹿児島県大島郡瀬戸内町諸鈍
平資盛が、住民との交流を目的にはじめたとされる伝統芸能。旧暦9月9日に大屯神社で奉納される。国指定重要無形民俗文化財。
島尾敏雄文学碑・墓碑
鹿児島県大島郡瀬戸内町呑之浦
呑之浦の海の側にある。小説「死の棘」等の作家島尾敏雄は、この場所で太平洋戦争当時に特攻隊(震洋艇)の指揮を執っていた。
請百合
鹿児島県大島郡瀬戸内町請
ササユリの変種で、主に請島で多く自生することからその名がついた。花の香りがよく、姿が美しい。6月上旬に開花。
※以上が加計呂麻島・請島・与路島です。
請百合
鹿児島県大島郡瀬戸内町請
ササユリの変種で、主に請島で多く自生することからその名がついた。花の香りがよく、姿が美しい。6月上旬に開花。
スギラビーチ
鹿児島県大島郡喜界町中里
天然の入江を利用した人気の海水浴場。沖合に見える奄美大島に沈んでいく夕日を見ながら海水浴ができるのも魅力。
巨大ガジュマル
鹿児島県大島郡喜界町手久津久
樹齢推測100年を超える。見上げると空を覆い隠すように伸びる枝や16mに及ぶ幹回りは圧巻。不思議な島一番のパワースポット。
百之台国定公園
鹿児島県大島郡喜界町
島の中央、標高203mの隆起サンゴ礁の高台。丸みをおびた水平線は、地球の丸さを実感。奄美十景の一つ。
戦闘指揮所跡
鹿児島県大島郡喜界町
太平洋戦争時、部隊によって造られた鉄筋コンクリート造りの地下壕。爆撃を受けた傷跡が残っており、戦争の恐ろしさを肌で実感。
白ゴマ
鹿児島県大島郡喜界町
喜界島は、白ゴマの生産量が日本一。味・香りが良く品質日本一と高評価。健康食品としても好評。写真は、セサミストリート。
荒木中里遊歩道
鹿児島県大島郡喜界町
島の西、荒木~中里を結ぶ2.2kmの遊歩道。群生する亜熱帯植物、東シナ海に見える奄美大島、金色に染めた落日は、どれも感動的。
サトウキビの一本道
鹿児島県大島郡喜界町
見渡す限りのサトウキビ畑と広い空に続くおよそ3㎞の一本道。映画やTVのロケ地としても利用されている。
珊瑚の石垣
鹿児島県大島郡喜界町阿伝
先人は、台風対策として屋敷の周囲に「石垣」を廻らせ防潮や防風をしていた。「阿伝集落」は、昔ながらの石垣を多く目にできる。
夫婦ガジュマル
鹿児島県大島郡喜界町蒲生
道路を挟んでそびえ立つ2本のガジュマルの木。広く張り巡らされた枝からこぼれる木漏れ日は神秘的な雰囲気を醸し出す。
※以上が喜界島です。
トンバラ岩
鹿児島県大島郡徳之島町金見
釣りのメッカとして有名。天気が良い日は、洋上に浮かぶ与路島と請島(鹿児島県大島郡瀬戸内町)が見える。
ムシロ瀬 鹿児島県大島郡天城町与名間 島の北端にあり、南国では珍しい花崗岩の海岸線。その名の通り、海岸にムシロを敷き詰めたように岩が広がる壮大な景観。
黒畦
鹿児島県大島郡徳之島町黒畦
目の前に広がるソテツの群生。雄大に広がるコバルトーブルーの海。奄美大島が見え、壮大な景観を堪能。
井之川岳
鹿児島県大島郡徳之島町
海から見た井之川岳。徳之島では一番高い山である。東京スカイツリー(634m)よりも少し高い標高645m。
犬之門蓋
鹿児島県大島郡天城町兼久
メガネ岩とも呼ばれる。季節風や荒波によって浸食された断崖・奇岩がそびえ立つ一体は、東シナ海に面す。
犬田布岬
鹿児島県大島郡伊仙町犬田布
1945年(昭和20)4月に撃沈された戦艦大和を旗艦とする特攻艦隊戦没将士の慰霊塔が建立されている。奄美群島国定公園。
花徳浜
鹿児島県大島郡徳之島町花徳
砂浜から見上げる夜空の景色は、宇宙のロマンを感じる瞬間。訪れる人の心を癒してくれる。
犬田布の壁画
鹿児島県大島郡伊仙町犬田布
「闘牛の島、徳之島」を象徴するかのように、かわいいイラストが集落のあちらこちらの壁画に描かれている。
寝姿山
鹿児島県大島郡天城町
飛行機内からの寝姿山。女性の寝ている姿に見えることから「寝姿山」と呼ばれる。徳之島に降立つと最初に出迎える山。
伊仙闘牛場
鹿児島県 大島郡伊仙町伊仙
