赤沢東野阿弥陀堂
中山道上松宿
上松町は、旧中山道の宿場町。
昔はいくつかの地名に分かれていましたが、「上松」という呼び名は縁起が良いため、
婚礼行列のルートに選ばれたこともあったとか。
時代の流れや大火の影響で失われた宿場跡もありますが、
現在も森林鉄道の遺構など、日本の文化を感じさせる場所が各所にあります。
中山道、昔は大変だったのですね・・・
赤沢自然休養林は、日本三大美林の一つ。
樹齢300年以上の天然木曽ヒノキが林立していますが、原生林ではありません。
1600年代の半ばに、当時の尾張藩が厳しい森林保護政策をもって護り始めたのが、この森の始まりです。
現在、この森は森林浴発祥の地。
健康増進効果も実証された、美しい木曽檜(木曽ヒノキ)の森をご案内します。
木曽の天然林の歴史
木曽地方の美しいヒノキ林(檜林)は、天然更新された森林ですが、原生林ではありません。とても限られた地域に人の手が加わっていない地域もありますが、現在歩くことができる多くの森林は、我々人間との歴史の中で育まれてきた、貴重な存在です。
赤沢自然休養林を含めた、木曽ヒノキ天然林の歴史を振り返ってみましょう。
木曽地域は古くから良質なヒノキを産出することで知られていました。
平安時代の面や仏像に始まり、神社仏閣の建築材、そして武士の時代になると築城の建築材としても重宝されます。
木曽の寒冷な環境下で育ったヒノキは、非常に緻密な年輪を刻み、同じ径の材木としては格段に強靭で耐久力もありました。
時の権力者たちは豊富な森林資源を擁する木曽地域を直轄領として、より強固な城や建築物を望み、ヒノキをはじめとする木材を使用してきました。
しかし戦国時代が終わり天下泰平の世になると、城下町も大きく育っていきます。江戸時代初期に訪れた建築ブームで木曽の木材は枯渇し、森林資源の危機が訪れました。
国宝五城の一つで、現存する日本最古の木造天守です。木曽川沿いに建つ「犬山城」
昔ながらの佇まいの城下町がノスタルジーを醸し出す。
この時、尾張藩は木曽に材木役所を置き、直轄地として厳しい森林保護政策を敷いたのです。地元の住民が木を伐採することはおろか、入林すら禁じられ、その禁を破ったものは「木1本、首一つ」と呼ばれる処分を受けました。
保護の対象はヒノキに類する針葉樹のほか、ケヤキ、カツラなどにも及びました。代表的な針葉樹を木曽五木(きそごぼく)と称します。この5種類は、ヒノキ、サワラ、ネズコ、アスナロ、コウヤマキを指します。
住民が尾張藩の森林保護に苦しみながらも、森林は回復の道を歩み始めました。明治時代に入る頃には美しいヒノキ林が戻り、伊勢神宮の遷宮用材を産出する神宮備林に指定されます。
そして第2次世界大戦後は国有林に指定され、かつての森林荒廃を経験した赤沢一帯は、奇跡的に伐採を免れてきました。
1970年、全国初の自然休養林として、人と森林の共存を目指す新しい国有林の活用が始まったのです。
【木曽の森林の主な歴史】 国有林野「木曽谷の森林保全」より
1300年代 木曽氏の支配 荘園として管理 林政は不明
1590年 豊臣秀吉、木曽義昌を関東に移封し、蔵入地とする
1600年 徳川家康の直轄領、山村代官を置く
1615年 尾張藩へ譲与
1664年~ 尾張藩の直轄管理、留山制度始まる
1708年 ヒノキをはじめとする針葉樹の伐採禁止
1869年 帝室林野局の管理へ
1945年 第2次世界大戦終了 以後、帝室林野局解体、国有林事業へ
1950年 赤沢国有林に学術参考保護林を設定
1969年 赤沢を第1期の自然休養林に指定
1970年 赤沢自然休養林、開園
伊勢神宮御用材「御神木」
赤沢自然休養林の概要
赤沢自然休養林は、上松町の南西部に広がる針葉樹林です。面積は728ヘクタール、標高は駐車場付近の1080mから、1558mに至ります。
1970年に国内第一期の自然休養林として開園し、1982年には林野庁の提唱した森林浴イベントを初めて開催。1987年からは、木曽森林鉄道の保存運行が始まりました。
年間の利用者数は、平均12万人。開園期間は4月末のゴールデンウィークから11月上旬までで、例年は4月29日に開園、11月7日に閉園というスケジュールが一般的です。今年のゴールデンウイークには、これで以上に大勢の方が来園されました。
11月から4月までは冬期閉園となりますが、ゲートなどはありません。ただし水道施設が凍結のため使用できなくなります。最大で、積雪は1.5m前後に達します。
赤沢自然休養林までのアクセスは、JR上松駅から県道473号線を西に15km。専用路線バスで約30分かかります。園内の駐車場は有料ですが、皆様から頂戴した料金が園内施設の維持管理と遊歩道の整備に活用されています。
