ユネスコエコパークは、これまで地域で行われていた自然環境の保全活動等が国際的に認められてユネスコに登録される制度です。いま行っている活動を継続し、発展させていくことが、ユネスコエコパークの活動に繋がっていきます。従って、登録によって劇的に何かが変わるということはありませんが、少しずつ将来を見据えた持続可能な発展を目指す環境が構築されていきます。
また、既に地域で適用されている法律や条例、各自治体の計画等により自然環境の保護を担保する制度ですので、新たな規制が発生することはなく、これまで可能であったことがユネスコエコパークの登録によって出来なくなることはありません。
地元のみなさんの活動も、そこに留まらず、日本国内にあるユネスコエコパーク、更にはユネスコを通じて世界のユネスコエコパークへ発信され、活動は繋がり、広がっていきます。
これまで行ってきた活動が、地域へ、日本へ、世界へ貢献する活動となっていく可能性を秘めています。
千曲川の源流(川上村)
その名前のとおり甲斐・武蔵・信濃の三国にまたがり、三つの大河(千曲川・荒川・富士川)の源流が湧き出す山である。川上村側では、日本一の大河千曲川の源流をかかえ、水源地をとおりながらの登山として人気があります。また呼び名も、川上村においてはこぶしだけと呼びます。
「日本一の大河 千曲川」
滔々たる流れに寄り添う千曲市には水のある心地よい風景が多い。源流の流れと比べてみてください。若葉が一斉に芽吹く頃、うぐい(ハヤ)を捕る伝統の「つけば漁」が始まりを迎え、千曲川の周辺は一気に活気づく、採れたて焼きたての魚が次々と運ばれる河川敷のっけば小屋は川からの恩恵を旅人にも分け与えてもらえる貴重な場所だ!
甲武信ヶ岳 木賊山(とくさやま)から 奥秩父山塊(左:甲武信ヶ岳と右:三宝山)を望む
撮影:埼玉森林管理事務所 川村一憲氏
ユネスコが実施する生物圏保存地域*(ユネスコエコパーク)に関して、3月6日に開催した、日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会人間と生物圏(MAB)計画分科会は、「甲(こ)武(ぶ)信(し)」(埼玉県、東京都、山梨県、長野県)を、ユネスコに推薦する地域として選定した。 今後、日本ユネスコ国内委員会を通じてユネスコに申請書を提出し、2019(平成31)年春頃に開催されるユネスコMAB計画国際調整理事会において、登録の可否が決定される予定。
ユネスコエコパークの概要、今後のスケジュール及び今回推薦の対象となる地域の概要等は、以下のとおりです。
1.概要
ユネスコエコパーク※(生物圏保存地域、英名:BR: Biosphere Reserve)は、生物多様性の保全、持続可能な開発、学術研究支援を目的として、1976年(昭和51年)にユネスコが開始。ユネスコの自然科学セクターで実施されるユネスコ人間と生物圏(MAB: Man and the Biosphere)計画における一事業として実施。
「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」に基づく世界遺産が、手つかずの自然を守ることを原則とする一方、ユネスコエコパークは、生態系の保全と持続可能な利活用の調和(自然と人間社会の共生)が目的。「保全機能」、「経済と社会の発展」、「学術的支援」の三つの機能をもつ地域を登録。そのため、ユネスコエコパークは、「核心地域」、「緩衝地域」と共に、「移行地域」(地域社会や経済発展が図られる地域)を設置。
登録総数は、120か国、669地域(2017年(平成29年)6月現在)。
※ユネスコエコパークは我が国の国内呼称。
2.期待される効果
ユネスコエコパークの登録地は、ユネスコエコパーク世界ネットワークに登録。 ユネスコという国際機関からの世界的な評価を受けることにより、自然環境の保全や自然と人間社会との共生に関する地域の取組を、国際的にも発信し、ネットワークを通じて情報の共有化が図られることや、それにより当該取組がより一層推進されることを期待。 また、地域における持続可能な発展に関する学習の場としての活用、自然環境の保全や持続可能な資源の利活用に関する普及啓発、持続可能な社会の構築のための人材育成への貢献を期待。
3.今回の推薦決定地域
