いよいよ総選挙の火ぶたが切られようとしている。「AKBの?」今や、18歳になる若者たちは総選挙というと「AKB」と答えが返ってくる時代、その時代に突然降ってわいたように総選挙。
「解散総選挙」だよ、と大きな声で言うとあくまで、「AKB解散したの?」言われてみれば、そういうおじさんたちも似たようなものかもしれません・・・
そんな中、昨年に続き上野では、秋風を吹っ飛ばすようなアートの祭典が開催する。
上野文化の杜「TOKYO 数寄フェス 2017」である。
現代の匠、アートの天才たちが、匠の技を競う。きっと五百年後、千年後にはこの時こそ日本の伝統の新たな始まりと言われているに違いないと思う。
鎹八咫烏 記
アート、世界をひらく鍵。
『TOKYO 数寄フェス 2017』開催のご案内
日比野克彦+海部陽介、大巻伸嗣、橋本和幸 ほか、アーティストによる
インスタレーションやイベントを開催!
上野恩賜公園を舞台に、アートで日本文化を世界に発信し、開催 3 日間で 32 万人強の来場者で賑わった昨年の「TOKYO数寄フェス」。今年はディレクターも新たに、アートが公園を飛び出して街中にも展開。さらに会期を10 日間に延長して開催する。
世界最高水準の文化芸術都市の未来を創出するため、アートのチカラで上野がつくり出した価値を再認識し、公共空間である公園を進化させ、世界とつながり、多様性から生まれる新しい価値を創造しつづける。
『TOKYO 数寄フェス 2017』開催概要
名称 :TOKYO 数寄フェス 2017
期間 :2017(平成 29)年 11 月 10 日(金)~ 11 月 19 日(日) 10 日間
実施場所 :上野恩賜公園(不忍池一帯、噴水前広場 ほか)、東京国立博物館、
東京都美術館、東京文化会館、谷中地域 ほか
参加アーティスト:日比野克彦+海部陽介、大巻伸嗣、橋本和幸、鈴木太朗 ほか(順不同)
ディレクター :住友文彦(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授・アーツ前橋館長)
主催 :上野「文化の杜」新構想実行委員会
アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
後援 :東京都東部公園緑地事務所
協賛 :株式会社伊藤園、株式会社ぐるなび、株式会社 NKB、公益財団法人日本交通文化協会、株式会社精養軒
✳平成 29 年度 文化庁文化芸術創造活用プラットフォーム形成事業
✳平成 29 年度 台東区 上野「文化の杜」新構想事業
『TOKYO 数寄フェス』とは
1876(明治 9)年 5 月に日本初の公園として上野恩賜公園が開園して以来、博物館、美術館、芸術大学、動物園、音楽ホールなど多くの重要な文化施設が一つの公園一帯に集まり、世界でも類を見ない文化芸術拠点が集中するエリアとして発展してきた上野。この地に関わりのある機関・団体が相互に協力し、「上野文化の杜」という連携組織を作り、日本文化と芸術を国内外へ発信する様々なプロジェクトを展開しています。その活動の一環として、昨年 10 月『TOKYO 数寄フェス』 を上野で3日間にわたって開催しました。
近代日本美術の発展に大きな功績を残した岡倉天心が茶の湯の文化を通して日本の文化芸術の精神を紹介した『茶の本』の思想を背景とし、上野恩賜公園敷地内に広がる様々な文化施設を舞台に、天心が同書で語った《数寄》という言葉を軸にアート作品やワークショップ、コンサートを展開。 日本や東京を「数寄(=好き)」になるコンテンツを、32 万人が体感しました。
歩行者天国の懐かしい写真
ディレクターからのメッセージ
上野で、何かが蠢 (うごめ )いている。
歴史の地層が積み重なり、ミュージアムや大学が集積しているこの地に刻まれた時間の垂直軸に、横から揺さぶりをかけている者たちがいる。それは展示室やアトリエを飛び出したアーティストたちである。この感性を形にする者は、AI 万能時代を生き抜く能力を持ち、他の人たちが見ていないものを見ることができるだろう。彼らがおそらく世界でも稀なほど濃密な「公共空間」を切り裂く、作品の設置やプロジェクトの実施を今年もおこなう。今年は、昨年の 3 日間のイベントが 10 日間の作品設置になり、かつ上野公園を出て谷中地区で海外の若手アーティストや地域との協働をおこなう。それは、上野の文化ポテンシャルと新しい創造力が結びつく試みになるはずだ。
かつてグローバル化の荒波が押し寄せた日本から、独自の文化を発信した岡倉天心は茶の湯を取り上げた。その著作の中で、「真の美はただ『不完全』を心の中に完成する人によってのみ見いだされる。人生と芸術の力強いところはその発達の可能性に存し、この『不完全』を真摯に静観してこそ、東西相会して互いに慰めることができるであろう。」と茶の湯が持つ国際性を強く主張した。「数寄」という言葉に込められた創造性を今いちど噛みしめつつ、ポストオリンピックの文化発信を考える時期がそろそろ来ている。
『数寄』について
「数寄」はもともと「好き」の同意語で、風流・風雅に心を寄せること。「数寄者すきしゃ」とは、室町時代には和歌や連歌を好む人をさしたが、安土桃山時代にわび茶が流行し、茶人をさす言葉になる。その後、茶室を「数寄屋すきや」と呼ぶようになり、「好家すきや」、「空家すきや」ともあてられている。
