『ウッドデザイン賞2017』最優秀賞はじめ上位賞25点最終決定!
最優秀賞は「ノーザンステーションゲート秋田プロジェクト」(東日本旅客鉄道㈱ほか)
12月7日には「東京ビックサイト」で、全受賞作品の展示会や表彰式・セミナー等を開催!
ウッドデザイン賞とは
創設の趣旨
我が国においては、戦後造成した人工林が本格的な利用期を迎えており、適正な森林整備を進めていくためには、国産材の積極的な利用を促進していくことが重要です。
ウッドデザイン賞は、木の良さや価値を再発見させる製品や取組について、特に優れたものを消費者目線で評価し、表彰する新しい顕彰制度です。
これによって“木のある豊かな暮らし”が普及・発展し、日々の生活や社会が彩られ、木材利用が進むことを目的としています。
受賞者には、様々な広報・PRの場を提供するとともに、生産から消費に関わる人のマッチングを進めていきます。
昨年(2016年)の第2回「ウッドデザイン賞2016」最優秀賞
世界有数の森林国である日本の森から生まれた木を活かして、暮らしと社会を豊
かにするモノ・コトを表彰する「ウッドデザイン賞」。
第3回目を迎える「ウッドデザイン賞2017」の453点の応募作品の中から、最優秀賞(農林水産大臣賞)、優秀賞(林野庁長官賞)、奨励賞(審査委員長賞)の25点が最終選出されました。最優秀賞を受賞した「ノーザンステーションゲート秋田プロジェクト」は、JR秋田駅を中心とし、秋田県、秋田市、JR東日本が地域と連携して進めるプロジェクトで、行政や地元大学(秋田公立美術大学)、民間事業者で構成される産学官プロジェクトチームが積極的に連携を図り、地域資源である秋田杉をはじめとした県産材を活用した新たな景観・公共空間を実現したものです。木に囲まれ、木に癒される消費者目線の空間づくりが高く評価されました。
「ウッドデザイン賞2017」
JR秋田駅を中心とし、秋田県、秋田市、JR東日本が地域と連携して進めるプロジェクト。2017年4月に秋田駅の諸施設のリニューアルを実施。
リニューアルに際し、行政や地元大学(秋田公立美術大学)、民間事業者で構成される産学官プロジェクトチームが積極的に連携を図り、地域資源である秋田杉をはじめとした県産材を活用した新たな景観・公共空間を実現。
具体的には、駅と自由通路の一体的な木質化の実施や、内装や家具に県産材をふんだんに用いた待合ラウンジを設けた。
観光客の方には、林業県の秋田らしさを体感していただき、地元の方には、居心地の良さから訪れたくなる場所の創出を目指した。
(評価ポイント)
民間事業者、行政、大学が連携し、地域材活用を軸にした多面的な取組を実施しながら、木に囲まれ、木を楽しみ、木に癒される場づくりを高いレベルで実現しており、集客効果にも寄与している。これら取組を消費者視点による木づかいというウッドデザイン賞の趣旨に最も適うものと認め、最優秀賞とした。利便性と快適さを備えた待合ラウンジ、地域の材と技を駆使した美しく機能的な家具群、工事段階から木質化の魅力を見える化した学生のアートプログラムなど、各プログラムが細部にわたって綿密にデザインされている点が秀逸である。"
(補足資料)
天然秋田杉とは
杉は、古来から日本人の暮らしに深く関わり、日本独自の文化の中で、なくてはならない存在です。天然杉は、北は青森県から南は鹿児島県屋久島まで広く分布しており、日本三大美林の一つである天然秋田杉は、特に秋田県の北部を流れる米代川流域に分布しています。
標準的樹齢は200~250年といわれています。
日本三大美林とは、天然「秋田杉」「木曾檜」「青森檜葉」のことをいいます。
天然秋田杉の特性
杉は、枝と葉の形質から表杉と裏杉に分けられます。
天然秋田杉は、年輪幅がそろい、木目が細かく強度に優れ、狂いが少ないことから、古くから住宅用の建築材として利用され、特に美しい柾目を利用した高級内装材、天井板等に使用されています。
また、古くから「曲げわっぱ」や「桶・樽」などの原材料として伝統工芸品としても利用されています。
(天然秋田杉の供給は、平成24年度をもって終了しています。現在は、高齢級人工林の秋田杉の計画的な供給がなされています。)
杉の語源
学名:Cryptomeria japonica
杉は、我が国にしか生育していない「固有種」です。
語源には、いろいろな説がありますが、真っ直ぐうえに延びる木だから直木(スクキ)の意味という説が最も有力です。
ほかにも、アイヌ語のシンクニー(真っすぐな木の意味)から転じたものという説もあります。
CJシリーズ(studioJig) 木製品分野 奈良県
特殊な成形技術を使い、家具用材としては不向きとされてきた針葉樹(吉野杉)を利活用した家具シリーズ。その特殊な形状は、美しさと強度を兼ね備え、家具としての実用性を持たせつつ、宿泊施設や公共施設などの非日常感を演出する事が可能。