「甲武信」(こぶし)
[評価のポイント]
○推薦地は、太平洋側から日本海側までの広い領域を支える水源地の環境を持ち合わせ、人間の活動と生態系保全のバランスがとれた地域である。 ○生態系、絶滅危惧種等について広範囲な調査も行われており、生物多様性の保全上、重要な地域である。これらの学術機能を活用した、さらなる保全活動、並びに地域における普及教育活動が期待される。 ○農業や林業、企業と連携した森づくり活動などの持続可能な経済活動が実施されてきており、今後、移行地域のモデルとなるような活動の実施が見込まれる。 ○今後も、多くの関連自治体や民間とのパートナーシップに配慮した体制づくりに努めつつ、ユネスコの世界ネットワークの一員として、MAB戦略2015-2020及びリマ行動計画※に基づき、国内外での多様な連携、協力活動が望まれる。
※ ユネスコ人間と生物圏(MAB)計画事業における戦略及び行動計画
MAB 戦略 2015-2025とは
40 年以上にわたり、世界中の人々が、ユネスコの「人間と生物圏(MAB)計画」 の下で指定された生物圏保存地域*を活用して、地球規模の課題に対する局所的 な解決策を模索し、生物多様性の保全に重点を置く持続可能な未来のための豊 富な経験とイノベーションの可能性を生み出してきた。これからの 10 年間、 MAB は、生物多様性の保全、生態系サービスの回復・強化及び天然資源の持続 可能な利用の促進、持続可能で健全かつ公平な経済、社会及び繁栄する人間居 住地の構築、並びに気候変動や地球環境の変化のその他の側面を緩和してこれ に適応するための人々の能力強化のために、加盟国に対する支援を強化する。 MABは、サステイナビリティ・サイエンスや教育を通して学んだ教訓を生かし、 最新かつ開かれた透明性の高い方法を利用して情報を伝達し、共有する。MAB は、生物圏保存地域世界ネットワーク(WNBR)の全メンバーがその基準を守 るよう効果的で定期的な審査プロセスを実施すること、MAB と WNBR 内の統 治、連携及びネットワーク作りを改善すること、そして、長期的な実行可能性 を確保するために有効な外部との連携を構築することによって、WNBR が効果 的で機能的な、持続可能な開発のためのモデルで構成されるよう確保する。MAB と WNBR は、持続可能な開発目標(SDGs)に向けて努力し、生物保存地域内及 び、生物圏保存地域で発展した持続可能な開発モデルの世界的な普及を通して 持続可能な開発のための 2030 アジェンダの実施に貢献する。この貢献は、ビジ ョン及び使命、一連の戦略目標及び戦略行動分野並びに 2016 年にまとめられる 予定の関連の行動計画からなる現行の戦略を通じて行われる。
「MAB戦略 (2015年~2025年)」及び「リマ行動計画(2016年~2025年)」
MAB戦略(2015年~2025年)は、2015(平成27)年5月、第27回MAB計画国際調整理事会(ユネスコ本部)において採択されました。
また、あわせてMAB戦略の効果的実施のための具体的な行動について定めたリマ行動計画(2016年~2025年)が、2016(平成28)年3月に、第28回MAB計画国際調整理事会(ペルー・リマ)において採択されています。
なお、MAB戦略及びリマ行動計画は、ユネスコの中期戦略(2014年~2021年)やセビリア戦略及び生物圏保存地域世界ネットワーク定款に沿いつつ、マドリッド行動計画(2008年~2015年)の後継として策定されたものです。
生物圏保存地域(ユネスコエコパーク) について
特別名勝 御嶽昇仙峡
国・名勝「昇仙峡」覚円峰(かくえんぼう)
日本一の渓谷美、昇仙峡の主峰『覚円峰』はその昔、澤庵禅師の弟子僧侶覚円が畳が数畳敷ける広さの頂上で修行したことが、その名に由来します。全国観光地百選 渓谷の部第1位、平成百景 第2位を受賞した名勝です。
※『覚円峰』は花崗岩が風化水食を受けてできたもので、急峻で直立約180mあります。国の特別名勝にも指定されている御岳昇仙峡は、紅葉の名所として知られています。覚円峰をはじめ、渓谷内には奇岩が至るところに見られ、昇仙峡は10月下旬~11月中旬には紅葉が見ごろを迎えます。冬季は雪の降った覚円峰も風情があり、多くの観光客の被写体となっています。