言わずと知れた徳之島の闘牛。地元の人は、もちろんのこと全国から闘牛ファンが島を訪れ、たくさんの人が集まる。
※以上が徳之島です。
田皆岬
鹿児島県大島郡知名町田皆字
島の北西端に位置する屈指の景勝地「田皆岬」。 断崖の高さは、40~50m。奄美十景に数えられるほど素晴らしい景観を誇る。
ウジジ浜海岸
鹿児島県大島郡知名町瀬利覚
長い歳月の間、波や海水による侵食を受けてできた「奇岩」が数多く立ち並ぶ岩礁海岸。夕日が沈む時間は、絶景。
西郷南洲記念館
鹿児島県大島郡和泊町和泊字
江戸時代末期、沖永良部島に遠島された西郷隆盛が一年半の獄中生活を強いられた様子を紹介。翁の遺訓と盛徳を顕彰している。
昇龍洞
鹿児島県大島郡知名町
東洋随一といわれる全長3Km以上の鍾乳洞。一般公開されている部分は600mほど。自然が造り上げた神秘的な世界。
日本一のガジュマル
鹿児島県大島郡和泊町国頭
国頭小学校の校庭に立つガジュマルは、明治31年(1898)に第一期生が卒業記念に植樹したもの。大きさは、日本一。
屋子母海岸
鹿児島県大島郡知名町屋子母
知名町で最も大きい海水浴場。砂浜から沖合いのリーフまではわずか200m。大きな潮の流れがなく穏やかな海岸線。
ワンジョビーチ
鹿児島県大島郡和泊町畦布
島の北側にある白い砂浜が広がる美しいビーチ。海水浴にも最適で、沖永良部島を代表する屈指のビーチ。
フーチャ
鹿児島県大島郡和泊町国頭
島の北岸にある隆起サンゴ礁の洞窟。荒波に浸食され、ぽっかりと大きな口を開けている。風が強い時は、壮大な光景を望める。
ジッキョヌホー
鹿児島県大島郡知名町瀬利覚
ジッキョヌホーとは、「瀬利覚(ジッキョ)の川」の意味。 生命の源として住民の生活を支えてきた。平成の名水百選。
えらぶゆり
鹿児島県和泊町喜美留
島の代表的な特産品。110年余りの歴史を経て,今ではエラブユリとして全国的に親しまれるようになる。見頃は、4月下旬。
※以上が沖永良部島です。
ヨロン島
鹿児島県大島郡与論町
奄美群島の最南端に位置する、周囲約20キロの隆起サンゴ礁の島。島の周囲は、コーラルリーフに囲まれている。
ヨロン駅
鹿児島県大島郡与論町立長
ヨロン島が、日本国有鉄道の周遊券指定地に含まれてから10周年を記念して建てられたモニュメント。電車が通らない架空の駅。
与論の十五夜踊
鹿児島県大島郡与論町城
旧暦の3・8・10月の各15日に嶋中安穏や五穀豊穣を祈願し、地主神社に奉納される芸能。国指定重要無形民俗文化財。
百合ヶ浜
鹿児島県大島郡大金久海岸沖
干潮時に沖合い約1.5キロに現れる幻の砂浜。年齢の数だけ星砂をを拾えば、幸せになれると言われている。
舵引き丘
鹿児島県大島郡与論町叶
島誕生の地。二人の神が漁に出た時舟の舵が浅瀬に引っかかり、その時盛り上がった珊瑚礁が島の誕生であるいう神話がある。
エメラルドグリーン
鹿児島県大島郡大金久海岸沖
島の全体は、遠浅でコーラルリーフに囲まれている。エメラルドグリーンの鮮やかな海が、広がっている。
タイムトンネル
鹿児島県大島郡与論町東区
いつもは海の下に隠れて、干潮時しか現れない「幻のトンネル」。 この下をくぐれば、幸せになれるというパワースポット。
ゆいの丘
鹿児島県大島郡与論町東区
大金久海岸の南部分に位置する「ゆいの丘」。丘の上からは、百合ヶ浜はもちろん沖縄本島が望める。奄美十景の一つ。
夕日
鹿児島県大島郡与論町茶花
島の西側に位置する茶花海岸。大海原に沈んでいく夕日は、まるで映画のワンシーンのように魅惑的で圧巻。
沈船あまみ
鹿児島県 大島郡茶花港沖
茶花港沖合。海底に横たわる全長51.43メートルの船体は、ダイナミックで幻想的。格好のダイビングスポットでもある。
黒花海岸
鹿児島県大島郡与論町那間
島の北東側に位置する海岸。ここ海岸の砂浜は、大変白くキメ細かいことが特徴。シュノーケリングもできるビーチ。
※以上がヨロン島です。
「奄美群島国立公園」が新たに指定!
