「天地創造『国生みの島・淡路』 第三話 」をご紹介する前に、
先に一般社団法人 淡路島観光協会様にご協力いただき、御食国として知られる豊かな食の宝庫
「淡路島」の食文化を【特別編】としてご紹介いたします。
淡路島は古くより天皇家とも縁が深く、朝廷に数々の食材を献上してきた「御食国」としても知られています。
今号では『国生みの島・淡路』と密接に関係する畜産から野菜・水産など、食材の宝庫である淡路島の食文化をご紹介いたしましょう。
京都御所正門 建礼門 天皇陛下のご通行のほか外国元首などの国賓来訪のときに開かれる。
京都御所 御車寄せ
京都御所 御池庭
京都御所 蹴鞠
国宝・源氏物語絵巻(徳川美術館蔵)竹河…きっと「光源氏」も淡路島の幸を・・・
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御食国(みけつくに) 淡路島の食文化
鳴門うず潮 鳴門海峡の急流にもまれて育った淡路島の鯛は、身が分厚くよく締まっている。
淡路島明石海峡岩屋港
淡路島の北の玄関口として古くから栄えた港で、現在も高速船淡路ジェノバライン、島内の路線バスの発着所となっている。
港は明石海峡で漁をする漁船で賑わっている。明石海峡でとれる魚介類は新鮮で美味しく、特に冬場のタコは絶品。
岩屋港はかつて毛利水軍と織田軍の戦いがあった場所と伝えられ、昔から淡路の交通の要衝である。港に隣接する岩屋漁港は岩屋の漁業産業の中枢で、桜ダイやタコ、タイ、イカナゴなど淡路を代表する海産物が多く水揚げされる。
淡路島明石海峡松帆の浦
松帆の浦は、淡路島最北部の海岸に沿って広がる平野で明石海峡を渡るために利用されていました。人々が海峡の荒れたときに風待ちや潮待ちをしたのが松帆(待つ帆)の由来といわれている。播磨灘と大阪湾を隔てる明石海峡は、潮の流れの激しさから「瀬戸内の難所」と呼ばれ幾内へ向かう海上交通の要塞として、海人が活躍していた場であったと考えられている。
「松帆の浦」海岸に立つと、激しい潮流で全身が潮にとりつつまれる。古来、松帆は製塩が盛んな地でした。朝の藻刈りや、夕の藻焼き風景に当時の高貴な人々は強い憧れを持っていたようである。聖武天皇の播磨の国印南野への行幸の際、笠朝臣金村は、「松帆にいる藻を刈る美しい娘子への憧れ」と「聖武天皇の見納める土地を讃美」して松帆の浦の長歌を詠んだそうである。百人一首の撰者でもある藤原定家は、その長歌を題材として、“こぬ人を まつほのうらの ゆふなぎに やくやもしほの 身もこがれつつ”と詠んだという説がある。
現在、「松帆の浦」には製塩工場はありませんが、水産加工場が集積しており、春の時期には「ちりめんの天日干し風景」を見ることができ、塩ゆでや釘煮の香ばしい匂いが辺り一面にたちこめる。松帆の浦の山側には、明石海峡の眺望が満喫できる温泉施設、美湯松帆の郷がある。
淡路島洲本市由良港
由良港は、古くから天然の良港として豊富な海産物を供給してきた漁港である。特にウニ、アワビ、ハモなどが有名。昼前には帰港した漁船がずらりと並び、港は活気に包まれる。近くの民宿等では新鮮な海の幸が堪能できる。
由良港は、成ケ島が長大な防波堤の役割を果たしていることから、天然の良港となっている。また、地理的に大阪湾や瀬戸内の要衝であることから、慶長18年(1613年)成山城を池田忠雄が築城したのを始まりに、由良は城下町として栄えました。しかし、寛永8年(1631年)からいわゆる「由良引け」で洲本へ政庁が移り、城下町としてはさびれていきました。その一方で参勤交代の際の寄港地として発展していき、江戸時代には新川口と今川口の2つの港口が掘削されました。今川口は、時の藩主蜂須賀公の御座船を通すために拡幅され、現在の由良港の姿になりました。
由良は、好漁場である紀淡海峡に面し、大消費地の京阪神地区を近隣に控えているという有利な条件のもと、漁業の町として栄え、現在も漁師町として有名である。
南あわじ市福良湾の夕陽
鳴門海峡の影響で身が引き締まり、潮流の速い海底には新鮮な水が供給され、エサとなる甲殻類や魚が豊富で、肉質、コク、色合いなど最高のハモを育ててくれている。
淡路島のハモは小顔で身が引き締まりスタイルが良く、そのほとんどがメス
「べっぴんハモ」と呼ばれている。
漁業関係者の皆さんで、京都八坂神社へ「はも道中」外人客は「べっぴんハモ」に大喜び。
三重県明和町の斎王と斎宮(伊勢神宮から15㎞位のところにある)当時は三重県随一の文化と先端産業の一大拠点であった。毎年6月には「斎王まつり」が開催される。
淡路島からは距離的に遠くても天皇の名代として斎王のご一行が都から伊勢・明和町に着くまでの道中ではきっと、淡路島の水や魚介類を口にされたのでは?