森林鉄道は赤沢の開園中は運行されていますが、年に数回、軌道整備のための全面運休日が設定されています。森林鉄道運行予定をご覧いただき、爽やかな森林の車窓をお楽しみください。
2017年シーズンの開園期間は、4月29日(祝)~11月7日(火)の予定です。
赤沢自然休養林へのアクセス
赤沢自然休養林は国有林の中にあるため、通常の番地がありません。住所を記載すると「長野県木曽郡上松町 小川入国有林」となります。
(1)カーナビゲーションで目的地を指定する場合、電話番号検索で次のお電話番号を入力してください。
【時間の目安】 中央道伊那インター・中津川インターから、それぞれ90分
(2) 公共交通機関をご利用の場合、最寄駅はJR東海 上松駅となります。また1つ北の木曽福島駅からも、赤沢行の専用バスが運行されています。
木曽福島駅、上松駅とも、バス停近くの観光案内所で往復チケットを販売しています。
【時間の目安】 木曽福島駅から片道でバス45分、上松駅から片道でバス30分
赤沢自然休養林 各コースの見どころ
赤沢自然休養林には、様々な散策コースがあります。 それでは、各コースの簡単なご紹介を致します。
■「ふれあいの道」 往復2.8km
ふれあいの道は、全線が舗装と木橋で整備されており、車椅子や足に自信のない方でも気軽に森林浴を楽しむことができます。このコースのみ往復となっていて、赤沢橋・森林教室広場から渓流をさかのぼり、丸山渡停車駅まで向かいます。各所に休憩所やあづまやも多くあり、また森林に関する案内板も設置されていて、気軽な森林浴が味わえます。なお、丸山渡停車駅には改札がございませんので、森林鉄道のご乗車は森林鉄道乗場からとなります。森林鉄道には、車椅子のまま乗車できる車両もあります。
■「駒鳥コース」 1周2.7km
駒鳥コースは、ふれあいの道を経由して赤沢の代表的な風景を巡るメインコースです。赤沢橋からふれあいの道を歩き、丸葉橋から分岐。昭和60年の「伊勢神宮御神木伐採跡地」や、渓流の休憩地「呑曇渕」を歩きます。呑曇渕にはトイレもあり、休息を取るには最適。のんびりとお弁当を食べる方の姿も多く見られます。 コースはヒノキ大樹と椹窪を経由して、「床堰」まで戻ってきます。ヒノキ大樹と椹窪のさわら大樹は、この園内でも1、2を争う巨木です。各所の分岐から、他の森林浴コースを組み合わせて歩くこともできます。
■「向山コース」 1周2.0km
向山コースは、ヒノキの根が縦横無尽にからみ合う「走り根」の光景や、中央アルプス木曽駒ケ岳・乗鞍岳の遠望を楽しみながら歩くコースです。6月半ばころには、町花オオヤマレンゲの開花を見ることができます。 赤沢橋を渡り、まっすぐ散策道へ入ります。お天気がよければ、見晴台では乗鞍岳の遠望が、平沢台では木曽駒ケ岳の眺望が楽しめます。散策道は平沢橋から渓流の近くへ進み、オオヤマレンゲの群生する場所を経由して中立橋へ戻ります。
■「中立(なかだち)コース」 1周2.1km
中立コースは、ヒノキやさわら、あすなろの自生の様子が観察できるコースです。中立台までは上り、そこからの帰路は下りになります。中立橋から森林に入ると、間もなく左側へ分岐する案内板があります。そこから中立台へと上り、道中では、ヒノキからあすなろへと変貌する森林や、この地域では珍しいあすなろの母樹などを見ることができます。 中立台からは下りとなり、丸葉橋まで戻ります。この区間では、徐々に地面が湿気を帯びて、さわらが分布していく様子を観察できます。
■「冷沢(つめたざわ)コース」 1周3.3km
冷沢コースは赤沢一帯の最深部を歩き、木曽ヒノキの見事な景観を楽しむことができます。このコースは園地の奥にあり、ふれあいの道を経由して入ります。ふれあいの道の折返し点「丸山渡停車駅」まで進み、そこから本谷橋へ向かって森林鉄道の軌道跡を歩きます。本谷橋を渡って森林に入ると、椹窪までの峠道となります。頂上の冷沢峠では、休養林内でも比較的大きなヒノキが群生しています。また4月下旬には、足元にバイカオウレンの花が星を散らしたように咲き乱れます。 椹窪からは駒鳥コースに合流し、床堰、園地へと戻ります。
■「上赤沢(かみあかさわ)コース」 1周2.2km
上赤沢コースは、天然林と人工林の違いと御嶽山の展望が楽しめる散策コースです。園地駐車場のレストハウス赤沢前の道を渓流沿いに歩き、バーベキューハウスを経由して進むと、遊歩道が折り返して森林へ入ります。ここは人工林で、整えられた木々の姿が見られます。峠の頂上からは赤沢台へ上る道もあり、ここからは御嶽山の眺望が楽しめます。 頂上から下っていくと、椹窪までの区間で天然林の姿を観察することができ、園内では数少ない広葉樹を多数見られます。椹窪からは駒鳥コース、ふれあいの道へと戻ります。景観の変化と季節感の多いコースです。
