【速報】スピードスケート団体女子パシュート、個人500メートルに次いで「金」 メダル獲得
スピードスケート団体女子パシュートで金メダルを獲得し、日の丸を掲げて喜ぶ大和撫子(左から)菊池彩花、佐藤綾乃、高木菜那、高木美帆=江陵(共同)
勝負の世界では、教えてくれた師匠や兄弟子に勝つことを「恩を返す」と言う。
まさに今回のスピードスケートは、日本の選手たちがお世話になったオランダに恩を返した。
平昌冬季五輪第13日の21日、スピードスケート団体女子パシュート決勝で、日本は高木美帆(23歳)、高木菜那(25歳)、佐藤綾乃(21歳)のメンバーで2分53秒89の五輪新記録をマークしてオランダを破り、念願の金メダルを獲得した。
日本のメダルは第13日現在11個で、1998年長野五輪を上回り冬季大会最多となった。今大会の日本の「金」は羽生結弦選手のフィギア男子、小平奈緒選手のスピードスケート個人500メートル女子と合わせて3個、通算では13個。
高木美帆は1500メートルが2位、1000メートルが3位で金、銀、銅のすべてのメダルを獲得する快挙、まさに「臥薪嘗胆」である。
カーリング女子、LS北見の日本はスイスに惜敗したが、運が味方につき米国がスウェーデンに敗れたためカーリング史上男女を通じて日本勢初の4強入りを決めた。あと2試合を残すが、気力を振り絞り頂点を目指し、是非韓国の空に日の丸を挙げて欲しい。
【歓喜のゴール】
最後の一周で鮮やかな逆転劇を見せてくれて、一挙にモヤモヤが吹っ飛んだ日本国民は多いと思う。ゴールすると日本の応援団に向かって、全員が拳を天まで届くほど突き上げて感情を爆発させた。そこに涙はなく全員笑顔で肩を組み、喜びを分かち合う、まさにチームワークの良さの感じられた瞬間であった。その中心にはエース高木美帆、姉の高木菜那と佐藤綾乃の頭をなで、肩を叩いてねぎらった。ウイニングランには準決勝を走り活躍し、決勝は仲間を信じて見守った菊池も加わり滑走した。 金メダル表彰セレモニーでは4人が一つになり手をつないで一番高い中央の表彰台に。そして、その手を高く掲げてスタンドの人種を越えて勇者たちを称える歓声にこたえた。全員が日本を代表して晴れやかな笑顔。
スピードスケート団体女子パシュートで金メダルを獲得し、表彰台で歓声に応える(左から)高木菜那、高木美帆、佐藤綾乃、菊池彩花=江陵(共同)
高木美帆の話 チーム全員の力がないと成し遂げることができなかった。みんなだったから取れた。感無量。チームジャパンを誇りに思う気持ちでいっぱい。ありがとうございます。
高木菜那の話 (レース前の)円陣でみんなの力が一つとなって、オリンピックレコードで優勝できた。みんなが見守ってくれていたから最後まで転ばずにいいタイムでゴールできた。ありがとうございます。
佐藤綾乃の話 今までに感じたことのない緊張を味わった。今回のレースに対して不安や恐怖の気持ちがものすごく大きかった。最後のあと1周でまた転びそうになって自分自身は後悔しているが、この先輩たちのおかげで五輪新記録の結果に至った。一緒にやってきた先輩たちに感謝の気持ちでいっぱい。ありがとうございます。
菊池彩花の話 (準決勝は)五輪の最後のレースだったので2人(高木姉妹)に決勝に行って最高の滑りをしてもらえるように、できるだけ脚を使わせないで温存してもらう気持ちで、自分がみんなの壁となって滑れればいいと思った。スケート人生で最高の大会になった。ありがとうございます。
スピードスケート団体女子パシュート決勝 金メダルを獲得した(左から)佐藤綾乃、高木美帆、高木菜那=江陵(共同)
【日本は五輪新で金メダル】
日本はこれまでのオリンピック最強のチームのオランダを破って五輪新で金メダル。高木美帆、佐藤綾乃、高木菜那と先頭をつなぎながら、最後に再びこのチームのエース高木美帆が仲間を引っ張った。「組織力」を武器にした日本が残り1周のところで逆転。その後も三位一体となりスピードを上げゴールテープを切った。恐らく日本国民は現時点での実力は№1であると分かっていても魔物が住むといわれているオリンピック、順々決勝のようなことも起こりうるので、最後のゴールテープを切るまでは、ハラハラドキドキであったに違いない。おめでとう。
【オランダに心から感謝】
2006年のトリノオリンピックから採用された種目スピードスケート団体パシュートこれまで、オリンピックで期待されながら、何度も見えない壁に跳ね返されてきたスピードスケート女子団体パシュート、全員の力が一つになり実力通りついに史上最強の巨大なライバルオランダを下して見事五輪新で金メダルを獲得した。小さな巨人たちがオランダに恩を返したのである。
育ての親ともいうべき、五輪チャンピオンになれるほどまでに彼女たちを成長させてくれたオランダに感謝したい!
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使
協力
公益財団法人 日本オリンピック委員会
共同通信社
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