御食国
「御食国」? 一般には余り聞きなれない言葉、おそらく初めて耳にされる方も多いかもしれません。
御食国(みけつくに)とは、日本古代から平安時代まで、贄(にえ)の貢進国、すなわち皇室・朝廷に海水産物を中心とした御食料を貢いだと推定される国のことである。若狭(御食国として若狭・三方五湖の鯖街道日本遺産登録は紹介すみ)、志摩と並び、多くの食材に恵まれた淡路島もまた、古くから朝廷に数々の食材を納めてきました。
古事記の仁徳天皇の項には「旦夕淡路島の寒水を酌みて、大御水献りき」とあり、毎日飲む水までもが、ここ淡路島から朝廷に運ばれていた事は注目に値する。
いわば朝廷からのお墨付きを頂いていた淡路島の食材。
淡路島ブランドとして全国にその名を轟かしている食材の数々をご紹介いたしましょう。
春「鯛」
明石海峡や鳴門海峡の急流にもまれて育った淡路島の鯛は、身が分厚くよくしまって食べ応えがある。
鯛本来の上品で淡白な味わいをいかす活け造りや、那智黒石を敷き詰めた宝楽鍋で蒸し焼きにした宝楽焼きなどが有名。
春「玉ねぎ」
秋に植えられた、たまねぎは、七ヶ月後の春に収穫を迎える。淡路島の温暖な冬の気候のもとじっくり生育し栄養分をしっかりため込んだたまねぎは、適度な柔らかさと甘さが特徴。
「煮てよし、焼いてよし、生でもよし」と三拍子揃った淡路島の味覚を代表する野菜である。
春「いかなご」
2~4月にかけてはいかなご漁が最盛期を迎える。生はもちろん、淡路産の釘煮は、最高級とされる「コナ」(いかなごの稚魚)を使用しているので質、味共に絶品で、春の名物になっている。
春「わかめ」
淡路島は全国でも有数のわかめ産地。
鳴門海峡の自然の栄養を受け、育ったわかめには、
豊富な栄養成分が含まれている。
春「メバル」
磯魚の代表魚メバル。
生息海域によりキン・アカ・クロと色が異なるのが特徴。
旬を迎える春から初夏の頃まで,イカナゴの稚魚を食べて大きく育った
メバルがよく捕れる。お好みにより煮付け・塩焼きなどで、とても美味しい魚である。
夏「鱧(はも)」
鱧は春になると外海から淡路島沿岸に回遊し、夏の産卵に向け活発に餌を食べ、体に栄養を蓄える。
「梅雨の水を飲んで育つ」と言われる夏の鱧は、身が太り脂がのってひときわ美味しさを増す。
その身は淡白で、湯引き、天ぷら、蒲焼きとどんな食べ方でも楽しめる。
夏「赤ウニ」
雲丹は崩れ難い身の背を見せるように並べるのが一般的ですが、由良の赤雲丹は腹側を見せて盛り付けるのも特徴的の一つである。
これは鮮度が良くないと出来ない盛り方で「逆手の雲丹」とも呼ばれている。
夏「たこ」
関西では明石蛸が有名ですが、淡路島周辺の砂地で生息する蛸も絶品である。
夏の麦わら蛸、冬の寒蛸は特に美味しいと云われている。
秋「伊勢海老」「いちじく」
伊勢海老
淡路島では夏から秋にかけて漁の最盛期を迎える伊勢海老。
お造りで頂くとよくわかる、そのぷりぷりとした食感、口の中に広がる上品な甘みは、まさに海老の王様である。
いちじく
一日で熟することからその名がついたと言われる、いちじく。
淡路島のいちじくは実が大きく、出荷期間も8月上旬から11月中旬までと他産地より約2週間長いのが特長である。
近年、新たな秋の人気食材として注目が高まっている。
秋「ちりめん」
淡路島近海で獲れるシラスは色が白く最高級とされる「カタクチイワシ」を厳選。
