鹿島神宮は、日本建国・武道の神様「武甕槌大神」を御祭神とする、神武天皇元年創建の由緒ある神社である。
国宝・楼門
鹿島神宮の御祭神「武甕槌大神」は、神代の昔、天照大御神の命を受けて香取神宮の御祭神である経津主大神と共に出雲の国に天降り、大国主命と話し合って国譲りの交渉を成就し、日本の建国に挺身されました。
現在の社殿は徳川二代将軍の秀忠により、また奥宮は徳川家康、楼門は水戸初代藩主徳川頼房により奉納されたもので、いずれも重要文化財に指定されている。
鹿島神宮の例祭は毎年9月1日に行われますが、うち6年に一度は天皇陛下の御使である勅使が派遣される勅祭となり、さらにそのうち2回に1回、すなわち12年に一度の午年には、水上の一大祭典である御船祭も斎行されます。
祭典・行事
鹿島神宮では年間90を超える祭儀が行われ、祭頭祭や白馬祭、流鏑馬など特徴のあるお祭りも数多く行われる。
御船祭の由緒
常陸国風土記に「毎年七月に舟を造りて津宮に奉納する」とあるように、鹿島の神と船との関係は創建時代にまで遡る。
東路の果てに位置する鹿島はその昔、外海の太平洋と西の内海の中で船団の航行によって栄えた古代東国文化の要衝でした。御船祭は、東海を扼する鹿島に鎮座して関東の開拓鎮撫に当たる鹿島の大神を奉ずる当時の人々の足跡を伝える祭であり、およそ1700年前の応神天皇の御代より伝わる鹿島神宮最大の祭典なのです。
12年に一度の午年に斎行されるのは、十二支が一巡すること、また午は方角では南、時刻では正午と陽性が最も盛んであることから来ています。この大祭にはあらゆる邪気と不景気を祓う一陽来復の願いが込められている。
御船祭の見どころ
御船祭はその壮麗さとその規模共に鹿島神宮最大の祭典であり、内海での御船祭としては最古最大の祭典ですが、その見どころは以下の通りである。
まずは9月1日午前10時、勅使をお迎えしての例祭が厳粛に斎行されます。そして午後4時半より提灯まちの神事があり、大きな青竹にたくさんの提灯をつけた大提灯が勇壮に練り歩き奉焼され、その後午後8時より神幸祭が斎行、御分霊を奉戴した御神輿が行宮へ渡御します。
9月2日午前8時、行宮御発輿祭の後、約2千名の供奉員による「鹿島立ち」の陸上大行列があり一路大船津へ。北浦沿岸の大船津には昨年竣工した水上鳥居としては国内最大級の一之鳥居がありますが、そこに設置された桟橋を通って御神輿が鳥居をくぐり御座船へと進む様は見どころの一つでしょう。これに先立ち大船津では様々な奉祝行事が行われ祭りを盛り上げます。御発船祭の後、御神輿を奉戴した竜頭で飾り付けた御座船は八十余隻の供奉船を従えて鰐川から浪逆浦を経て香取市加藤洲の斎杭まで進みます。その間の船団渡御は約2時間を要します。拝観は大船津より南へ伸びる堤防、新田、谷原、鰐川の両岸の堤防が良いでしょう。正午頃、香取神宮による御迎祭があり、対岸の潮来河岸では、奉迎者の前で奉祝行事が賑やかに行われます。御迎祭を終えると船団は一路帰途へつき、午後4時半に楼門前にて行宮御着輿祭が執り行われます。このように、9月2日はその全てが見どころと言る。
9月3日午前10時には行宮祭を斎行、そして午後3時には御神輿を本宮に還御する還幸祭が行われ、12年に一度の大祭は終りを告げる。
この他、大祭を盛り上げるべく様々な奉祝行事が行われるほか、祭り期間中町内では山車が引き出され祭りを彩る。
前回の御船祭は平成26年9月1日から3日にかけて、天皇陛下の御遣いである勅使をお迎えしての例祭に続き、鹿島神宮の御祭神である武甕槌大神が約3,000人の大行列・約120艘の大船団と共に巡幸して香取神宮の御祭神である経津主大神と水上で出会う、12年に一度の御船祭が斎行されました。
御船祭最初の御座船清祓式から約1週間後には鹿島神宮奥参道において鹿嶋流騁射(うまゆみ)が行われる。
次回の御船祭は2026年の斉行予定です。
あと9年、あっという間に過ぎてしまうような気がしています。
リニア中央新幹線が開通すると東京~名古屋間は40分です。今のところ開通予定は2027年、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックも終り、さらにその頃には、現在計画中の2025年の大阪万博が開催されれば、それも終了しており、今のところ公共の巨大プロジェクトもなく、工事が早く進めば、中部や関西からも短時間で行くことが可能になり、忙しい方たちにとっても朗報である。
また、時間に余裕のある方たちは、周辺の神社仏閣や観光地を巡られるのも良いかと思います。
リニアで行ってみたいですね。因みにリニアの名称は「白鹿」が良いですね!