平成29年3月7日(火)、国内で34カ所目の国立公園として、「奄美群島国立公園」が新たに指定されます。テーマ は「生命 にぎわう亜熱帯のシマ ~森と海と島 人 (しまっちゅ )の暮らし~」
奄美群島国立公園の新規指定について
奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、喜界島、徳之島、沖永良部島及び与論島で構成される奄美群島に新たに国立公園が指定されることになります。
奄美群島は、国内最大規模の亜熱帯照葉樹林が広がり、大陸や日本本土との分離・結合を繰り返した島々の地史を背景に、アマミノクロウサギをはじめとする多種多様な固有で希少な動植物が生息・生育するとともに、世界有数の速度で今も隆起するサンゴ礁段丘、琉球石灰岩の海食崖やカルスト地形、世界的北限に位置するサンゴ礁のほか、マングローブや干潟など多様な自然環境を有する地域です。
また、奄美群島国立公園に含まれる奄美大島及び徳之島は、昨年4月に公園区域の大規模拡張を行った西表石垣国立公園の西表島、昨年9月に新たにやんばる国立公園として指定した沖縄島北部とともに、世界自然遺産候補地にもなっています。
魅力あふれる「奄美群島国立公園」に、ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。「奄美群島国立公園」に、ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。
1 奄美群島国立公園の指定理由
①景観(同一風景中、我が国の風景を代表する傑出した自然の風景地) 奄美群島は鹿児島県の南部に位置し、奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、喜界島、徳之島、沖 永良部島及び与論島等の島嶼で構成される地域である。
当該地域は、世界的にも数少なく国内では最 大規模の亜熱帯照葉樹林、日本列島の形成過程を反映して形成されたこれらの島々の地史を背景に生 息・生育する固有動植物及び希少動植物、世界有数の速度で今も隆起するサンゴ礁段丘、琉球石灰岩 の海食崖やカルスト地形、世界的北限に位置するサンゴ礁、マングローブや干潟等多様な自然環境を 有している。
近年、照葉樹林、干潟、サンゴ礁等の景観に対する関心の高まりにより、様々な希少な生物が生息 し、その雰囲気が感じられる豊かな生態系を有する地域や海域そのものに対する風景の評価が高まっ ており、国立公園として評価することが必要となっている(「国立・国定公園の指定及び管理運営に 関する提言」平成 19 年3月、国立・国定公園の指定及び管理運営に関する検討会)。
また、平成 22 年度に国立・国定公園総点検事業の結果が公表され、当該地域の自然環境が我が国 を代表する傑出した地域であると評価され、新規に国立公園の指定を行う候補地として選定された。
以上を踏まえ、奄美群島は、日本列島の形成過程を反映して形成された島々の地史を背景に多くの 固有種が集中して分布する国内最大規模の亜熱帯照葉樹林の生態系を中心として、自然性の高い河川 景観、干潟・マングローブ生態系、サンゴ礁生態系といった多様な生態系が複合的に一体となった景 観を風景型式とし、これらと一体的なリアス海岸の景観や琉球石灰岩のカルスト地形の景観、人と自 然の関わりを示す有形無形の文化景観をも有する、我が国を代表する傑出した地域である。
②規模(区域面積が原則として1万 ha 以上(島嶼)) 本国立公園の区域面積は 42,181ha(陸域)である。
③自然性(原生的な景観核心地域が原則として約 2,000ha 以上) 本国立公園の原生的な景観核心地域は、住用川及び川内川中流部、湯湾岳、井之川岳、丹発山など であり、その合計区域面積は 15,497ha である。 <参考:特別保護地区:5,248ha、第1種特別地域:9,125ha、海域公園地区:1,124ha>
④利用(大人数による利用が可能) 景勝地や海浜巡り、亜熱帯照葉樹林の散策、カヌー体験、ダイビング、グラスボートによる海中景 観探勝、海水浴、本地域固有の動物等の観察など、利用の多様性に富んでいる。
⑤地域社会の共存(地域社会の理解の獲得) 住民説明会の開催や関係市町村の同意を経て、指定するものである。
以上、「国立公園及び国定公園の候補地の選定及び指定要領(平成 25 年5月 17 日付け環自国発第 1305171 号 環境省自然環境局長通知)」に記載される要件を満たすことから、本地域を国立公園に指 定する。
