ZIPANG TOKIO 2020「養蚕を発達させた三階建農家主屋群を特徴とする但馬地域の山村集落『重要伝統的建造物群保存地区』の新規選定」


重要伝統的建造物群保存地区の選定について
文化審議会(会長 馬渕  明子)は,平成29年5月19日(金)に開催された同 審議会文化財分科会の審議・議決を経て,新たに1地区を重要伝統的建造物 群保存地区に選定することを文部科学大臣に答申しました。 この結果,官報告示を経て,重要伝統的建造物群保存地区は,115地区となる 予定です。 
重要伝統的建造物群保存地区の新規選定 
養父市大屋町大杉伝統的建造物群保存地区 兵庫県養父市 選定基準(三)

◎今回の答申における特筆すべきもの
養父市大屋町大杉  伝統的建造物群保存地区  兵庫県養父市
兵庫県北部,但馬地域屈指の養蚕地帯であった大屋川流域の山村集落である。
明治後期 から昭和初期にかけて養蚕の最盛期を迎え,この時に成立した二階,三階を蚕室( さんしつ) とする木造三階建の特色ある農家主屋の一群が,谷川の水を生かした集落の構成を留めながら,社寺建築,石垣,水路等と共に地方色豊かな歴史的風致を良く伝えている。 
 兵庫県内では5地区目の重要伝統的建造物群保存地区となる。 

 
【参考】 
 ・重要伝統的建造物群保存地区の数 


これまでに選定されている「重要伝統的建造物群保存地区」を紹介いたします。


北の海の玄関口の一つである函館は、幕末期から開港場として発展した。函館山の麓には、異国情緒が漂う町並が広がり、その中心部分が保存地区となっている。重要文化財の旧函館区公会堂(明治43年)や函館ハリストス正教会復活聖堂(大正5年)が高台に聳え、港沿いには煉瓦造の倉庫群がひろがり、その間に和洋折衷の独特な形態を持った住宅が点在して残る。


保存地区は、明暦2年(1656)に津軽信英(のぶふさ)が黒石津軽家を創立して以来、浜街道沿いの商家町として栄え、交通の要所でもありました。主屋の前面に庇を張り出し日常の往来に供される「こみせ」と呼ばれる通路は、信英が町割をした時に作らせたものと言われており、人々の努力により連綿と保存されてきました。

高橋家は,藩にも出入りした有力な米穀商で,黒石市街に店を構えている。  宝暦から明和年間に建設された主屋は,切妻造,妻入で,前面に「こみせ」を設け,津軽地方における基準的な商家として重要文化財に指定されている。  下の写真2枚は、宅地奥に並んで建つ米蔵・味噌蔵と文庫蔵は,主屋と同じく江戸後期に建てられた。米蔵・味噌蔵は平屋建,切妻造,文庫蔵は2階建,切妻造,ともに土蔵造,平入で,前面に板壁で囲った庇を付けている。  これらは,主屋と一体となって屋敷構えを形成しており,商家の構成を知る上で貴重である。主屋や土蔵の建設を示す文書計5点も附指定として保存を図る。(青森県黒石市中町)


秋田県仙北市角館は、佐竹藩支藩の城下町に形成された武家屋敷地です。藩政時代の地割が踏襲され、広大な屋敷地に武家住宅、表門、附属建物、板塀等が残っています。国の天然記念物に指定されているシダレザクラやモミ等の樹木が屋敷林を形成し、武家町を特徴づけています。 作品所在地の地図


下郷町は福島県南西部の山間部にあり、大内宿は会津若松と下野今市を結ぶ街道につくられた宿場である。茅葺・寄棟造の主屋が妻面を街道に向け、一定間隔をもって規則的に建ち並び、この地方の宿場の典型的な形態をよく残している。もと中央にあった水路は、街道両側に付け替えられたものの、今なお豊富な水量を誇っている。