年間の祭典・行事
鹿島神宮では年間約90の祭典が執り行われているほか、武道にまつわる催しや当地ならではの特色ある年中行事が行われています。
それでは最後に、鹿島神宮のたくさんある祭典・行事の中で気になったものをいくつか紹介いたします。
6月30日(金) 午後3時 夏越大祓式
夏越大祓式は1月から6月までの罪穢れを祓う神事です。
参列者は事前に小さな紙の人形(ひとがた)で身体を撫で、さらに息を三度吹きかけて心身の罪穢れを移します。当日、神職および参列者は祓戸で祓を受けたのち茅の輪の前に参集し、神職・参列者ともに大祓詞を奏上の後に茅の輪くぐりを行います。その後、人形は御手洗川に流し清められます。
※6月1日から境内に茅の輪が設置され、どなた様もくぐることができます。またこの期間、大祓用の人形と無病息災・延命長寿祈願の茅の輪守りが授与されます。
9月1日(金) 午前10時 例祭
鹿島神宮で行われる年間祭儀のうち最も重要な祭典です。6年毎の子年・午年には宮内庁より勅使の参向があり、今上陛下の大幣帛が鹿島神宮の大前に奉られ勅使により御祭文が奏上されます。また、その他の年も宮内庁より御使が参向されるほか、神社本庁献幣使・責任役員総代会長・行政首長・香取神宮宮司を始め、県内外の神社関係者・氏子崇敬者約500名が参列します。
「大変申し訳ありませんが、この時間は本殿前広場にお入りいただくことはできません」とのことですご注意ください。
9月1日(金) 午後4時半頃 提灯まち
9月1日夕刻、各家庭から奉納される小提灯や、大船津をはじめとした各区・団体から奉納される、青竹に数百の提灯をつけた大提灯十数基が、鹿島の神の渡御の道筋を照らします。表参道の賑わいの中を進んできた大提灯が、楼門前の銚場で麦わらの火にくべられて焼納される様はなかなかの迫力です。
9月1日(金) 午後8時 神幸祭
神幸祭とは、神社の御分霊を御神輿などに遷して氏子地域を巡幸するお祭りで、全国各地で見られる神社の祭りの基本の形です。
鹿島神宮においては、夜8時の発輿祭の後に本殿より出御した御神輿が平井地区の与丁に担がれ、鹿島新当流・鹿島神宮流鏑馬隊に周囲を警固され、神職を始め多くの氏子崇敬者からなる供奉員を引き連れて楼門、大鳥居、表参道である大町通りを進みます。そして最後は楼門そばの行宮でお鎮まりになります。
9月2日(土) 午前10時 行宮祭
御祭神の御神幸における御旅所(行宮)での祭儀です。神前に神饌が供され宮司が祝詞を奏上、神前では巫女による神楽舞と鹿島踊り保存会による鹿島踊りが奏せられます。
9月2日(土) 午後3時 還幸祭
御神輿が出立する神幸祭に対し、御神輿が帰路につき御分霊が本殿にお戻りになる祭儀を還幸祭としています。行宮を出立し小宮作地区の与丁に担がれた神輿は供奉行列を従えて本宮本殿に進みます。この祭りをもって、例祭に始まる一連の祭儀は終幕します。
9月22日(金) 午後6時 祖霊社合祀祭
浄暗の中新たな御霊を祖霊社へ合祀する祭典で、秋分の日の大祭前夜午後6時より招魂の儀、遷霊の儀等の祭典が執り行われます。前年の秋に権殿に合祀された御霊は本殿へ、新たに加わる御霊は権殿へ奉斎致します。
9月23日(土) 午前8時 秋分祭
昼と夜の時間が同じとなる「秋分」に執り行われる祭儀です。
祭儀に先立ち皇霊殿遥拝式が執り行われ、本宮本殿で秋分祭の祭儀が行われます。
9月23日(土) 午前10時 祖霊社大祭