また、本国立公園のテーマを「生命 い の ち にぎわう亜熱帯のシマ~森と海と島 人 しまっちゅ の暮らし~」とし、琉球 弧の形成の歴史を示す海岸等の優れた景観を保全し、地史を反映して進化をとげた固有の動植物等で 構成される亜熱帯照葉樹林生態系を積極的に管理して、その健全性の維持・回復と希少動植物の絶滅 リスクの回避、低減を図るとともに、地域特有の自然や伝統的な自然とのかかわりを感じることがで きる質の高い自然体験や環境学習の場と機会を提供することにより、地球の生物の多様性の確保に寄 与し、地域の暮らし・営みと自然環境保全のバランス維持に貢献する国立公園を目指す。
なお、既に奄美群島国定公園に指定されている地域の一部は本国立公園の区域に編入し、国定公園 の指定を解除する。
2 地域の概要
奄美群島は、トカラ列島と沖縄諸島の間に飛び石状に点在する島嶼群で、南北は北緯 27 度0分 53 秒から同 28 度 32 分 30 秒、東西は東経 130 度 02 分 16 秒から同 128 度 23 分 50 秒の海域に位置し、 有人8島で構成される。総面積は、1,231.39 ㎢で、それぞれ奄美大島 712.47 ㎢、加計呂麻島 77.39 ㎢、請島 13.34 ㎢、与路島 9.35 ㎢、喜界島 56.93 ㎢、徳之島 247.77 ㎢、沖永良部島 93.64 ㎢、与論 島 20.47 ㎢となっている。
この群島は九州から台湾まで約 1,200km にわたって連なる弧状列島に属し、ユーラシアプレートと フィリピン海プレートの接点に位置する。現在の姿は主に新生代の新第三紀からの隆起・沈降と、第 四紀のサンゴ礁の発達に伴う琉球石灰岩の堆積によって形成され、ユーラシア大陸や日本列島との接 続と分断を繰り返しながら形成された島嶼だと考えられている。
このような地史により、大陸等と接続している時代に生物が移動定着し、その後の分断により隔離 されることで遺伝的な変異を蓄積させて独自の進化を遂げ、古い形質を残したまま現在まで生き残っ た固有種(固有亜種)の多い生物相が形成されたとされている。
気候帯としては温帯的要素と熱帯的要素を併せ持つ「亜熱帯」に属し、黒潮の影響も受けて一年を 通じて温暖・多湿で降水量が多く、特に奄美大島は年平均降水量が 3,000 ミリ近い国内有数の多雨地 帯となっている。
こうした地理的な要因から、奄美群島は世界の動物地理区の旧北区と東洋区の境界となっていると ともに、植物地理区の全北区界と旧熱帯植物界の境界にもなっており、生物地理的に南方系要素と北 方系要素が混在する生物分布の地理的移行帯となっている。
(1)景観の特性
ア 地形・地質
奄美群島の島々の地形は、主にその地史の違いから山地のある高島 こうとう と低く平らな低島 ていとう の2種に 大別される。高島と低島の違いは、島の水環境や土地利用の違いにも関連している。
奄美大島(加計呂麻島、請島、与路島を含む。以下同じ。)と徳之島が相当する高島は、新生 代第三紀より古い地層から構成される島で、主として中生代の粘板岩や砂岩でできた山地が多く 起伏が大きい。一般に山地が海岸線まで迫り、周囲は切り立った崖をなして平地が少なく、比較 的短い急な流れを有した河川水系が存在する。また、海岸線は変化に富んでおり、奄美大島では リアス海岸を見ることができる。
喜界島、沖永良部島、与論島は低島であり、第四紀に形成された琉球石灰岩からなり、山地が なく低平な島で、海岸線は一般に出入りが少ない。低島的要素は徳之島南西部にも見られる。段 丘地形がよく発達しており、数段の階段状をした段丘を見ることができる。世界有数の速度で隆 起する喜界島は、特に段丘地形が発達しており、みごとなテーブル状をした段丘や海抜 10m以下 の高さに新しい時代の離水サンゴ礁からなる段丘を見ることができる。
また、低島では、琉球石灰岩が非常に水に溶けやすいことから地下水系が発達しているほか、 鍾乳洞、ドリーネなどのカルスト地形も見ることができ、沖永良部島で顕著である。
イ 植生
奄美群島の山地帯の大部分を占める自然植生は、スダジイを優占種とする常緑広葉樹林で、奄 美大島の常緑広葉樹林は亜熱帯照葉樹林としては国内最大規模を誇る。
奄美大島や徳之島の山地の中腹部一帯の適潤地ではケハダルリミノキ-スダジイ群集に属す る群落で覆われている。ここでは、海風の直接当たらない山腹や谷沿いにオキナワウラジロガシ の優占度が高い群落が見られる。
海抜約 400m以上のやや標高の高い湿潤な立地にはアマミテン ナンショウ-スダジイ群集が発達し、奄美大島と徳之島の最高峰である湯湾岳(694.4m)及び 井之川岳(644.8m)の山頂部一帯には、タイミンタチバナ-ミヤマシロバイ群集が見られる。
このほか、沖永良部島の大山山頂付近にはアオバナハイノキ-スダジイ群集が分布している。過 去に森林伐採を行った場所や海風の影響の強いところでは低木層や草本層の発達が悪いギョク シンカ-スダジイ群集が広く分布している。
常緑広葉樹林は、主に奄美大島中南部や徳之島北部から中央部などに分布が見られるほか、沖 永良部島の大山山頂部付近でも見ることができる。これらのほとんどは、過去に伐採された二次 林であり、比較的人手が入っていない自然林は奄美大島の湯湾岳や住用川中流部、徳之島の三京 などごく限られた地域でしか見られず、奄美大島で全体の 6.5%、徳之島で 3.5%を占めている。
