京都迎賓館
Kyoto State Guest House
京都迎賓館は日本の歴史、文化を象徴する都市・京都で、海外からの賓客を心をこめてお迎えし、日本への理解と友好を深めていただくことを目的に平成17年に建設されました。
歴史的景観や周辺の自然環境との調和を図るため、日本の伝統的な住居である入母屋屋根と数寄屋造りの外観をいかし、築地塀を巡らせた品格のある和風の佇まいを創出しています。建設に当たっては、数寄屋大工、左官、作庭、截金(きりかね)など、数多くの伝統的技能を活用し、京都を代表する伝統技能者の技が生かされています。また、調度品についても西陣織や蒔絵(まきえ)、漆などの伝統的技能を活用した家具を配置しています。
東京(赤坂)に位置する洋風建築の迎賓館赤坂離宮とあわせ、国公賓などの賓客の接遇の場としての役割を果たします。
The Kyoto State Guest House is located in Kyoto, a traditional and culturally rich city of Japan. The facility was built in 2005 for the purpose of welcoming guests from abroad, for helping them understand Japan and for deepening friendship with Japan.
In order to harmonize the historical sites with the natural environment of the area, this house was created in a sophisticated traditional Japanese style, with a hip-and-gable roof which is called Irimoya. Also included is the free architectural design based on the decorative alcove, which is called Sukiya. Another special feature is the formal style fence called Tsuijibei, which is made by pounding a mixture of mud and clay and placing it between wooden frames. To build this house, many artisans, including Sukiya style carpenters, plasterers, special gardeners and metal foil cutters collaborated on special techniques which are recognized as traditional accomplishments in Kyoto. Interior design features include Nishijin fabric picture fittings called Makie, which are sprinkled with flecks of gold, silver or beautiful paint. Moreover, carefully selected lacquer ware that exemplifies tradition and excellent craftsmanship augments the graceful interior decor.
The Kyoto State Guest House offers a sense of hospitality based on original Japanese culture which makes it unique compared to the Western style of the State Guest House, Akasaka Palace, Tokyo.
京都迎賓館一般公開について
京都迎賓館では、海外からの賓客への接遇に支障のない範囲で一般公開を行っています。
急きょ接遇を行う場合には、予定されていた一般公開が中止になることがありますので、お出かけ前に必ず下記 【当面の公開日程カレンダー】をご確認ください。※Twitterでもお知らせします。
一般公開は、京都迎賓館ホームページからの事前予約によるほか、事前予約なしでお越しの方も、当日配布する当日整理券で参観いただけます(先着順)。 なお、当日整理券の配布開始は午前10時ですが、その直後は比較的混雑が見られます。混雑によるお体への負担を減らすためにも、落ち着いた時間を見計らってお越しください。
About Kyoto State Guest House that serves the foreign dignitaries with "OMOTENASHI ~ the essence of Japanese hospitality~"
The Kyoto State Guest House opened in April 2005 as a national reception facility to receive foreign dignitaries invited to visit Japan as official guests of the Japanese government, which role it continues to fulfill. It was built in a modern interpretation of traditional Japanese architecture and interior design and offers the guests the opportunity to experience the long history and the refined and varied culture of Kyoto. For more information, "What is the Kyoto State Guest House?"
IMPORTANT:
The public opening of the Kyoto State Guest House is carried out throughout the year except the foreign dignitaries' visits.
In case of the sudden scheduling of the foreign dignitaries' visit or other operational reasons, the public opening is subject to cancellation. Please be advised to come here after checking with the following "Future public opening schedule" whether the date of your visit is open or not.