保存地区は、白砂川の河岸段丘上に形成された集落であり、近代養蚕技術の移入によって発展した集落です。養蚕の作業場も兼ねる2階あるいは3階建の主屋や農耕地など、山村・養蚕集落として特徴的な町並みを今に伝えています。(群馬県中之条町)


佐原は利根川下流域の物資集散地として、近世から近代にかけてに栄えた河港商業都市である。小野川沿いに「だし」と呼ばれる荷揚用階段が多数設けられ、寄棟造・妻入の町家等が建ち並び、伊能忠敬旧宅(国指定史跡)もある。香取街道沿いには、切妻造・平入の二階建の町家や蔵造の町家等が連なり、大正時代以降の煉瓦造やRC造の洋風建物等も残っている。(千葉県香取市佐原)


加賀橋立は、江戸後期から明治中期にかけて活躍した北前船の船主や船頭が多く居住した集落です。保存地区には往時の様子を伝える船主屋敷が起伏に富む地形に展開しています。敷石や石垣には淡緑青色の笏谷石(しゃくだにいし)が使われ、集落に柔らかな質感を与えています。(石川県加賀市)


赤沢は日蓮宗の身延山久遠寺からその信仰の山である七面山へいたる参道の中程に位置し、諸国から参詣する講の宿として栄えた。西に面した斜面に、等高線に沿って、もと木羽葺の主屋等が密集して建ち並んでいる。かつての旅籠屋は営業を閉じたところもあるが、現在も軒下等に講中のマネギ板を掲げているものがあり、かつての繁栄を伝えている。(山梨県早川町赤沢)



青鬼は白馬村北東の山腹に位置する小規模な山村集落である。江戸後期から明治時代に建てられた15棟の茅葺大型の主屋と土蔵が建つ。集落の東側には約200枚の棚田が広がり、江戸末期に開削された用水路の青鬼堰は今も使われ、周囲の豊かな自然環境と一体となって歴史的景観を形成している。また、集落の屋根越しに、北アルプスを望む雄大な景観が見られる。(長野県白馬村青鬼)


焼津市は静岡市の南側に位置し、高草山等の山々を境に静岡市と接する。東は駿河湾を望み、市域南部は大井川の扇状地である志太(しだ)平野が広がる温暖な気候に恵まれる。花沢集落は山間部の谷地に位置する。地区の中央を花沢川が南北に流れ、川沿いに日本坂峠へと続く旧街道が通る。蜜柑、茶、煙草等を生業とした山村集落である。集落は、川沿いの通り西側に屋敷地を開く。通りに面して石垣を築き、主屋を敷地奥に建て、オード等と呼ばれる作業空間を取り囲むように農作業小屋、季節労働者等の宿泊部屋等の附属屋が取り囲む。狭い敷地を巧みに生かした山村集落を良く残し、我が国にとって価値が高い。


江戸時代、関宿は東海道の江戸から47番目の宿場町として賑わった。東海道の宿場町としては唯一の保存地区で、出入口にあたる東追分から西追分まで全長約1.8キロメートルの宿場町のほぼ全域である。街道に沿って家屋が連続し、旧宿場の規模と雰囲気をよく伝える。塗屋造・真壁造で二階建・中二階建・平屋建など多様な町家が混在し、変化のある町並景観となっている。(三重県亀山市関宿)


五個荘金堂は湖東平野のほぼ中央部にあり、近世には陣屋を中心としてその三方に寺院が配置され、そのまわりに民家と田畑が広がる農村集落が形成された。保存地区には、江戸時代後期から昭和前期にかけての近江商人の本宅群と伝統的な農家住宅が並んでいる。これらに加えて、寺社や周辺の水田が一体となり、優れた歴史的景観を形成している。(滋賀県東近江市五個荘町)


大津市坂本は平安時代より、山側の上坂本が門前町、湖畔の下坂本が荷揚げ港として発展し、中世には近江国最大の都市として繁栄した。近世以降に延暦寺と密接な関係を保って形成された里坊の特色ある建築や庭園、門や当地方独特の穴太衆積みの石垣等が、緑深い樹木や清冽な水路等とともにすぐれた歴史的風致を維持している。