家庭以外にも旅館、各種施設などで利用が見込まれる。
宿毛商銀信用組合本店
(艸建築工房 高知、宿毛商銀 信用組合 高知、(株)山幸建設 高知)
建築・空間分野 高知県
社屋の老朽化による統合店舗の新築にあたり、地場産業と林業活性化を願い、CLT木構造を採用。全国的にも珍しい木造の金融機関施設であり、CLTを主要構造部に用いている。銀行のこれまでの閉じた重厚なイメージを、木造で高貴に表現。
CLTの特徴、良さを理解した設計になっており地域モデルの模範例となり得る。
木と住まいの大博覧会(ナイス(株)(神奈川)、(一社) 木と住まい研究協会(東京)、 (一財)木構造建築研究所(東京)) コミュニケーション分野 実施場所:仙台、東京、名古屋、京都、福岡 応募団体:神奈川県
木を活用した住宅や建築物、暮らしに関する最新情報や多彩な提案を、幅広い分野の事業者や団体、自治体、学術機関などが連携して発信する木材総合展示会。
全国5都市で開催し、年間の来場者は一般からプロユーザーまで約15万名に及び、会場では五感で体感しながら木について学び楽しめる。
地域の森とつながる「薪ストーブのある家」づくり
「自然の法則に逆らわない、シンプルな家」をコンセプトに、道産材等を使用し、地元恵庭市内の里山の薪を使った「薪ストーブ」のある暮らしをシンボルにした「提案型の家づくり」をスタート。クライアントも参加できる「薪割りの会」を設置したり、社有林「北清の森」を地元幼稚園にも解放、自然のある暮らしや森づくりの循環を体感・学習できる場を設定。薪ストーブを軸に、木育や林業体験といったソフトプログラムにつなげた広がりを評価。
木の室内創造あそび場「感性の森」
商業施設「錦ケ丘ヒルサイドモール」にある、自然から遠ざかってしまった子どもたちに贈る木の室内創造あそび場。
現代のプラスティックや機械仕掛けのおもちゃなどは一切なく、すべてが木でできた広い空間には、30万個の木玉プールや自然の樹木を活かした多様な積み木など、本来子供に備わっている感性を引き出すための遊びが思う存分体験できる施設。
曲げ木バネのマウスパッド / 曲げ木の万年筆ケース
(2点で1つとして受賞)
耐久性を付加したバネと広葉樹の小径曲げ技術を活用した製品。
マウスパッド…クッション性を持たせたパームレストのバネが、手首の上げ下げを積極的に補助。疲れにくく、サラッとした木の質感で、快適なマウス操作を可能にした。
万年筆ケース…カエデ無垢材ならではの木目の美しさと手触りのよさが際立つ、強くて軽い万年筆ケース。
独自の加工技術から生み出された曲げ木と本革製のインナーが、大切な万年筆を包み込む美しいデザイン。
Gビル自由が丘01 B館
東京都目黒区に建つ、家型のファサードが特徴的なテナント商業ビル。
木質耐火部材「COOLWOOD(クールウッド)」を採用した1時間耐火建築物で、
都心部における木造建築の新たな可能性を示している。
インパクトのある外観、構造材まで木を使った商業ビルという独自性、リテールによる木質化の付加価値創出の点が評価された。
ドローン(UAV)を使用した院庄林業新立木購入システム
立木購入時に、GISとドローンによる3D写真を活用することにより、対象の土地の境界とその土地にある樹種の明確化が可能。最新テクノロジーを活用した、立木購入時における作業の省力化と見積もりの精度の確保は、安定した木材供給につながり、多様な木材利用の出発点となる。本システムを利用している自治体等もあり実用性がある。
木造建築用高性能床遮音仕様「Mute床遮音システム」
木造は軽量であるため、床遮音性能に課題があった。 極めて高い床遮音性能L-45の「Mute床遮音システム」を開発したことで、建築事業者にとって木造の新たな規模・用途の道を拓き、建物使用者にとって快適な室内環境が得られた。
名古屋大学 音楽練習共用施設~宇宙線望遠鏡 実験施設改修
名古屋大学キャンパスに1958年に建設された「宇宙線望遠鏡実験施設」を音楽系サークルの練習施設にコンバージョン。
音響的に不利な円形・ドームだが、鉄骨下地の屋根に荷重を架けないように、自立式登り梁形式の木造架構を組み、16角錘の木造天井に吸音・遮音材をはめた。
木質を感じる空間デザインが印象的で、大学施設での木材活用の展開につながる好例。
ちばの木・木製ポールパーテーション
地域資源を活用した新たな木製のポールパーテーション。
2020年開催予定のオリンピック・パラリンピックの会場整備や各イベント、空港施設等に国産材、県産材の利用促進を行える商品。国産材利用商品として一般消費者に触れていただく身近なアイテムとして需要は大変大きな市場となる。
意匠と機能はシンプルながら、それゆえ用途の幅が広い。
2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック等、各種イベントや公共の場での活用が見込める。