■「渓流コース」 1周1.5km
一部施設の老朽化のため、現在閉鎖中
渓流コースは、渓流の音を聞きながら歩ける涼しげな森林浴コースです。赤沢橋を渡り、右へ折れて遊歩道に入ります。渓流に沿って歩くコースは分岐もなく、特に夏は地面の湿り気が気化熱を発生し、通常より涼しい風を生み出しています。コースは木曽森林管理署の事業所で車道と合流します。 現在は最短コースですが、下流の姫宮橋までの遊歩道約3kmと接続されており、渓流沿いの散策が楽しめます。
■「渓流コース姫宮ルート」 片道3.5km
一部施設の老朽化のため、現在閉鎖中
赤沢の駐車場から下流へ3.5km延びる、渓流沿いの散策コースです。1本の道程なので、往復するか片道の足(バス停があります)が必要です。他のコースとは縮尺が異なるためご注意ください(パンフレットには掲載されています)。 渓流沿いは赤沢園内でも特に季節感が豊富で、開園時期のアカヤシオやミツバツツジなどの花々、紅葉の時期にはエメラルドグリーンの川面と鮮やかな葉が楽しめます。
■「学術研究路」 非公開ルート
木曽ヒノキ天然林の遺伝子保護や大径樹保存を目的に管理されている、特別なエリアです。観光目的に解放されることはなく、一般で入林できるのは、赤沢森林浴大会でガイドや森林管理署職員が同行し、学習研究を行なう際に限られます。赤沢自然休養林の森林浴大会の情報は、お問い合わせください。
森林浴や森林セラピーについてご案内します。
森林浴って何だろう?
美しい森を見たり歩いたりすると、爽やかだったり、清々しいと感じることはありませんか? この感覚には、自然の風景や香りなど、様々な要素がはたらいています。 植物が発散する「フィトンチッド」と呼ばれる物質や新緑の色彩、澄んだ空気や水など、森林の環境は人々の健康に良い作用があるといわれてきました。実際に森林の中を歩いて、健康増進に活用しようというのが「森林浴」の由来です。
森林浴の誕生は、1982年の日本。そして、初の森林浴大会が赤沢自然休養林で開催されました。
森林浴という言葉が一般的になった頃、それまで漠然としていた健康増進効果が医学的に解明されていきます。これが森林セラピー事業です。
2006年、全国10か所の森林で、世界初の被験者実験が行われました。この調査で森林のリラックス効果が明らかになると、続く翌年、NK細胞による免疫機能の強化・向上が確認されました。
2015年にはアメリカでも森林浴という言葉が報道され始め、森と健康の関係に注目が集まっています。
(千葉大学 日本医科大学 森林総合研究所 森林セラピーソサエティ)
森林セラピー事業で明らかになった、森林浴の効果
森林セラピー事業や、森林浴の健康増進に関する調査では、様々な方法で生理的な調査が実施されています。全国の森林で解明が進む森林浴の健康増進調査のうち、赤沢自然休養林で明らかにされた研究結果をいくつかご紹介します。
2006年の森林セラピー基地認定調査では、男性大学生を被験者として、都市と森林で同じ時間、同じ行動による比較実験が実施されました。内容は心理的なアンケートから身体の反応速度、血圧や唾液中ストレスマーカー測定などです。その結果、都市部と比較して心身ともリラックス状態であることが明らかになりました。特に森林の散策後は、都市と比べて大きくストレスマーカーが減少していました。
翌2007年には、東京から選抜された「お疲れサラリーマン」12名が2泊3日で訪れ、赤沢に滞在しました。この調査では血中成分や尿検査も含まれ、がん細胞に作用する免疫機能の調査など、より臨床的な視点が加わりました。
同じ被験者で都市から都市へ2泊3日の散策旅行をした時には、NK細胞に大きな変化は見られませんでした。ところが森林へ旅行に来ると、3日目の朝にはNK細胞に56%の機能向上がみられ、その効果が4週間後まで持続しつつ、ゆるやかに減少していくことも判明しました。この調査により、予防医療やがんのリハビリなどにも希望が広がりました。
2013年から15年にかけては、千葉大学や日本医科大学の調査研究委員会が編成されて、赤沢で3年間の調査が実施されました。中高年の男女を対象に、生活習慣病や健康増進に向けた可能性を探っています。これらの結果は、2015年から海外の学会誌で発表されています。
赤沢園内には、以上の結果を解説する案内も設置されています。内容を抜粋してご紹介します。
被験者を都市と森林に分けて実施した、心理的状況の調査は?