奄美大島では、昭和 30 年代以降、約7割の森林が伐採されたが、近年は大規模な森林伐採があ まり行われていないことから森林は回復途上にある。
森林を伐採した跡地等の多くは、リュウキュウマツ群落やギョクシンカ-スダジイ群落となっ ている。同群落は奄美大島北部及び外縁部、徳之島中部から北部にかけて広がっており、奄美大 島では全体の 19.9%、徳之島では 16.4%を占める。
近年、マツクイムシ被害によってリュウキ ュウマツは枯損し、下層にあったスダジイやアマミアラカシなどからなる森林に変わりつつある。 また、伐採跡地周辺には、アカメガシワやリュウキュウエノキなどを主とする落葉広葉樹林が見 られるほか、過湿な斜面や谷状地には木生シダのヒカゲヘゴの群落が発達する。
沿岸の風衝地に は、シャリンバイ、アカテツ、ハマビワ、シバニッケイなどを主構成種とする風衝低木林が見ら れ、タイワンヤマツツジの優占度の高い群落も局所的に存在するほか、岩崖地にはソテツ群落が 発達する。
低地帯の自然植生は、アコウ、ガジュマル、ハマイヌビワ、ホルトノキ、アカテツ、クスノハ ガシワ、タブノキなどで構成される常緑広葉樹林で、喜界島、徳之島南西部、沖永良部島、与論 島の顕著な隆起サンゴ礁地帯でよく発達している。
低地植生と海浜植生の接触する地域には、モンパノキ-クサトベラ群集、アダン群集、オオハ マボウ群落などが帯状に発達し、各島で見られる小規模な砂浜では、ハマアズキ-グンバイヒル ガオ群落、クロイワザサ-ハマゴウ群落、ツキイゲ群落などが見られる。また、喜界島、徳之島 南西部、沖永良部島、与論島などには隆起サンゴ礁からなる海岸が存在し、モクビャッコウ-ウ コンイソマツ群落、ミズガンピ群落、ソナレムグラ-コウライシバ群落、ハルツルマキ-テンノ ウメ群落などが見られる。
奄美大島では、このほか、入り江となった河口の泥湿地にメヒルギを主とするマングローブ群落が発達しており、オヒルギ、サキシマスオウノキ、オオハマボウ、イボクタサギ、オキナワキ ョウチクトウなどが見られる。
ウ 野生動植物
① 動物
ⅰ)哺乳類
奄美群島に生息する哺乳類は、これまでに約 24 種が確認されており、うち約 14 種が在来種 で、残りは外来種である。
また、ケナガネ ズミ、ワタセジネズミ、リュウキュウテングコウモリ、ヤンバルホオヒゲコウモリは奄美群島 と沖縄諸島の固有種、リュウキュウユビナガコウモリとリュウキュウイノシシは奄美群島、沖 縄諸島、八重山諸島の固有亜種である。これらの固有種及び固有亜種のほとんどは奄美大島と 徳之島に分布しており、この2島は固有性の高い地域となっている。
アマミノクロウサギやアマミトゲネズミ、トクノシマトゲネズミ、ケナガネズミは、奄美群 島が陸橋として大陸と繋がっていた第四紀以前に奄美大島や徳之島に侵入定着し、その後に大 陸と分断されて隔離され、今も生き残っている遺存種と考えられている。
これらの種は、主に 山地の常緑広葉樹林に生息しているが、フイリマングース、ノイヌやノネコといった外来生物 による捕食やロードキルによる個体数減少が確認されており、生態系への悪影響が懸念されて いる。また、主に海岸部でノヤギによる植生や在来植物への悪影響が懸念されている。
ⅱ)鳥類
奄美群島では、これまで日本で記録された鳥類の 633 種の約 50%を占める約 330 種以上の鳥 類が記録されている。これは、温暖な気候により冬期でも餌となる木の実や昆虫類、小動物が 比較的多く存在することや、飛び石状に連なる奄美群島が多くの渡り鳥の通過地域及び一時的 な避難場所の役割を果たしていることによると考えられている。
ⅲ)両生類・は虫類
奄美群島には 11 種の在来の両生類が生息しており、これは日本国内に生息する両生類の約 20%に相当する。このうち、オットンガエルとアマミイシカワガエルは奄美大島、アマミハナ サキガエルは奄美大島と徳之島の固有種である。
オットンガエルは、沖縄島に生息するホルス トガエルと共通の祖先種を持つとされ、それぞれに隔離されて分化したものと考えられている。 アマミイシカワガエルは奄美大島のみに生息する固有種で、近年まで沖縄島北部のものと同種 とされていたが、遺伝的に異なるとされて 2011 年に新種記載された。
なお、オットンガエル、 アマミイシカワガエル及びイボイモリが遺存種と考えられており、これらを含む多くの種が環 境省及び IUCN 両方のレッドリストで絶滅危惧種に位置づけられている。
コブラ科のヒャンとハイも共通の祖先を持つ遺存種で、更にヒャンは奄美大 島に、ハイは徳之島等の島々にそれぞれ隔離されて分化したものと考えられる。なお、奄美大 島及び徳之島には猛毒を持つハブが生息しており公園利用上の注意を要する。