木のヘッドホン Konohazuk H3
岩手県産のブナをつかって作られた木のヘッドホン。
木ならではの音楽的な響きと柔らかい装着感、美しいデザインが特徴。木を一部に加飾的につかったヘッドホンは数多くあるが、ボディ全体に主材として木を用いたヘッドホンは他にない。売上げの一部は森林保全団体のmore treesに寄付される。
木を使うことによる音質的なメリットと加工技術が融合したユニークな製品。音のある暮らしに木材を持ち込み、デザインも美しい。
Design LAB Tsukishima(デザイン・ラボ・月島)
新しいものづくり開発拠点における、開発者たちの思考をリデザインさせる木材活用空間事例。開発(デザイン)を中心に連動する「つくる」「ためす」「みせる」を一つの空間で繰り返す事ができるLAB空間。完成することの無い未完成の空間で、新たな商品を生み出す為の空間提案を可能するこれからのオフィス空間。
異なる領域の人材の交流を促しつつ、今までなかった新しい商品づくりにつながっている。
うふっ湯桶
「うふっ湯桶」は、おしゃれなママパパのライフスタイルも考えた木製のベビーバス。
さわら材の香りやアトピー予防等のエビデンスに着目、職人さんの手作りで、今までにないこだわりのデザイン。
沐浴卒業後も、末永く使ってもらうため、普段の暮らし使いのアイディアも紹介。
現在の暮らし方にもマッチするデザイン、木の効能や香りにも着目した新世代ベビーバスで子育てに優しい。
つくばみらい市立陽光台小学校
つくばEX「みらい平」駅近郊に建つ1学年4CL+予備1CL、計30CLの小学校。光や風、アクティビティはオープンにし、音や目線はクローズにする「ハーフオープン」と名付けた新たな空間構成を用いた。
斜壁は斜材と合板によるパネル工法で構成されており、ハーフオープンの関係性はそのまま外壁のデザインにも表れる。木の香る斜壁が連なり、見え隠れをする森のような空間が、様々な濃度を持った居場所性を生んでいる。
木製電動自動車 ECO-杉+
外装に木材を活用した電動カー。地域でのイベント、展示会に出し、メディア等の注目があり、集客と会場の賑わいの一助になっている。また、家具以外の物でも、木で作れる事へのアピールを進めている。フレームとの固定部以外は極力、ビス等使わず、製作している。
小型EVと木材の融合によるチャーミングな外観が目を引く。存在そのものにインパクトがあり、地域イベント等の活性化や集客効果につながりつつ、新たな木材利用の訴求力も持つ。
復興公営住宅(城北団地)
東日本大震災に伴う原子力災害により避難の継続を余儀なくされている避難者の居住の安定の確保を目的に、木造22棟30戸(集会所1棟含む)の復興公営住宅を整備したもの。
22棟の内、17棟は既存の応急仮設住宅を解体した木材や屋根材等を一時保管・再利用して再構築するという、県内初の取り組みを実施した。(建築空間分野 福岡県)
しそう杉の家
兵庫県播磨地域に伝承されてきた地産地消の技術を、現代人の暮らしにあうように再認識・再評価することで実現した里山循環型の住居システムである。林業との連携、木材の品質管理、地域に根ざした住宅デザイン、外構の緑化計画、町並みに対する配慮、地域循環型の生産システムに至るまでの一貫した取り組みを行っている。
12月7日(木)より開催される「エコプロ2017」において、受賞作品の全点展示
(パネル・映像・現物のいずれか)、セミナー、交流会を開催いたします。
セミナー、交流会へご参加希望の方は下記よりエントリーをお願いいたします。
(セミナー、交流会は事前申込制・各セミナーは50名定員)
[申込フォームはコチラ]https://ws.formzu.net/fgen/S53947772/
主催:ウッドデザイン賞 運営事務局
特定非営利活動法人 活木活木(いきいき)森ネットワーク
公益社団法人 国土緑化推進機構
株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所
(林野庁補助事業)
各種お問い合わせ先:ウッドデザイン賞 応募事務局
お問い合わせ専用メールアドレス:info2017@wooddesign.jp
※上記アドレスはお問い合わせ専用。こちらへの応募は無効となりますご注意ください。
協力(順不同)
ウッドデザイン賞 運営事務局 メールアドレス:info2017@wooddesign.jp
農林水産省 林野庁 〒100-8952 東京都千代田区霞が関1-2-1
電話:03-3502-8111(代表)
林野庁 東北森林管理局 〒010-8550 秋田県秋田市中通5丁目9番16号
電話:018-836-2014(代表)
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