森林では都市と比べ、混乱や不安、疲労といったネガティブな要素が低くなり、活気が都市より高まりました。
被験者を都市と森林に分けて、1kmの散策をした前後の唾液中コルチゾールの濃度を測定したものは?
コルチゾールは疲労に比例して増えることが分かっていますが、森林では散策により濃度が低下しました。
12名のお疲れサラリーマンが被験者となった調査は?
森林への滞在により、がん細胞を減少させるNK細胞の活性度が高まり、4週間後も持続していました。都市から都市への比較では、変化がありませんでした。
赤沢自然休養林の森林浴メニュー
赤沢自然休養林には、年間約10万人の皆様が訪れています。初めてお越しになるお客様だけでなく、リピーターが多いのも特徴(日本旅行のアンケート調査では、夏休みのリピート率が40%に達しました)。
楽しみ方もそれぞれ。初めて森林浴を試してみたい、という方に、赤沢の散策メニューをご案内します。
滞在時間の目安
(1) 貸し切りバスツアー およそ90分~120分
(2) 森林散策 およそ100分~180分
(3) ガイド付き散策 およそ120~150分 ご希望によって90分前後も可能
(4) 森林セラピー 日帰り健康相談から、1泊2日
1日目、木曽病院の健康診断 2日目、赤沢でガイド付き散策
(5) 森林鉄道だけにご乗車 およそ60分
森林散策
個人団体問わず、赤沢の散策路を歩くためにお越しのプランです。
赤沢の散策コースは、1周2~3km前後。組み合わせることで最長10km前後のコースを設定することも可能です。
森林セラピー
赤沢の散策メニューのうち、特に健康分野のサービスに特化したプランです。
県立木曽病院の協力で、医師が健康診断を行い、ご利用の方々の健康状態に最適な滞在プランを提案します。
長らく闘病され久しぶりに旅を楽しむ方、森林浴の健康増進効果に興味のある方、なにより健康志向の旅行を楽しむ方にお勧めです。
唾液によるストレスチェックもできますので、昨今のメンタルヘルスにもご利用ください。
■まずは体験
「森のお医者さん」健康相談 開園期間中、5月から10月までの水・木・金曜日、無料
医師、保健師、看護師など医療知識のあるスタッフが健康相談に応じます。
他にも「ちょっと専門的に」や「いっそ本格健康診断も」というのもあるので、ご相談ください。
赤沢自然休養林 四季
【春】
雪が解け、新緑の季節を迎える頃。
赤沢自然休養林も春の花々が咲き誇ります。
そしてゴールデンウィークも半ばを過ぎる頃、渓谷の下流からアカヤシオ(右画像)の淡い桃色が並びます。
5月の連休が過ぎる頃から、森はミツバツツジのシーズン。ツツジの仲間はそこから相次いで開花を迎え、ドウダンやツリガネツツジなどが続きます。
木々の新芽が開くと、山々は濃淡様々な緑色に色分けられます。ひのきの森林が日光を好み、広葉樹と共存している姿がよくわかります。
真夏になると緑色は見分けにくくなりますが、この季節の山肌はパッチワークのような賑わいを見せてくれます。
【夏】
赤沢の夏は、6月に入ってから。
ひのきの若葉が、森林を爽やかな芳香で満たし、森林浴に最適な季節が訪れます。
梅雨時は外出を控えたくなりますが、森林浴に最適な森は、実は雨上がりの午前中。地元でも、なかなか狙って訪れることはできません。
木々がたっぷりと水分を蓄え、豊富なフィトンチッドを発散、また香り成分は揮発性なので、早朝の方が豊かな森の香りを楽しめます。気温が上がるに従って、香り成分は上空へ。向山コースなどの中腹を歩くコースでは、午後も香りが楽しめます。
この季節、赤沢で代表的な花は、何といってもオオヤマレンゲ。天女花とも呼ばれ、清楚で純白、とても美しい姿が楽しめます。 開花の季節は6月20日前後から。間違いのない見頃は6月の月末頃になるでしょう。