※国公賓等の接遇その他迎賓館の運営上の都合により、公開が急きょ中止となる場合があります。 ※インターネットによる事前申込みと併せて、当日受付(当日整理券を配布)も実施。
京都迎賓館
築地塀・正門‐ついじべい・せいもん‐
The Main Gate and the Wall
京都迎賓館は、築地塀を巡らせた品格ある和風の佇まいをしています。正門は、鉄骨の柱・梁と、木造屋根を組み合わせた構造で、現代の技術と伝統的な形式が融合した、風格あるつくりとなっています。
海外からの賓客のご一行は、車列を組んでこの正門から入ってこられます。
正面玄関‐しょうめんげんかん‐
The Main Entrance
賓客のご一行の車列は、この正面玄関に停車し、迎賓館長からの出迎えを受け、ご入館されます。
正面の扉には、樹齢700年の欅(けやき)の一枚板を使用しています。また、賓客をお迎えする際は、正面に屏風を置き、その前に美しいいけばなをしつらえ「歓迎の心」を表します。
聚楽の間‐じゅらくのま‐
Juraku no Ma (Anteroom)
「聚楽の間」の「聚楽」は、16世紀に京都に造営された豊臣秀吉の邸宅、聚楽第(じゅらくだい又はじゅらくてい)でよく知られていますが、「楽」(心身が安らかで楽しいこと)を集める(「聚」の字は寄り集まること)といった意味があります。転じて、人が集まった都もさします。
この部屋は、晩餐会などが行われる際に、招待されたゲストや随員の待合などに使用しています。
夕映の間‐ゆうばえのま‐
Yubae no Ma (Large Conference Room)
「夕映の間」という名は、日本画家・箱崎睦昌(はこざきむつまさ)氏の原画を基に製作された、東西にある壁面の綴織り(つづれおり)の題名に由来します。西側が「愛宕夕照(あたごゆうしょう)」、東側が「比叡月映(ひえいげつえい)」であり(※写真奥が愛宕夕照)、それぞれから一文字を取って、部屋の名称としたものです。
この部屋は、大臣会合などの各種会議や、立礼式のお茶のおもてなしに使用するほか、賓客に対する歓迎セレモニーの会場としても使用しています。
藤の間‐ふじのま‐
Fuji no Ma (Banquet Hall)
「藤の間」という名は、壁面装飾の綴織り「麗花」(れいか)の主要モチーフであり、花言葉が「歓迎」である藤に由来します。「麗花」は、日本画家・鹿見喜陌(しかみきよみち)氏の原画を基に製作されたものです。
この部屋は、京都迎賓館で最も大きな部屋で、晩餐会や昼食会、あるいは歓迎セレモニーの会場として使用するほか、舞台があり、能や日本舞踊といった伝統芸能を賓客に鑑賞していただく会場としても使用しています。
桐の間(きりのま)
Kiri-no-Ma(Japanese-style Banquet Room)
「桐の間」という名は、部屋の主要な装飾モチーフが、日本国政府の紋章であり、京都迎賓館の紋章でもある「五七の桐」であることに由来します。 この部屋は、日本の伝統的な畳敷きの大広間の「和の晩餐室」です。最大24名までの会食が可能であり、本格的な京料理を供するとともに、芸舞妓(げいまいこ)による日本舞踊や、筝曲(そうきょく)の披露などで賓客をおもてなしします。
京都迎賓館に生きる伝統的技能
日本文化のふるさと京都は、良き伝統を受け継ぐと同時に、先進的な文化を受け入れ、感性を磨き、常に時代の最先端を歩みながら、 優れた技能を今日まで受け継いできました。その技能の数々を現代の感性で表現した京都迎賓館。海外からお迎えする賓客に 「和のくつろぎ」を体感していただき、京都で培われた「しつらい」と「もてなし」の心とともに、世界に向けた日本文化、京都文化発信の舞台として機能しています。
Traditional Craftsmanship in the Kyoto State Guest House
Kyoto is the cradle of Japanese culture. While handing down the finest traditions, Kyoto has continued to accept advanced cultures and refine aesthetic awareness. Always at the leading edge of the era, Kyoto has inherited outstanding arts and skills. Many of these are expressed with modern sensibility in the Kyoto State Guest House. This State Guest House has a role in providing Japanese-style relaxing atmosphere for foreign dignitaries, and promoting the culture of Japan and Kyoto to the world with the spirit of Shitsurai (seasonal arrangements) and Omotenashi (hospitality) cultivated in Kyoto.