ⅳ)魚類
奄美群島の淡水魚類の正確な種数は不明だが、調査が進んでいる奄美大島では、河川上流部 から河口部までに 136 種が記録されている。そのうち、ハゼ科魚類が最も多く、37.5%を占め ている。
これらの多くは、河川下流から河口に至る場所で出現しており、リュウキュウアユ、 ハゼ、ヨシノボリなどが見られる。リュウキュウアユは、沖縄島で放流個体による再導入個体 群が生息しているが、唯一、奄美大島では役勝川、住用川や河内川などで野生個体群が生息し ている。
ⅴ)昆虫類
奄美大島に生息する昆虫類は、現在までに約 3,000 種が記録されているが、今後もかなり多 くの未記載種や分布新記録種の発見が予想される。
奄美群島の昆虫相は、島嶼が成立する過程で、大陸と結合した際に分布が拡大してきたもの、 トカラ列島と分離する以前に北方から分布が拡大してきたもの、さらに島嶼として成立してか ら海流によって東南アジアやオーストラリアなどから分布が拡大してきたものなど複数の経 路で種を受け入れており、ヒマラヤ系、中国系の遺存種や分布南限種、固有種・固有亜種も多 く存在する。
なお、森林に生息するアマミマルバネクワガタ等のクワガタ類やカミキリムシ類などは、過 去の大規模な開発行為により、生息地の減少が見られ、、また近年では、悪質な採集者による 持ち去り等により、幼虫の生息環境である樹木の洞や根元の堆積物や樹木の部位ごと持ち去っ たり、破壊されることもあり、個体数の大幅な減少が懸念されているものも見られる。
② 植物
奄美群島に分布する維管束植物の種数は、全体で 1,300~1,500 種にのぼるとされており、日 本全土の面積の 0.26%にすぎない奄美群島に、日本全土に生育する種の約 35%が分布することとなる。
奄美群島の植物種は、南方系の種と北方系の種が混在すること、南方系の種の多くの種の分 布北限となっていること及び固有種が多いこと等が特徴である。奄美大島を分布の北限とする 種は、120 種以上にのぼる。また、固有種・固有亜種は約 60 種が確認されており、これらの多 くは奄美大島及び徳之島の常緑広葉樹林などに生育する。
奄美群島の植物種中、環境省のレッドリストで絶滅危惧種として位置づけられているものは 200 種を越える。群島の中でも奄美大島及び徳之島、特に奄美大島は絶滅危惧種の種数が多い。 奄美大島や徳之島ではこうした固有種・固有亜種や絶滅危惧種の採取が生物多様性保全上の課 題となっており、いくつかの種では採取による絶滅が懸念されている。
エ 海域
奄美群島は、海岸部の大部分でサンゴ礁が発達しており、まとまった規模の礁を形成するサン ゴ群集としてはほぼ世界の北限に位置している。奄美群島のサンゴ礁はほとんどが裾礁だが、与 論島では堡礁が見られ、島の北東部には海岸から沖合約1kmの範囲内に広大な礁湖が広がり、 美しい海域景観を呈している。
しかし、白化現象やオニヒトデ等の食害による影響を受けて海中の景観に大きな 変化が生じてきた経緯を有する。
また、海岸の砂浜の多くはアカウミガメやアオウミガメの産卵場として利用されているほか、 奄美大島北部に見られる泥質干潟では、シオマネキ等甲殻類、ナマコ類、貝類等や冬場の渡りで 渡来するシギ・チドリなどの渡り鳥の姿を見ることができる。
オ 文化景観
奄美群島では、島嶼故に人の生活圏域と森林地域や海域が近接し、生活はこれらの自然と密接 にかかわりを持ってきた。このため、集落内外にこれらを示す痕跡を見ることができ、現在のく らしや風習の中にも古から続く自然との関わりを見ることができる。
集落に近接したリーフや河川では、日常的に魚類、貝類、藻類やエビ・カニ類等を採集する風 景を見ることができ、今も続く島の人々と自然とのかかわりを感じたり体験することができる。 また、山中にはかつての生活で利用されていた古道や、耕作地跡、炭窯跡等を見ることができ、 これらがかつての島の人々のくらしと自然とのかかわりを想起させるものとなっている。
これらの人と自然とのかかわりを示す風景(環境文化景観)は、自然景観とあいまって奄美群 島での自然体験をより深く豊かなものにしている。
(2)利用の現況
奄美群島を訪れる入域客(奄美群島外から奄美群島域へ入ってきた人数)は、年間延べ 560,432 人(平成 27 年)で、空路による入域と海路による入域が可能だが、約 80%の入域客が空路で来島 する。
空路は、東京、大阪などからの直行便が奄美大島に乗り入れており、東京から約2時間 30 分、大阪から約1時間 30 分で来島することができるほか、鹿児島と各島を直行便が結んでいる。
平成 27 年の各島の入込客数(奄美群島外から奄美群島域に入ってきた人数及び奄美群島内にお いて各島間を移動した人数の合計)は、奄美大島 422,527 人、喜界島 55,481 人、徳之島 129,806 人、沖永良部島 87,121 人、与論島 62,952 人となっており、奄美大島への入込が最も多く、群島全 体の入込客数の5割強を占める。入込客数は、近年増加傾向となっている。