オオヤマレンゲの花は変化が大きく、3日も経つと黄ばんで美しさを失います。一本の木にいくつも花が咲くので、美しく咲いた花を狙って出会うのが秘訣です。
夏の赤沢には、オオヤマレンゲやヤマアジサイ、ヤマボウシ、ノリウツギなど白い花々が目立ちます。
【秋】
赤沢自然休養林が、森全体でもっとも鮮やかに色付く季節。
赤沢は基本的に針葉樹林なのですが、ひのきは日光を好みます。その性質から広葉樹との相性がとてもよく、背の高いひのきの下に、様々な広葉樹が群生しています。
アカヤシオやドウダン葉は紅色に、シロモジやミズナラの葉は黄色に染まり、赤沢の秋を楽しませてくれます。
紅葉シーズンは、10月10日頃から。夏の暑さや雨の量などにも影響されますので、ニュースや新聞記事をご参照ください。
11月に入ると紅葉シーズンも終焉を迎え、11月7日を目安に赤沢も開園シーズンを終わります。 やがて森林は寒気に包まれ、厳しい冬に向かいます。
【冬】
冬の赤沢自然休養林は、静寂の世界。積雪は多い時には1m50cmに迫り、最低気温は氷点下15℃に達します。
この季節は、すべての施設が閉じています。
現地までのアクセス道路は、国有林の造林作業がない限り除雪されず、近づくこともままなりません。
また厳しい最低気温は水道管を凍結させてしまうため、水洗トイレをはじめとする施設にダメージをもたらします。凍結は埋設深度1m近くに達することがあります。
冬季の赤沢周辺は、オフシーズンのため造林作業が本格化し、また猟期に入っています。入園を妨げるゲートなどはありませんが、遭難すると命にかかわりますので、安易に入園しないようお願い申し上げます。
赤沢森林鉄道
かつて木曽地域で林業が盛んだった時代、運材に住民の足にと親しまれた鉄道がありました。全国で活躍した森林鉄道のうち、国内最後まで現役で運行された、木曽森林鉄道です。
軌道の幅は762mm。JRの線路より狭い軌道は「狭軌、ナローゲージ」と呼ばれ、当時の山間地の輸送手段として最適でした。
やがて木材の輸送手段は鉄道からトラックへ。木曽森林鉄道も、1975年に最後の運行を終えました。それ以後、赤沢自然休養林の森林鉄道記念館で静かな余生を過ごしていたのです。
転機は赤沢園内で開催された、1985年の伊勢神宮御用材伐採。久しぶりに運材に活躍した森林鉄道が全国に放送され、一気に評判になりました。それから2年後、まず夏休みから、樹齢300年の天然ヒノキ林を走る赤沢森林鉄道が運行を始めました。
赤沢森林鉄道は、開園期間中の春から秋まで、園内で運行されています。 もとは博物館の施設なので、運行距離は長くありません。しかし澄んだ水と空気、雄大な美林を縫って走る姿はまさに「森林鉄道」。国内外から多くの皆様に親しまれています。
【赤沢森林鉄道】 往復2.2km 1便当たり5両・定員100名
料金: 大人(中学生以上)800円 4歳~小学生 500円
団体15名様以上 各100円引
夏休みイベント「トムソーヤクラブ村 木曽・上松」期間中は+200円
この期間中は切符ではなく、イベント参加券(木製パス)の販売です。
詳細のお問い合わせは(一社)上松町観光協会 TEL, 0264-52-1133まで
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同)
(一社)上松町観光協会
〒399-5601 長野県 木曽郡上松町 大字上松159-3 上松町観光情報センター内.
TEL, 0264-52-1133
中部森林管理局
〒456-0036 愛知県名古屋市熱田区熱田西町1−20
電話:052-683-9206
追加情報
赤沢自然休養林内 各施設のご案内
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