雪化粧した覚円峰。昇仙峡観光協会芦澤会長によると「昇仙峡は山奥で雪が多いイメージがありますが、実際は少し積雪量が多いくらいで、降雪確率は甲府市とさほど変わりません」とのことです
仙娥滝(せんがたき)
富士川水系の荒川上流にある、山梨県を代表する景勝地の一つ昇仙峡の最奥部に位置します。昇仙峡のシンボルである覚円峰の麓にあり、この滝は地殻変動による断層によって生じました。花崗岩の岩肌を削りながら落下している滝で落差は30mあり、駐車場から徒歩約5分の場所に位置し、秋の紅葉シーズンのみならず、四季を通じて数多くの観光客が訪れています。
雪化粧した仙娥滝。同氏曰く「覚円峰と同様に積雪後の仙娥滝も魅力的です」
昇仙峡 遊歩道
全国観光地百選 渓谷の部第一位に選ばれました。この素晴らしい渓谷美が甲府駅から車で20分足らずの場所に存在することも驚異です。多くの観光客が紅葉を楽しみに川沿いの遊歩道を歩きます。春・夏は新緑を楽しみ、秋は紅葉を愛でながら、冬はウォーキング・ハイキング・ジョギングコースに四季を通じて楽しむことが出来る、まさにエコパーク。
石門(いしもん)
巨大な花崗岩に囲まれた石門(天然アーチ)は先端がわずかに離れスリリングな不安定さを満喫できます。石門をくぐりさらに上ると仙娥滝まで後少しです。逆に下ると長田円右衛門の碑まで数分でたどり着きます。
長潭橋(ながとろばし)
大正14年に竣工したアーチ橋で、建築雑誌にも取り上げられたこともある昇仙峡の玄関口として親しまれている歴史的有名な橋です。 ※ 山梨県甲府市平瀬町~甲斐市吉沢にあるアーチ橋。
1925年竣工され昇仙峡の入り口付近、荒川に架かっている県内最古のコンクリートアーチ道路橋です。2012年、土木学会により土木遺産に認定されました。現在新しい長潭橋建設に伴い付近のお店が一部取り壊されております。今後現在の橋は歩道として残すそうです。
天鼓林(てんこりん)
山梨県の天然記念物にも指定されている景勝地。林の中の限られた場所に立って足を強く踏み鳴らすと地中からポンポンと鼓の音に似た共鳴音が還ってくる。地盤が固い奥秩父の山中特有の現象で、特に昇仙峡の天鼓林は澄んだ良い音が響くことで有名です。
奇岩・奇石
渓谷沿いの遊歩道には、ユニークな名前がついた奇岩・奇石が多く見られます。想像を膨らませながら、日本一の渓谷を歩いて探してみましょう!あなただけの石に出会えるかもしえません。
写真の石は左から、オットセイ岩、大佛岩、寒山拾得岩、浮石と呼ばれる石です。
板敷渓谷 大滝(いたじきけいこく おおたき)
「板敷渓谷」を15分ほど歩くと高さ30mの華麗な幻の滝に出会えます。甲府駅から車で約40分、荒川ダムの先にある「板敷渓谷」は、昇仙峡の隠れたパワースポット、気軽に散策していただける美しい渓谷です。県道7号線甲府昇仙峡線を走り、荒川ダムをすぎて、荒川大橋を渡り左折道なりに進みます。左手に市営駐車場あり。駐車場から徒歩5分ほどで板敷渓谷の入口が右手にあります。入口から約15分で大滝にたどり着きます。(注意事項:滑る箇所がありますので、滑りにくい靴を着用してください。)
荒川ダム
奥昇仙峡の谷間に広がる雄大な荒川ダムは、甲府市の上水道の供給と洪水調整の多目的ダムで、貯水量1,080万トンのロックフィル式ダムです。
国内ユネスコエコパーク参考事例
「白山ユネスコエコパーク」10エリア
白山ユネスコエコパークは、北緯約36度・東経約137度、日本列島の概ね中央に位置しています。
エリアの中心には百名山/標高2,702mの白山があり、白山頂周辺の高山帯や亜高山帯を核心地域に、それを取り囲む広大なブナ林を緩衝地域に、その周りに広がる山村を移行地域に設定しています。
エリアは、4つの県と7つの市村にまたがっています。
・ 富山県/南砺市
・ 石川県/白山市
・ 福井県/大野市・勝山市
・ 岐阜県/高山市・郡上市・白川村
白山の北東側に位置する南砺市では、南西部の五箇山地域(旧平村、旧上平村)が白山ユネスコエコパークに含まれています。
標高1,500mの山々に囲まれ、清流「庄川」が南から北に流れています。五箇山は古くから白山を信仰対象とする修行の場として開かれ、中世には浄土真宗が広く浸透しました。一方で水利の不便な山間地であったため稲作は適さず、養蚕や木炭、和紙のほか、火薬の原料となる塩硝づくりが行なわれてきました。