月別の入込状況では島によって大きな違いはなく、7・8月の入込が最も多く、全体の 20%強が この期間に訪れるが、各月ともそれぞれ6~9%程度の入込があり、年間を通じて入込は平準化し ている。
また、夜間の林道でアマミノクロウサギをはじめ固有の動物等を観察する ツアーなども行われている。奄美群島の中では自然ガイドが多く、各社が体験プログラムを提供し ている。
他の島では、主に海岸沿いの景勝地や砂浜を巡る利用を主として、ダイビングも行うことができ るほか、沖永良部島では昇竜洞での鍾乳洞の散策、与論島では広大な礁湖でのグラスボートによる 海中探勝や干潮時に出現する百合が浜での海水浴、喜界島などではサンゴ石垣等昔ながらの集落の 面影をとどめた集落景観探訪などが特徴的である。
奄美大島や徳之島にはアマミノクロウサギ等固有種が生息する亜熱帯照葉樹林が広がるが、これ まであまり活用されているとは言い難い。これらの森林の魅力を引き出すような利用施設を整備す ることのほか、資源を損なうことがないよう適切な仕組みを構築した上で適正な利用を推進し、良 好な自然体験の場と機会を提供することが課題となっている。
また、各島で集落やその周辺を中心に見ることができる島人の風習や暮らしの中での自然とのかかわりを観光資源として活用するこ とも課題の一つである。
(3)社会経済的背景
ア 土地所有別
本区域は、公園区域42,181ha(陸域)のうち、国有地7,049ha(16.7%)、公有地9,685ha(23.0%)、 私有地等 25,447ha(60.3%)である。
イ 人口及び産業
奄美群島の人口は、推定で 110,147 人(平成 27 年国勢調査)とされており、減少傾向が続い ている。島別に見ると全人口の約 55.6%に相当する 61,256 人が奄美大島に集中し、喜界島 7,212 人(約 6.5%)、徳之島 23,497 人(約 21.3%)、沖永良部島 12,996 人(約 11.8%)、与論島 5,186 人(約 4.7%)となっている。
林業は、奄美大島、徳之島においてパルプ・チップ、一般用材等のための林業が行われており、 産業別就業者数割合では、0.2%程度となっている。
その他、産業上の特徴として建設業就業者割合が各島とも 10%前後と全国平均(7.6%)より 高く、製造業就業者割合(約 4.2%)が全国平均(15.9%)に比べてかなり低いことが上げられ る。(平成 22 年度国勢調査)
国立公園区域内には、奄美大島 14 集落、喜界島2集落、徳之島1集落が含まれている。農業 に従事する住民が多いものと考えられる。
奄美群島国立公園 公園計画
1 基本方針
(1)保護に関する基本方針
奄美群島国立公園は、特徴の異なる8つの島々で構成されており、固有又は希少な動植物が生 息・生育する亜熱帯照葉樹林、リアス海岸、砂浜、干潟、海食崖などの多様で自然性の高い海岸や 世界的北限に位置するサンゴ礁の海のほか、隆起段丘、鍾乳洞やカルスト地形、人と自然のかかわりを感じさせる文化景観など多様性に富んだ景観を有している。このため、公園全体では、「個々 の景観要素の維持回復を図ることにより自然環境と景観の多様性及びそこで体験できる自然体験 の質(自然体験を通じて得られる利用者の満足感や達成感)を維持向上する」ことを目標とし、そ れぞれの景観要素については次のとおり保護を図ることとする。
(ア)亜熱帯照葉樹林
スダジイ等を主とする奄美大島及び徳之島の亜熱帯照葉樹林は、アマミノクロウサギをはじめと する多くの固有又は希少な動植物等で構成される生態系が存在し、これらの生息地・生育地として 国際的にもその保護の重要性が高い。
a 固有又は希少な動植物の保護
・捕獲採取や交通事故といった人為的な要因による固有又は希少な動植物の減少を防止する。
・外来生物による固有又は希少な動植物への悪影響を排除・抑制する。・固有又は希少な動植物の生息・生育に著しい支障を及ぼさぬよう生息地・生育地を保全する。
b 森林の保護管理
・固有又は希少な動植物の生息・生育する高齢林及び高齢林分を含む森林を厳正に保護する。
・森林施業における生態系保全への配慮を徹底する。・過去に伐採された照葉樹二次林や林種転換された林分の高齢照葉樹林への誘導、転換を図る。
c 河川の保護管理
・リュウキュウアユをはじめとする水生生物の移動や繁殖活動に配慮して保護管理を行う。
・森林と河川を生息地とする両生類の生息に配慮して保護管理を行う。・渓流植物や高い空中湿度を必要とする着生植物の生育や汽水域のマングローブの保護に配慮して 保護管理を行う。
d 人の入込みのコントロール