奈良の宇陀市松山は、近世初頭に城下町が建設されて以降、宇陀地方の政治・経済の中心地として発展した。城山と宇陀川の間に南北に長く展開する平入りの町家群は江戸後期から昭和初期にかけて建てられたもので、地区内に流れるせせらぎや、遠近にみえる山々と調和して独特な景観を形成している。


和歌山湯浅町の保存地区は旧市街地の北西に位置し、東西約 400m、南北約280m、面積にして約6.3ヘク タールに及びます。 16世紀末期頃に開発されたといわれる北町 鍛冶町、中町、濱町を中心とする醤油醸造業が 最も盛んであっ た一帯にあって、『通り』と 『小路』で面的に広がる特徴的な地割と、醸造 業関連の町家や土蔵を代表とする近世から近代 にかけての伝統的な建造物がよく残さ れている 地区です。醤油醸造など商工業を中心に発展し た湯浅の町並みは、その重厚な歴史的風致を 今日によく伝えていることから我が国にとって 価値が高いと評価され、平成18年(2006) 12月19日に全国初の醤油の醸造町として、 国の『重要伝統的建造物群保存地区』に選定 されました。 (写真は北町区)



鳥取大山町所子の集落は、大山から日本海に注ぐ阿弥陀川河口から約1.7キロメートル上流の西にあり、川の水利を利用した田畑を生産基盤として発展した農村集落である。重要文化財門脇家住宅を始めとして近世から昭和初期にかけて建築された大規模な主屋や附属屋等からなる農家が群として残り、集落内を縦横に巡る水路、田畑等と一体となった農村景観を形成している。伯耆地方の伝統的な屋敷構えをもつ、大山の豊かな水を活かした農村集落。


島根 石見銀山は14世紀初期に発見されたと伝える。17世紀初頭に産銀量はピークをむかえ、海外にも輸出された。保存地区は約2.8キロメートルの細長い地域で、江戸幕府直轄地石見銀山領約4万8千石、約150ヵ村の中心の町であった。武家屋敷は道に面して門・塀・庭を配した後ろに主屋が建ち、郷宿などの町家は道に面して主屋が建ち、変化に富んだ町並景観を形成している。


落合地区は、険しい東祖谷山村間の祖谷川と落合谷との合流地点より山の急斜面上に沿って広がる集落である。斜面いっぱいに畑地が広がり、そのなかに民家が張り付いている。それを支えるのが伝統的な石垣である。民家は古いもので18世紀にさかのぼり、江戸時代のものも多く、この地方の集落形成をよく伝えている。これらの畑地、民家、石垣で構成される景観は、独特のものである。(徳島県三好市)

筑後川中流域にある吉井は、江戸時代中期以降に、商品作物の栽培・加工及びその集散や、「吉井銀(よしいがね)」と称された有力商人の金融活動などにより、地域経済の拠点として繁栄した。旧豊後街道などの街路に沿って、漆喰塗の重厚な町家が連続する町並は、明治2年の大火を契機に、経済の最盛期であった大正期までにほぼ出来上がったものである。(福岡県うきは市筑後)


 旧鍋島家住宅は,神代城趾東側の旧武家地神代小路の北西端にある,もと神代鍋島家の住宅建築である。  主屋は,中庭を囲んで建つ玄関部,客間部,居間部,家政部で構成され,昭和5年に建てられた。周囲には,明治中期の御座敷,江戸後期の隠居棟,明治後期の土蔵,江戸末期の長屋門が建ち,屋敷構えを形成する。各建物は,和室を基本とし,要所に座敷飾りを備え,天井や板欄間など,各部の造作も丁寧なつくりとしている。  旧鍋島家住宅は,中庭の泉水池を囲う棟構成と,接客及び家政空間を重視した平面構成に特徴がある。また,長崎 雲仙島原地方における代表的な近代和風住宅建築であるとともに,重要伝統的建造物群保存地区に選定された神代小路の特色である武家屋敷の構えを残し,保存地区の中核施設として,高い価値が認められる。


