ZIPANG TOKIO 2020「慈恩寺は弥勒堂を中心として最上院・宝蔵院・華蔵院の三か院、それに付属する48坊からなる一山組織の寺院であった。現在は三か院17坊である」

山門(仁王門) 【山形県指定文化財】 両側には密迹(みっしゃく)金剛・那羅延(ならえん)金剛を安置。
設置年月日:元文元年再興(1736年) 公開の有無:随時(自由に見学ができる) 指定年月日:平7.12.8 員数:1棟 【構造及び形式】 下層 桁行3間(10.06m) 中央間4.55m/左脇間2.76m/右脇間2.76m/梁間2間(5.51m) 三間一戸、八脚門、楼門形式、入母屋造、茅葺 附 棟札一枚 元文元年の記があるもの

先の三重塔は慶長13年、山形城主・出羽守源義光公によって建立。 250年を経て文政6年、隣家の火災により類焼し、大工棟梁の当山布川文五郎により文政13(1830)年に再建されました。方三間四面、高さ8丈8尺、屋根下5丈8尺、九輪3丈、本尊は金剛界大日如来。
県重要文化財指定年月日:平7.12.8 員数:1棟 構造及び形式:初層 中央間1.92m 左脇間1.60m 右脇間1.60m 二層 桁行、梁間4.67m 三層 桁行、梁間4.24m 木造、柱間三間、亜鉛鉄板葺 附 棟札一枚 文政十一年の記があるもの 

本堂(弥勒堂) 【国重要文化財】 元和2(1616)年、山形城主・最上家親の代に建立が始められ、元和4(1618)年に完成した。
境内には、重要文化財の本堂をはじめ三重塔・薬師堂などが建立され厳かに時を刻んでいます。 平安・鎌倉時代の仏像群は、我が国の仏教美術の至宝として重要文化財の指定を受け、また、5月5日に奉奏される慈恩寺舞楽は、重要無形民俗文化財となっています。 平成26年10月に慈恩寺旧境内を含むエリアが国史跡として指定されました。 

慈恩寺の「稚児桜」花の数が200~300枚ある桜できれいで珍しい。毎年5月始め頃に咲き始める。

薬師堂の風景。6月20日過ぎには田沢川にほたるが飛び始めます。

慈恩寺の境内の一角に設けられた休憩所。暑い盛りも大木が木陰をつくり護ってくれています。



慈恩寺の歴史 

慈恩寺の草創

寺伝によれば、神亀元年(724年)、僧基薩が諸国巡錫の砌、慈恩寺の景勝なるを見て都に帰り、聖武帝に奏上し、勅命によって印度僧婆羅門僧正が天平18年(746)精舎を建立して開基したのが慈恩寺の初まりであると書かれている。しかし、これはあくまで寺伝として受け止めるべきであろう。最近の調査で慈恩寺の歴史が少しずつ明らかになって来たのは平安後期からである。

京文化の移入

慈恩寺は、平安後期に摂関家の荘寺的性格の寺院であったため、京文化が直接入って来た。それはこの期の仏像群が雄弁に物語っている。仏像は重文の阿弥陀如来を初め、30体を数えるが何れも中央で造られた優れた仏像である。これらの背景には摂関家の藤原氏があったからに外ならない。鎌倉以降においても現在の仏像は殆ど中央仏師の手になるものである。

慈恩寺の宗教

伽藍記によれば、仁平年中(1151-53)奈良興福寺の僧願西上人が本願となって来山したとあり、これは興福寺が藤原氏の氏寺で」あったから派遣されたものである。興福寺は法相の寺であった。慈恩寺という寺号も法相宗の祖慈恩大師から来たもので、慈恩寺はその頃からすでに法相の寺院であり、法相寺院で通例とする弥勒菩薩を本尊とした。平安後期の慈恩寺の宗教は法相を主流とし、外に天台などの影響もあったものと思われる。それは常行堂や鎮守としての白山権現、金剛蔵王などを祀ったことによって覗われる。鎌倉時代の初頭、後白河院の院宣や右大将源頼朝の下文をもって弘俊阿闍梨が慈恩寺に来山して正式に真言宗が入ってきた。と同時に修験も入り、葉山との関係も生まれて来たと考えられる。室町時代になると時宗の宝徳寺や松蔵寺も入り、慈恩寺の宗教は法相のみならず、天台、真言、時宗と多くの宗旨が併存した。今日でも法会は法相の法式で行われている。鎌倉時代以降は真言が主流であったであろうが、必ずしも一宗に統一するということはなく、現在の残っている阿弥陀堂の前仏宝冠の弥陀の如きは天台宗で信仰されるものであるから真言のみではなかったといえる。室町の末、大江氏が滅亡すると、これに代わって最上氏が庇護を加え、三重塔や本堂の建築も行われたが、元和8年(1622)最上氏が改易になると、別当坊最上院は江戸幕府の陰の実力者天海僧正に取り入って天台宗に改宗しようとした。これに対して真言方学頭宝蔵院、同華蔵院が反対し、長年に亘って抗争を続けた。寛永19年(1642)慈恩寺は天台真言両宗兼学の一山となった。終戦後一山は宗教法人として独立し、本山慈恩寺と名乗り、慈恩宗となって現在に至っている。