また、「五箇山は民謡の宝庫」ともいわれ「こきりこ節」や「麦屋節」など、口頭伝承されて受け継がれてきた数多くの民謡があります。
伝統的な合掌造りの家とその歴史を秘めた山里の文化が、今も受け継がれており、平成7年(1995年)には『相倉』と『菅沼』の合掌造り集落が白川郷とともにユネスコの世界文化遺産に登録されています。
白川郷は、霊峰白山の東側に位置する急峻な山々に囲まれた農山村集落です。村全体が白山ユネスコエコパークに登録されています。面積の95%を森林が占め、庄川沿いの平地に集落があります。
冬には積雪が2mに達する豪雪地帯で、四季折々の美しい景色を堪能できます。
特に、白山の北側を縦断する山岳有料道路「白山白川郷ホワイトロード」では、白山の雄大な大自然を堪能することができます。
荘川地域では、自分たちで地域の課題を見つけ、課題の解決するため荘川地域の個人、事業者、行政が力を合わせてみんなでまちづくりを進めるという「協働のまちづくり」を推進しており、「豊かな自然と文化に誇りを持ち いつまでも住み続けたいと思うまち」というビジョンのもと、地域に住み続けたいという思いを育てるための活動を行っています。
高山市は面積が日本一広い市で、西部の荘川地域が白山ユネスコエコパークに含まれています。
荘川地域は白山の南東側に位置し、白山への登山道こそないものの、白山神社が7社あり、白山信仰が地域に根付いている。旧荘川村の村民憲章では「わたくしたちは、霊峰白山を仰ぎ、清流庄川の源に住む荘川村民です。」と制定し、白山がもたらす自然に感謝し、美しく豊かな郷土を築くことを目指して生活してきました。
現在は、「荘川町まちづくり協議会」と高山市が連携し、荘川町のまちづくりビションである「豊かな自然と文化に誇りをもち いつまでも 住み続けたいと思うまち」のもと、荘川ならではの特色や荘川らしさ(自然、景観、文化、雪国ならではの暮らし、人柄)を見つめ直し、地域に誇りをもち、地域が一丸(協力)となって守り生かしながら、荘川を維持するための取り組みを進めています。
高鷲地域は高原特有の冷涼な気候となっており、ひるがの高原には高層湿原植物群落が広がっています。この自然環境を活用して、夏は避暑地、冬はスキーやスノーボード等のウィンタースポーツのメッカとなっています。 また、この気候特性を活かした農業が盛んで、だいこん、にんじんなどの高冷地野菜の栽培、酪農による乳製品が生産されています。この地域の農業の発展は、先人たちが厳しい自然環境に耐えながら農地を開拓した努力の成果です。
白鳥エリアは、白山の南方に位置し、山々や長良川、石徹白川などの清流に恵まれた自然豊かな里です。白山ユネスコエコパークのエリアは、旧北濃村、旧石徹白村となっており、のどかな山村風景が広がっています。
冬には多くの雪が降り、夏も冷涼な気候であることから、この自然環境を活かしてトウモロコシ栽培や、ウインターリゾートとして多くのスキーヤー、スノーボーダーが訪れます。
このエリアの社寺には多くの絵画や仏像等の文化財が残され、また、伝統芸能である「長滝の延年」「拝殿踊り」「石徹白民踊」などが伝承され、白山麓に伝わる歴史文化に触れることができます。
尾口・吉野谷エリアは、主に手取川支流の尾添川沿い位置し、白山市と白川村を結ぶ豊かな自然のなかを通り抜ける白山白川郷ホワイトロードと、白峰エリアから白山に至る街道との分岐点がある場所です。
ここは、山間地の険しい谷合地形で、その中に開けた台地が中宮・尾添集落です。中宮は、険しい山岳修験を行う修験者の拠点となりました。修験者たちは、中宮を拠点に白山山頂に向かう加賀禅定道に浄土の風景を求め、修行を行っていました。
明治維新の廃仏毀釈により、禅定道の堂社は破壊され、中の仏像は尾添の白山下山仏社に祀られています。
白峰エリアは、白山の北西側の麓に位置し、平年の積雪が2メートルを超える周囲を山々に囲まれた豪雪地帯であり、そのため、雪とともに生きる独特の生活様式を生み出してきました。
山間地の狭い河岸段丘面上に密集して形成された集落は、平成24年に、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、土蔵のような造りの母屋は、半間幅の縦長窓を持つ2~3階建ての大壁が特徴的であり、かつて養蚕を主産業の一つとして発展した歴史を伝えています。
