「日本の道 百選」や「新 日本百景」にも選ばれる十和田市の名勝・駒街道(官庁街)は、毎年4月下旬ごろ桜並木が満開になります。その駒街道に面する緑地公園は、内外から訪れた大勢の花見客で賑わいます。桜やぶさめは、そんな風光明媚な場所で開催される、勇壮にして華麗な伝統武術の供覧です。馬を駆るのは全て女流騎士。馬は和種(日本の馬)。そして馬が駆け抜ける鉄砲馬場(やぶさめの走路)は満開の桜並木の下。こんなやぶさめが見られるところは他にありません。試技を披露する騎士たちも、ギャラリーが多ければ多いほど力が湧きます。どうぞ、皆様ふるってのご来場を!
(2017年)第14回桜流鏑馬の開催概要
趣旨
かつて南部地方と呼ばれた当地は、旧藩以前から南部馬の名産地として名を馳せ
てきた。とりわけ十和田市(旧三本木町)は、明治期から戦中にかけて軍馬補充部三
本木支部が設置され、国内最大規模の威容を誇った。同時期には先駆的な三本木
産馬組合も誕生し、馬のセリ市は周辺地域のそれを凌駕するほどの活況を呈した。
中世以前は人家もまばらな不毛の大地だった当地だが、近代に入って産馬事業の
振興により大いなる飛躍を遂げた歴史的背景がある。市民の祖先の多くがそれに関
わり、よって今なお市民の馬に対する愛着や憧憬の年は深い。それが即ち、現十和
田市が「駒の里」を自任し、馬にこだわった街づくりに励む所以でもある。その馬を活
用したイベントである桜流鏑馬を観光資源の一つとして育成し、観光振興及び地域活性
化を図るため、日本古来の伝統武芸である流鏑馬を競技化し、全国でも珍しい女性によ
る流鏑馬を通じて、「駒の里」十和田市を体感してもらうことを目的としている。
日 時 平成29年4月22日(土)~23日(日)午前10時~午後2時 会 場 十和田市中央公園 やぶさめ会場 主 催 十和田流鏑馬観光連盟 実施内容 流鏑馬競技(初級・中級・上級・団体戦)、メンズデモンストレーション、体験乗馬、各種出店 予定スケジュール 07:00~ 試走開始 09:30~ 開会式(初日のみ) 10:00~ 初級の部2走・中級の部2走・団体戦2走 12:30~ 上級の部3走・メンズデモンストレーション 13:30~ 初級の部1走・中級の部1走 競技終了後 (初日:記念撮影会、2日目:表彰式) 18:00~ 懇親会
「女流騎士の祭典」観戦の楽しみ方
日本各地で行われている流鏑馬は、そのほとんどが奉納行事であるため、女性が行うことはかないません。でも、実は和式馬術に憧れ、競技として流鏑馬を愛好する女性も多いんです。
「桜やぶさめ」は毎年4月青森県十和田市で行われている女性限定の大会です。桜並木の下を華麗な乙女たちが次々に疾走していく光景にお客さんはクギ付けです!
「桜流鏑馬」4つの見どころ
Check1.【華麗な衣装に注目】
桜流鏑馬に出場する選手たちの衣装はすべて、十和田乗馬倶楽部で製作しています。選手一人ひとりの要望を聞き入れながら作る個性と華麗さを持ち合わせた衣装は、和の要素を残しつつも、機能性や女性のための心遣いを数多く取り入れたデザインとなっています。
Check2.【1走で3射狙います】
約100mの走路には、1箇所につき点数が違う的が3つ設置されていて、それを3箇所連続で騎射を行います。10~13秒ほどで駈け抜けるので、一瞬たりとも見逃せません。
Check3.【勝敗を分けるのは的中点とタイム】
狙いやすいが得点が低い的、難易度は高いが高得点と的ごとに配点が違います。そして、いかに規定内で速く走らせるかが勝負のポイント。選手同士のかけひきも重要です。
Check4.【日本の馬が日本の伝統を演じる美学】
意外なことに和種馬(日本原産の馬)で流鏑馬を行っているところは決して多くありません。この「桜やぶさめ」には、かつてこの地を駈け巡っていた「南部駒(なんぶごま)」を彷彿とさせる馬たちが登場します。珠玉の和式馬術を日本の馬で演じるという醍醐味にもご注目ください。
流鏑馬の魅力
乗馬では常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)という3種類の歩様を使い分けます。その中でいちばん速いのが駈歩です。
ところが流鏑馬では駈歩よりさらに速い襲歩(しゅうほ)という歩様で走ります。競馬でいう「ギャロップ」。最高速度で駆け抜ける馬を見るだけでも十分に迫力がありますが、さらに馬上の騎手が矢を放ち、的を射抜くのですから見ごたえあります。日本古来の武芸ということもあり、儀式や所作にも厳然とした作法あります。馬や騎手の装束も、凛として古式ゆかしいものです。
かつては日本各地の祭や行事として行われていた流鏑馬も、今ではなかなか見ることができなくなりました。十和田乗馬倶楽部では、和式馬術に憧れる有志が、和種の保存活用と、スポーツ振興の一環として競技流鏑馬を奨励しています。
競技としての流鏑馬
伝統的な流鏑馬界には封建的かつ封鎖的な規律があって、一般人が容易に愛好できる環境とは言えません。また寺社への奉納行事として披露することが多いため、実践的な色あいが薄まり、様式が重んじられています。つまり的を正確に射抜くこと以上に、儀礼や所作が重視されてるのです。馬も、和式馬術とはほど遠い洋種馬が用いられることが多いです。
2002年7月、全国の流鏑馬愛好者が集まって流鏑馬競技連盟が創設され、北海道芽室町で初めての流鏑馬競技会が開催されました。競技としての流鏑馬は、射法や儀式的な部分を重視せず、純粋に的中率が競われます。
普及を第一の目的としているので、馬具や騎手の装束に関しては細かく規定されていません。ただし原則として馬は和種または和種系であることが決められています。
お問い合わせ
十和田流鏑馬観光連盟 〒034-0001 青森県十和田市大字三本木字佐井幅115-2
TEL:0176-26-2945 FAX:0176-26-2946
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