秋分の日、午前10時から行われる鹿島祖霊社の大祭です。
東京成蹊学園に祀られていた鹿島神社の社殿を昭和21年に移築し、昭和22年6月に氏子区内戦没者の御霊を中心に物故者の奉斎が開始されました。鹿島祖霊社では秋の大祭のほか、毎朝の日供祭、毎月1日の月次祭、春の春分の祭典を謹んで斎行しております。
未定 午前9時 日本古武道交流演武大会
本大会は日本古武道協会の加盟団体を対象に互いの親睦と技術向上を目的とし、日本独自の伝統文化の保存と継承に寄与するという趣旨のもと立ちあげられました。平成22年から鹿島神宮で実施されています。
これまでの参加団体一覧
鹿島新當流剣術(茨城県)/沖縄剛柔流武術(沖縄県)/鐘捲流抜刀術(岡山県)/心形刀流剣術(三重県)/伯耆流居合術(兵庫県)/大東流合気柔術 琢磨会(大阪府)/タイ捨流剣法(熊本県)/宝蔵院流高田派槍術(奈良県)/竹生島流棒術(滋賀県)/當田流剣術(青森県)/円心流居合据物剣法(大阪府)/気楽流柔術(群馬県)/関口流抜刀術(熊本県)/心月無想柳流柔術(兵庫県)/柳生新陰流兵法剣術(愛知県)/直心影流薙刀術(奈良県)/北辰一刀流剣術(茨城県)/荒木流拳法(群馬県)/鞍馬流剣術(東京都)/琉球王家秘伝本部御殿手(大阪府)/無雙直傳英信流居合術(東京都)/立身流兵法(千葉県)/金硬流唐手・沖縄古武術(沖縄県)/為我流派勝新流柔術(茨城県)/神道無念流剣術(東京都)/天神真楊流柔術(埼玉県)/無比無敵流杖術(茨城県)/大東流合気柔術(東京都)/荒木流軍用小具足(埼玉県)/天然理心流剣術(東京都)/長谷川流和術(埼玉県)/天真正伝香取神道流剣術(千葉県)
前日には異なる流派の門人たちが互いの技術を披露する「技能交流会」が鹿島神宮の武徳殿にて実施されています。
10月17日(火) 午前10時 神嘗奉祝祭
伊勢の神宮で最重儀とされる皇祖天照大御神に新穀の大御饌を奉る神嘗祭が16日夜より17日朝にかけて行われるのに合わせ、当宮でも神嘗奉祝祭を斎行し、伊勢の神宮を遥拝しています。
11月1日(水) 午前10時 奥宮秋祭
11月は1日の月次祭に続いて奥宮秋祭が、さらに境内・境外それぞれに鎮座する摂末社の秋祭りが2日から6日まで行われます。
11月2日(木) 境内摂末社秋祭
境内の摂末社(11社)の秋祭が斎行されます。
摂社:高房社・三笠社
末社:熊野社・熱田社・稲荷社・須賀社・津東西社・御厨社・年社・大黒社・祝詞社
相撲祭
鹿嶋市宮中地区の各地区が毎年持ち回りで奉仕しているお祭りです。まず所役により「相撲古事記」が奉読され、鹿島の神と相撲のおこりが観衆に述べられ、土俵の上では10歳以下の童男が化粧廻を締めて実際に取り組みを行います。なお、慣例として子供たちの勝敗は決めず、いずれも引き分けとすることが習わしとなっています。
11月3日(金) 跡宮秋祭
鹿嶋市神野に鎮座する摂社・跡宮の秋祭りです。
11月4日(土) 坂戸・沼尾社秋祭
鹿嶋市沼尾に鎮座する摂社沼尾社・同山之上に鎮座する摂社坂戸社の秋祭です。
11月13日(月) 息栖神社祭
神栖市息栖に鎮座する境外摂社・息栖神社の秋祭が斎行されます。
11月23日(木) 午前10時 新嘗祭
天皇陛下が新穀を召し上がるのに合わせて、日本全国の各神社も新穀をご神前へお供えし、国民も共に豊作の喜びを分かち合うお祭りです。鹿島神宮では氏子崇敬者からの奉納品が神前に供えられるほか、春の御田植祭で子供たちにより神饌田に植えられた稲が大前に献じられます。