慈恩寺の寺領

平安後期には、寒河江荘の荘園主である藤原氏から、供料としての土地が寄進されたものと考えられる。大江氏になってからもそれらを安堵したであろうし、更に寄進の土地もあったと思われる、川向かいの八鍬郷が寺領であったことは、南北朝の文書にある。従って、八鍬郷はそれ以前から弥勒領となっていたものであろう。室町時代の応永2年(1395)には、慈恩寺衆徒が弥勒堂の神輿を箕輪郷に振置きして、箕輪郷を寺領としたという。こうして、江戸時代には寺領は18か村にまたがり、寛文5年(1665)には御朱印高2812石3斗余を幕府から与えられた。東北最高であった。

明治維新後御朱印が停止され、年々逓減録が支給されたが、それも明治14年には打ち切られ、一山は窮乏の渕に沈み、帰農する坊が続出した。しかし、今慈恩寺は重文の本堂を初め、数多い優れた国、県、市指定の文化財を擁して、古代文化の聖地として再生の道を歩んでいる。




慈恩寺の建造物

慈恩寺正門 (山形県指定文化財) [山門『仁王門』] 両側には密迹(みっしゃく)金剛・那羅延(ならえん)金剛を安置。二層を楽屋として本堂に向かって舞台が組まれ、5月5日の慈恩寺舞楽が行われる。

本山慈恩寺本堂(国重要文化財)

慈恩寺三重塔(県指定文化財)

慈恩寺釈迦堂(市指定文化財)


慈恩寺の仏像

阿弥陀如来坐像(平安時代)〔国指定重要文化財〕

阿弥陀如来立像 歯吹きの弥陀(鎌倉時代)〔山形県指定文化財〕

聖観音立像(鎌倉時代)〔山形県指定重要文化財〕

聖徳太子立像(鎌倉時代)〔山形県指定重要文化財〕

薬師三尊像 日光・月光菩薩 (鎌倉時代)〔国指定重要文化財〕

十二神将 子神将(鎌倉時代)〔国指定重要文化財〕

十二神将 丑神将(鎌倉時代)〔国指定重要文化財〕

十二神将 寅神将(鎌倉時代)〔国指定重要文化財〕


上記以外にも多数の慈恩寺関係文化財があります。


修正会(しゅしょうえ)

日時:毎年1月1日(元旦) 10時~ 法華懴法と初夜行・後夜行で、国家安泰、五穀豊穣を祈念、続く牛王加持で宝印の加持祈祷を行います。一般の祈祷も受け付けます。

大般若会(だいはんにゃえ)

日時:毎年2月 第1日曜日 13時30分~ 大般若経六百軸を転読し、国家豊楽、息災延命、諸願成就等を祈念します。一般の祈祷も受け付けており、進学祈願者も多く見られます。

濫觴会(らんじょうえ)

日時:毎年5月4日 20時~ この日から一山の年度が始まります。年に一度宮殿の扉が開かれ、住職が中に入り諸仏の塵を払い祈念します。その間山門楽屋より楽が奏され、深夜の境内に荘重な音が響き渡ります。

一切経会(慈恩寺舞楽)

日時:毎年5月5日 13時30分~ 楽の音を合図に三か院より住職が出仕し、本堂にて弥勒法一座を修し、舞台上では声明を唱えます。引き続き、慈恩寺一山衆と林家が慈恩寺舞楽八番の舞を披露します。(国指定重要無形民俗文化財指定)

一切経とは仏教すべての経典を意味し、これを読経する一切経会が5月5日に行われます。 引き続き奉奏される慈恩寺舞楽は、林家に伝わる一子相伝1200年の伝承をもつ国指定重要無形民俗文化財です。 燕歩・散手・太平楽・二の舞・陵王などの八番が、林家と慈恩寺一山衆によって奉奏されます。