数寄屋大工‐すきやだいく‐
Sukiya Style Carpentry
茶室建築の手法を採り入れた伝統的な住居建築様式です。「桐の間」を始め、随所に数寄屋大工の繊細な技術が活用されています。
左官‐さかん‐
Plastering
耐火性に優れ、枯れた風合のある京錆土壁(きょうさびつちかべ)を「桐の間」等に活用し、築地塀にも敷地内から出土した良質な京錆土を使用しています。 熟練した職人の技巧により土壁をムラのないように塗り上げています。
建具‐たてぐ‐
Japanese Fittings
障子や板戸などの建具類は、和風には不可欠の要素で、館内の随所に活用しています。
館内で使用している建具は、外国人の体格に合わせて通常のものより大きいものを使用しています。
表具‐ひょうぐ‐
Mounting
障子・襖・壁等に和紙や唐紙を貼る技術です。「桐の間」、「藤の間」、「夕映の間」等に活用されています。
「桐の間」の襖には白地の唐紙に白い雲母(きら)の桐紋が光り、座敷に深い陰影を与えています。
畳‐たたみ‐
Tatami Mat Work
京都迎賓館の畳は「中継ぎ表(なかつぎおもて)」という昔ながらの技法により製作されています。 この技法は畳表の材料であるイグサの良い部分のみを使って、中央で紡いでいるため畳の中央には筋目が入っています。
錺金物‐かざりかなもの‐
Kazari-Kanamono (Decorative Metal Fittings)
建築各部に用いる補強と装飾を兼ねた金具です。釘隠、襖の引き手等、天井金物にも活用されており、館内の数百箇所に錺金物の技能が使われています。
漆‐うるし‐
Lacquering
漆の木の樹液を加工した天然塗料で、年月が経るほど深みを増していきます。「桐の間」のテーブル、床框(とこがまち)等に活用されています。
「桐の間」のテーブルは12メートルもあり、最後の工程では職人が素手で磨きをかけたため、掌が摩擦で「やけど状態」になったと言われています。
截金(きりかね)
Kirikane (Cut Gold Leafing)
純金箔やプラチナ箔を数枚焼き合わせたものを両手で2本の筆を使いながら一本一本扉に貼っていき、種々の紋様を描き出す技能です。
「藤の間」の舞台扉、「桐の間」の欄間には人間国宝 故 江里佐代子の截金が施されています。
庭園‐ていえん‐
The Garden (Japanese Garden)
京都迎賓館の庭園は、深山幽谷から流れ出る水が注ぎこむ広大な池が、まわりの建物に融け合うように配置されています。これが、古くから日本人の住まいに貫かれた伝統「庭屋一如(ていおくいちにょ)」を表現しています。
池には錦鯉が放たれており、賓客は鯉のエサやりや舟遊びを楽しまれます。
石造工芸‐せきぞうこうげい‐
Stone Work
京都迎賓館の庭には石灯籠や手水鉢(ちょうずばち)、沓脱石(くつぬぎいし)などの石造工芸品があります。
石灯籠は仏教美術のひとつとしておよそ1400年前に日本に伝えられたました。石造工芸品は、その他に舟泊りの石や、桐の間の入口の沓脱石などに使われ、 点景として重要な役割を果たしています。
垣‐かき‐
Bamboo fence
庭を構成している垣は、竹穂垣、クロモジ垣など由緒あるさまざまな手法でつくられた竹垣が設けられており、 庭に視覚的な落ち着きを与えつつ、庭園内部の仕切りや目隠しとして活用しています。
京都迎賓館 テレフォンサービス
自動音声案内 075-223-2302 (24時間対応)
有人案内075-223-2301 (平日 9:30 から 17:00 まで対応、土日祝日は公開日のみ対応)
※参観のお申込みは、お電話ではできませんのでご注意ください。
京都迎賓館までのアクセスと所用時間
京都市バスご利用の場合
「府立医大病院前」バス停下車 徒歩約7分
(京都駅より市バス A2のりば 4・17・205系統利用)
(阪急電鉄「河原町」駅より市バス3・4・17・37・59・205系統利用)
京都市営地下鉄ご利用の場合
烏丸線「今出川」駅下車、3番出口より徒歩約15分
京阪電鉄ご利用の場合
京阪電鉄「出町柳」駅下車、1番出口より徒歩約20分
タクシーご利用の場合
「寺町広小路」を南に10m下車 徒歩約5分
近隣の駐車場
中立売西駐車場
清和院東駐車場
駐車場についてのお問合せ
一般財団法人 国民公園協会 京都御苑
Tel 075-211-6364
(御苑内は許可車両以外通行禁止です)
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(敬称略)
内閣府 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
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