上野を中心に日本の文化芸術を世界に発信した岡倉天心は『茶の本』のなかで「茶室」を、人それぞれ好みの詩趣を宿す「好き家」、美的感情を満たすために置くものの他は、一切の装飾を施さない「空き家」、そして不完全を尊び故意に仕上げず、見る者の想像の働きでこれを完成させる「数奇屋」と解説している。そこは富の誇示するような過剰な美はなく、簡素にして謙虚、静寂にして清潔、大名も庶民も分け隔てなく美を崇めることに集中できる仮の家であり、ありきたりの材料や均斉のとれていない配置に美を見出す自由な美意識が展開する場である。そして、人の「好き」は人それぞれであり、「数寄」は人の数だけ存在する。この『TOKYO 数寄フェス』を通して、自由で広がりのある「数寄」という美意識を日本特有の伝統的な美意識として世界に広く伝えたいと考えている。
企画概要
【オープニングイベント】 11 月 10 日(金)
オープニングイベントとして、公園内でのセレモニーや日比野克彦+海部陽介による「上野造船所」関連 トークの開催。
昨年の様子
アート・インスタレーション
「上野造船所」 不忍池 葦舟 あしプロジェクト / 日比野克彦 × 海部陽介 × 石川仁
<3 万年前の航海に思いを馳せるワークショップとインスタレーションを実施> 開催場所 : 不忍池 (ボート池) 、弁天堂前広場 ほか
アーティストの日比野克彦、人類学者で 「3 万年前の航海 徹底再現プロジェクト」の代表を務める国立科学博物館の海部陽介、葦舟で航海をする探検家の⽯川仁、この3者の異なるアプローチによる「上野造船所」が上野公園に誕生。「3万年前の航海」にまつわる展示やワークショップを通じて、訪れた人々が想像力の波に乗り、遥か太古から延々と続いてきた好奇心や冒険心に触れる旅に出る。会期中、池のほとりにある会場では、⽯川による葦舟作りを実施し、日比野と海部によるトークイベントも 11 月 10 日に開催を予定。最終日は、完成した葦舟を不忍池に進水し、関係者の乗船を予定している。
「ミナモミラー」 / 鈴木太朗・ 空間演出研究所
<不忍池の水面に映り込む光の軌跡で新たな池の表情を作り出すアート>
開催場所 : 不忍池(ボート池)
不忍池をキャンバスにたとえ、光を不忍池に投影する。風の流れによって時間とともに変化する、水面にたゆたう反射光を楽しむ作品である。不忍池のボート池全周、池に浮遊するオブジェを淡く柔らかい光が囲む。現実の世界と水面を水面に映し出された世界に結界をなくし、ひとつにする。秋の澄んだ空気と夜空の下、幻想的な世界をお楽しみいただけます。
不忍池をキャンバスにたとえ、光を不忍池に投影
「伊藤園 ティーテイスターフォレスト」 / 橋本和幸
<伊藤園ティーテイスターによる新たなお茶のカタチを提案する空間アート>
開催場所 : 上野公園 噴水前広場
「お茶を素敵な景色を眺めながらいただきたい」・「素敵な場所で暮らしたい」 そんな夢を実現するためにつくられた移動茶室を様々な場所で展示し、昔の建物との対比により、浮かび上がる暮らしや住まいのあり方を見つめ直し「豊かさとは何か」を問いかける。
昨年の TOKYO 数寄フェスで橋本和幸が作り上げた構造物をアップデートした空間のなかで伊藤園のお茶のスペシャリスト「ティーテイスター」たちが様々なお茶を振舞い、お茶の楽しみ方や日本茶の魅力を紹介する。期間中、移動茶室が動き回りお茶を振る舞うデモンストレーションも計画している。
「 未 定 」 / 大巻伸嗣
開催場所 : 上野公園 噴水前広場 噴水池
藝祭御輿 「上野 文化の杜賞 」受賞作品展示
<2017 年 9 月の東京藝術大学の学園祭で学生が制作した御輿の優秀作3基を展示>
展示場所 : 上野公園噴水前広場
2017 年東京藝術大学の学園祭である藝祭で展示された巨大な御輿が上野の杜に出現。
学生によって制作された優秀作 3 基を展示する。
上野「文化の杜」 新構想実行委員会について
世界の文化交流の拠点として更なる飛躍を目指すために上野公園に集まる日本屈指の文化教育・学術機関が保有する文化芸術資源の潜在的魅力をより顕在化させ、パリやロンドンといった世界最高水準の海外主要都市に匹敵する独自性を持った「芸術文化発信拠
点 UENO」のシンボル化を目指すために結成された団体である。
上野公園周辺の文化施設が連携することで可能となった共通入場券「UENO WELCOME PASSPORT」の発行、「TOKYO 数寄フェス」などのイベントを開催し、各文化施設が連携して文化芸術発信力を高めている。芸術面のみならず上野界隈の情報データベース構想、通信インフラの整備・防災拠点化などソフトとハードの両面から魅力あるまちの基盤整備を行う活動を促進している。
上野というまちが歴史的に保ち続けてきた伝統と革新のアイデンティティーを再提示し、世界中のあらゆる人々が集う国際的な文化交流の拠点となるよう文化資源レガシーを日本・世界に向けて強力に発信していく。
上野「文化の杜」 新構想実行委員会
鎹八咫烏 記
協力(敬称略)
TOKYO 数寄フェス 2017 事務局
上野「文化の杜」新構想実行委員会内 TOKYO 数寄フェス 2017 事務局
TEL:03-5834-2396
(補足)
11月4日(土)上野フロンティアタワー開業。協力して世界の上野を目指しましょう!
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