・固有又は希少な動植物が多く生息・生育している等の生物多様性保全上特に重要な場所や、利用 過剰や利用の集中により自然環境や自然体験の質に悪影響を及ぼしている、又は及ぼすおそれの ある場所については、必要に応じて人の入込のコントロールを検討する。
e 科学的・順応的な保護管理
・森林や固有又は希少な動植物等に関するデータ収集に努め、森林生態系の科学的な保護管理を行 う。
・森林生態系の保全や希少動植物の種の保存のためのモニタリングを行い、得られた情報に基づい て順応的に保護管理を行う。(ウ)その他
本公園には、上記のほか隆起段丘、鍾乳洞やカルスト地形などの自然景観や人と自然のかかわり を示す文化景観や集落景観が含まれる。
自然景観については、その自然的特徴と公園利用の形態に配慮した保護管理を行い、文化景観、 集落景観については、人と自然とのかかわりを示す景観の維持や住民生活に配慮して適正な保護を 図ることとする。
なお、奄美群島の国際的にも貴重な自然の価値、固有又は希少な動植物の保護、外来生物による 悪影響等について、住民や公園利用者を対象として普及啓発を行うこととする。
(2)保護規制計画の方針
本公園は、島ごとに景観の特性が異なり多様な自然景観を有することが特徴となっているため、 公園の保護についても島ごとの景観特性に合わせて行っていく必要がある。
このため、以下のと おり島ごとに保護規制計画の方針を定める。
(ア)奄美大島
本区域は、アマミノクロウサギをはじめとする固有で希少な動植物の生息地・生育地である 亜熱帯照葉樹林、マングローブ、リアス海岸や笠利湾の海岸景観、鳥類や海生生物が見られる 干潟、サンゴ礁及び海浜といった多様な景観が見られる。
亜熱帯照葉樹林の多くは過去に伐採された二次林であり、また局所的にスギ等の植林がなさ れている。
ⅱ)国内2番目の面積を誇り、優占種が沖縄と異なる住用マングローブについては、その特異な 景観と海生生物等の生息地・生育地を厳正に保護する。
(イ)喜界島
本区域は、島の成り立ちを示す段丘地形と島に暮らす人々の土地利用が作り出した景観が特 徴的である。
ⅰ)百之台及び周辺地域については、視点場からの景観維持及び森林の保護のため段丘斜面を厳 正に保護するほか、周辺の島の成り立ちと島民生活が織りなす風景を維持する。ⅱ)島の周囲を覆う隆起裾礁の景観が顕著なトンビ崎、志戸桶海岸及び荒木海岸の地形や地被等 の保全に留意して風致維持を図る。
(ウ)徳之島
本区域は、アマミノクロウサギをはじめとする固有で希少な動植物の生息地・生育地である 亜熱帯照葉樹林、ガジュマル、タブ、アマミアラカシ等で構成される低地林、海食崖等多様な 海岸景観が見られる。
ⅰ)北部及び中南部の山地帯に見られる固有で希少な動植物の生息・生育する亜熱帯照葉樹林は、 それらの生息地・生育地保全を行う。特に重要な地域は厳正な保護を図る。亜熱帯照葉樹林の 多くは過去に伐採された二次林であり、また局所的にスギ等の植林がなされている。これらに ついては、必要に応じて原生的な亜熱帯照葉樹林への再生を図る。
また、喜念浜、畦海岸及び金見崎については、海岸の地形・地被等の保全に留意して風致維 持を図る。さらに、鹿浦川・阿権川については、断崖景観及び固有植物の生息地等の保全に留 意し、風致の維持を図る。
(エ)沖永良部島
本区域は、琉球石灰岩のカルスト地形や海食崖をはじめとする海岸景観が特徴である。
ⅰ)琉球石灰岩による海岸地形が特徴的な田皆岬及び国頭岬・フーチャ周辺の海岸は、地形的特 徴や地被の保護を図る。また、必要に応じて周辺部の風致維持を図る。
ⅱ)屋子母から大津勘にかけての海岸部は、海岸の地形・地被等の保全に留意して風致維持を図 る。
ⅲ)鍾乳洞やドリーネが見られる大山山腹部は、これらカルスト地形の保全を図る。
(オ)与論島
本区域は、沖合約1kmに及ぶ広大な礁湖の景観が最大の特徴である。このため、当該礁湖 の海域景観を隣接する海岸部と併せて海域全体の風致の維持を図るとともに、海域景観の主要 な構成要素をなす種や魚類等海生生物の生息地としての役割を持つ種の保護を図る。
鎹八咫烏 記
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協力(順不同・敬称略)
環境省
〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館 TEL 03-3581-3351(代表)
一般社団法人 奄美群島観光物産協会
〒894-0023 鹿児島県奄美市名瀬永田町18-6 TEL 0997-58-4888
一般社団法人 あまみ大島観光物産連盟
〒894-0027 鹿児島県奄美市名瀬末広町 14-10 AiAiひろば1階TEL:0997-53-3240
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