半生、もしくはよく乾燥させたシラスは「ちりめん」として淡路島を代表する海産物である。
秋「紅葉鯛」「伝助穴子」「ひらめ」
紅葉鯛(左)
全国に名を馳せるブランド食材。
鳴門海峡の激しい潮流にもまれ身が抜群に引き締まっていることが特徴である。
産卵期の春は体を桜色に輝かせることから桜鯛と呼ばれ、秋は紅葉鯛と呼ばれている。
伝助穴子(中)
淡路島では穴子の中でも特に大きなものを、「伝助穴子」と呼ぶ。
一般的な穴子と比較すると大きさの差は歴然。小型に比べて脂の乗った太い身は食べごたえバツグンである。
ひらめ(右)
寿司ネタとしても人気のひらめ。
お刺身、煮物、鍋など様々な料理で
その絶品な味わいを楽しんでいただける。
冬「淡路島3年とらふぐ」
淡路島の南端、福良湾。
鳴門海峡の激流が生み出すミネラル豊富な天然の漁場で「淡路島3年とらふぐ」は、国内産の稚魚のみを、通常は二年で育てるところを、三年の歳月をかけ、大切に育てる事で、より引き締まった身・肉質量ともにひと味ちがう濃厚な旨味・歯ごたえ・コクと絶品を極めました。
冬「レタス」
南あわじ市にある三原平野を中心に露地栽培される淡路島レタスは、兵庫県のレタス生産シェアの90%を占めている。
淡路島の温暖な気候や肥沃な土壌が育てる新鮮なレタスの食感をお愉しみください。
通年「淡路牛」
日本を代表する松坂牛や神戸牛もそのルーツは「淡路牛」にある。
淡路島では、優れた母牛ばかりを選定し計画的な交配を行う事により生まれた優秀な資質を保存継承している。
通年「手延べそうめん」
昔ながらの製法で、二昼夜かけて麺にあわせて丁寧に作られたそうめんは、豊かな風味と強いコシが特徴である。
一般社団法人 淡路島観光協会からのメッセージ
ご当地グルメについて
御食国 淡路島では島の素材を使った「新しいグルメプロジェクト」が続々と淡路島全域で進行中です。
太陽と大地の恵みを受けた食材を存分に生かした淡路島ならではのメニューを現地に来られ、
ぜひお召上がりください。
まだまだ名産物は沢山ありますが、紹介しきれませんので、あとは実際に現地でお召し上がりを!
ご当地グルメを代表して「淡路島牛丼」からのメッセージ
島のソウルフード
御食国(みけつくに)として朝廷に仕え、今もなお海•山の幸に恵まれる食材の宝庫、淡路島で2008年10月に誕生した「淡路島牛丼」。淡路島名産「牛肉」「玉ねぎ」「米」と三拍子揃った自慢の食材を使用し、発売から1年で48万食、約6億9千万円を売り上げ、島内への波及効果も含めると約11億600万円の経済効果を収めるメガヒット商品となった。各店の自由な工夫を認め、お客による選択の幅を広げて「食べ歩きの楽しみ」を生んだ淡路島牛丼は、地域食材を総合的に活用し経済的価値を創出しているとして教科書にも掲載、島内の生産者に勇気と希望を与えるとともに、B級グルメならぬA級グルメ“島のソウルフード”として人気を博している。
淡路島牛丼3つの誓いとは
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
一般社団法人 淡路島観光協会
〒656-0027 兵庫県洲本市港2-43洲本バスセンター内 TEL.0799-25-5820
徳川美術館 〒461-0023 愛知県名古屋市東区徳川町1017 電話: 052-935-6262
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