また当日は氏子青年かなめ会・敬神婦人ともえ会の協力により餅つきが行われており、季節がら七五三詣でに訪れた子供たちが楽しそうに餅つきをする姿が見うけられます。
12月1日(金) 午後1時半 煤祓い神事
鹿島神宮で新年を迎えるための始めの行事がこの煤祓い神事です。「オスス竹」と呼ばれる竹を手に、神職と巫女が本殿以下社殿一群と楼門を巡ります。これにより一年の埃と煤が祓い清められます。鹿島神宮ではこの行事から新年を迎える準備が本格的に始動します。
12月20日(水) 午前10時 宮贄祭
御祭神に一年の感謝を込めて、通常の神饌に加え甘酒と背開きにした鯉をお供えするお祭りです。近代以降、鹿島神宮では大祭・中祭・小祭の違いこそあれ神饌の品目は大同小異であり、こうした中にあって宮贄祭とその神饌の在り方は往時の神祭りを知るうえで貴重な存在であるといえます。
12月23日(土) 午前10時 天長祭
今上陛下の誕生日を奉祝するお祭りです。
天皇陛下のお御誕生日にあたって国民が慶祝の意を表するとともに聖寿の万歳と国家の長久を祈念する祭祀です。祭典では皇室の弥栄と国家の発展・平和が祈られる祝詞が神前に奏上されます。
12月31日(日) 午後3時 年越大祓式・除夜祭
年越大祓式は一年間の罪穢れを祓う神事です。神職および参列者は祓戸で祓を受けたのち本殿前の祭場に参集し、一同大祓詞を奏上します。参列者は小さな紙の人形で身体を撫で、さらに息を三度吹きかけて心身の罪穢れを移します。そして人形は神事の後、御手洗川に流し清められます。
除夜祭は大祓式に引き続き行われ、行く年の無事に感謝し来る年の安寧と益々の繁栄を祈ります。
1月1日(月) 午前6時 歳旦祭
元旦に、宮中および全国の神社で、皇室ならびに国民の繁栄と農作物の豊作を皇祖・天神地祇に祈願するお祭りです。
1月3日(水) 午前10時 元始祭
もとは宮中三殿で天皇自ら皇位の元始を祝い、皇祖以下祖霊や諸神をまつる祭儀でしたが、現在では全国の神社でも行うものと定められています。
1月7日(日) 午後6時 白馬祭
かつて新年最初に本殿の御扉を開けるのに合わせて馬を曳き廻した祭りが今に伝わっています。年のはじめに白馬を見れば年中の邪気を祓うという言い伝えがあり、その後御神馬が踏んだものを持っていると心願が叶うとも言われるようになり、多くの参拝者がハンカチを地面に敷いて、神職の賑やかな笏拍子と神楽太鼓の音と共に進む御神馬の足取りを見守ります。
当日には七草粥と甘酒が振る舞われます。
まだまだ、お伝えしたいことは沢山ありますが、夜も更けましたので、今回はこれにて終了いたします。もうすぐ梅雨入りです、梅雨が明けたら緑豊かな鹿島神宮にお出かけください。きっと美しい深緑が皆様を迎えてくれるに違いありません。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
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鹿島神宮 〒314-0031 茨城県鹿嶋市宮中 2306-1 TEL 0299-82-1209 FAX 0299-82-1625
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