大分県西部に位置する日田市豆田町は、近世初期に建設された城下町から商家町へと変遷した。寛永16年(1639)に幕府の直轄地となってからは、九州における政治・経済の中心地として発展した。南北2本の通りと東西5本の通りによる整然とした町割を残し、各時代で特色ある多様な建築様式は、変化に富んだ町並を形成している。


日向市の南端に位置し、日向灘に面する港町で、古くは神武天皇東征の海路の出発点という伝説がある。江戸時代には瀬戸内や近畿地方からの玄関口として、廻船業を中心に、美々津千軒といわれるほどの繁栄をみた。江戸末期の妻入・本瓦葺・大壁造の町家、明治期の平入・瓦葺でむしこ窓や格子構えの町家が軒を連ねた町並で、地割もよく旧態を保持している。


椎葉村は宮崎県北西部の山岳地帯に位置する。村域の殆どが山林で、集落は深い渓谷の斜面に張り付くように点在する。民家は3~4室の広い部屋が一列に並ぶ細長い平面形式を特徴としている。保存地区は、この地方特有の民家からなる建築群が、谷あいの地に緑豊かな山林に囲まれて、石垣が重なりあう景観とともに優れた歴史的風致を形成している。


薩摩藩は鹿児島城を本城とし、領内各地に外城と呼ぶ行政区画を設け、出水は肥後との国境に配された最大級の外城であった。保存地区は旧武家屋敷地の大部分で、東西路四本と南北路五本の街路を骨格として、碁盤目状の大きな街区を形成する。武家屋敷を構成する伝統的建造物群が、周囲の環境と一体となって麓の特色ある歴史的景観を良好に伝えている。(鹿児島 出水市出水麓)


那覇の西北の海上にあり、周囲は珊瑚礁が発達し、美しい自然を有す。保存地区は渡名喜島の中央の平地に集落を構え、白砂の街路に沿って彫り込みの屋敷地は広がり、周囲の石垣や福木林に囲まれた赤瓦屋根の主屋などが良く残り、地域的特徴を顕著に示す。 


亜熱帯に属する竹富島は、島の中心部にある三つの集落を樹林地、農地、保安林、砂浜、礁瑚、礁縁が同心円状に囲んだ構成である。主屋は、以前は茅葺であったが、今では沖縄特有の赤瓦葺の屋根になっている。珊瑚の石垣や白砂を敷いた街路が、南国風の集落景観を形成している。選定より10年が経過し、保存事業もほぼ半分を越え、着実に集落の景観が回復してきている。


協力

文化庁 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号 電話番号(代表)03(5253)4111

ZIPANG TOKIO 2020

2020年、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。 この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、伝統芸能、行事、風習、ものづくりの技の美等、 サイトを通じて、平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです

もしもこのサイトに同じ思いをお持ちの皆様から、素敵な情報や画像をお寄せ戴ければこの上ない喜びです。以下のEメールアドレスへご連絡下さい。

E-mail aromajinja@gmail.com ( ZIPANG 2020 編集部 )。

2020, will be held the Olympic Games and Paralympic in Tokyo.

On this occasion, for the little-known beauty of the spiritual culture and national land of Japan to the people of the world I think that if we help to re-discover.

Climate, nature of the four seasons, of food, clothing and shelter cultural beauty, traditional arts, events, customs, beauty, etc. of the work of making things,

Through the site, peaceful country, a strange country, if the interest is more depth or round to ZIPANG Japan, is where I want secretly.


写真ご協力:高山祭(高山市)/ 富士山(富士市)

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2020年、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。 この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、伝統芸能、行事、風習、ものづくりの技の美等、 サイトを通じて、平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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