御影供(みえく)

日時:毎年5月第3日曜日 真言宗開祖、弘法大師空海の入定日に勤修する法会。偉大な大師の遺行を偲び、終了後参詣者一同「入定和讚」を唱え、桂会による伝統料理を味わう

柴燈護摩会(さいとうごまえ)

日時:毎年9月 第2日曜日 10時~ 一山衆徒による修験行法。護摩札の祈願文を読み上げながら火炎に投入します。法螺貝の音を合図に本堂前から山中の護摩炉に登り、柴に点火します。一般の祈祷も受け付けます

除夜の鐘

日時:毎年12月31日(大晦日) 大晦日の慈恩寺の除夜の鐘。毎年たくさんの方が除夜の鐘をつきに訪れます。毎年大晦日の夜に奉送されるNHKの「ゆく年くる年」でも紹介されました。

慈恩寺鐘楼

本堂内陣


慈恩寺の行事

慈恩寺「散策と歴史を学ぶ」2コースのご案内

5月から10月まで、全12回開催します。

春・夏・秋の景観を堪能できます!

行事のお問い合わせ

慈恩宗本山慈恩寺
TEL.0237-87-3993 FAX.0237-87-4012


本山慈恩寺東北三十六不動尊第一札所

三十六不動尊第一札所

不動尊内には大勢の信者の願いごとの護摩木がおさめられている。


一切経会 慈恩寺舞楽

5月4日(月)夜8時~濫觴会 荘厳な雰囲気の中、年に一度だけ宮殿の扉が開かれる。静寂の闇に弥勒尊の慈愛に包まれるかのように読経の声と雅楽が響きわたる。 5月5日(火)昼1時30分~一切経会 出仕~法楽~舞楽


慈恩寺柴燈護摩会

「天下泰平」「国家安穏」「五穀豊穣」を願い、慈恩寺修験の山伏が御祈祷いたします。
(参加費無料、ただし護摩木希望の方は1、000円にて御札、延命箸付き)


本山慈恩寺 閼伽井戸覆屋

平成25年7月大雨で閼伽井戸覆屋が倒壊しました。26年10月29日、立派に完成しました。


慈恩寺鐘楼

慈恩寺鐘楼土手も見事に復旧。


慈恩寺の拝観案内や祈祷のご案内

拝観受付 8:30~16:00 (年中無休)

拝観料       500円 (15名様以上300円)


慈恩寺大晦日花火大会 雪月華

一年の終わりを告げる除夜の鐘を聞きながら、冬の夜空に広がる大輪の花火が楽しめます。約600発の花火を打上げ、本堂に続く仁王堂坂のライトアップも行います。



交通アクセス・マップ

JR左沢線 羽前高松駅から徒歩20分

JR左沢線 寒河江駅から車12分

山形自動車道 寒河江ICから車15分

山形空港から車20分


鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使


協力(順不同・敬称略)

慈恩宗本山慈恩寺
〒990-0511 山形県寒河江市大字慈恩寺地籍31番地 TEL.0237-87-3993

一般社団法人寒河江市観光物産協会
〒990-0523 山形県寒河江市大字八鍬字川原919-6 TEL.0237-86-8866

文化庁 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号 電話番号(代表)03(5253)4111

日原もとこ 東北芸術工科大学名誉教授 風土・色彩文化研究所主宰 まんだら塾塾長




ZIPANG TOKIO 2020

2020年、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。 この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、伝統芸能、行事、風習、ものづくりの技の美等、 サイトを通じて、平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです

もしもこのサイトに同じ思いをお持ちの皆様から、素敵な情報や画像をお寄せ戴ければこの上ない喜びです。以下のEメールアドレスへご連絡下さい。

E-mail aromajinja@gmail.com ( ZIPANG 2020 編集部 )。

2020, will be held the Olympic Games and Paralympic in Tokyo.

On this occasion, for the little-known beauty of the spiritual culture and national land of Japan to the people of the world I think that if we help to re-discover.

Climate, nature of the four seasons, of food, clothing and shelter cultural beauty, traditional arts, events, customs, beauty, etc. of the work of making things,

Through the site, peaceful country, a strange country, if the interest is more depth or round to ZIPANG Japan, is where I want secretly.


写真ご協力:高山祭(高山市)/ 富士山(富士市)

ZIPANG TOKIO 2020

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