また、平成2年から毎年「雪だるままつり」という、雪を使ったイベントを実施、集落一帯に約2,000個の雪だるまや雪像が造られ、雪を楽しむ行事として定着しています。
白峰エリアは、白山の北西側の麓に位置し、平年の積雪が2メートルを超える周囲を山々に囲まれた豪雪地帯であり、そのため、雪とともに生きる独特の生活様式を生み出してきました。
山間地の狭い河岸段丘面上に密集して形成された集落は、平成24年に、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、土蔵のような造りの母屋は、半間幅の縦長窓を持つ2~3階建ての大壁が特徴的であり、かつて養蚕を主産業の一つとして発展した歴史を伝えています。
また、平成2年から毎年「雪だるままつり」という、雪を使ったイベントを実施、集落一帯に約2,000個の雪だるまや雪像が造られ、雪を楽しむ行事として定着しています。
大野市は福井県の東部に位置し、日本百名山の一つである荒島岳など白山の支脈の山々に囲まれ、清らかな水と豊かな食に恵まれた、歴史、文化、伝統が息づく県の東の玄関口として発展してきました。中心部には、織田信長に仕えた武将である金森長近が築城した大野城を中心に城下町が広がり、その歴史的な風情やまちなみから、北陸の小京都と呼ばれています。
大野エリアでは、市北東部の阪谷地区、五箇地区の集落などが白山ユネスコエコパークとして登録されています。エリア内には六呂師高原や刈込池などの観光名所が点在し、四季折々の自然を満喫できます。
和泉地区(旧和泉村)は、大野市の東部に位置し、東は岐阜県に隣接、四囲山岳を形成し、中央を九頭竜川が東西に貫通しています。九頭竜川の北部が和泉エリアとして白山ユネスコエコパークに登録されています。
人口は昭和40年に5,723人でありましたが、昭和43年の九頭竜ダム完成や昭和62年の日本亜鉛鉱業中竜鉱山の採掘中止などが影響し、平成2年には846人まで激減しました。
このような中、地域の特性を生かしたむらづくりとして、観光と農林水産等地域産業の連携による内発的地域振興を目指してきました。その後、平成の大合併により平成17年11月7日に大野市と合併し、現在に至ります。
白山
白山信仰と白山比咩神社
石川、福井、岐阜の3県にわたり高くそびえる白山は、古くから霊山信仰の聖地として仰がれてきました。ふもとに暮らす人々や遥かに秀麗な山容を望む平野部の人々にとって、白山は聖域であり、生活に不可欠な“命の水”を供給してくれる神々の座でした。
やがて山への信仰は、登拝という形に変化し、山頂に至る登山道が開かれました。加賀(石川県)の登拝の拠点として御鎮座二千百年を越える白山比咩神社は、霊峰白山を御神体とする全国白山神社の総本宮です。
今号は、ユネスコエコパークの新規申請登録地の内容を中心にご紹介いたしましたが、国内ユネスコエコパーク参考事例「白山ユネスコエコパーク」10エリアは、春夏秋冬、四季を通じて衣食住や伝統文化・芸能・祭、工芸、高山植物や自然環境さらに心身を癒してくれる水・森・温泉等々・・・それぞれのエリアでしか味わうことのできない貴重なものが沢山あります。何十年、何百年・・・と住民の皆さんの力で絶やすことなく受け継がれています。
是非、現地を訪ね体験してみてください。
白山については、これまで個々にご紹介したエリアもありますが、機会を見つけできれば「白山ユネスコエコパーク」として、白山ユネスコエコパーク協議会様にご協力いただき、詳しくご紹介したいと思っております。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
文部科学省 〒100-8959 東京都千代田区霞が関三丁目2番2号 電話:03-5253-4111(代表)
農林水産省 〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1 電話:03-3502-8111(代表)
環境省 〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館
TEL 03-3581-3351(代表)
白山ユネスコエコパーク協議会 〒924-8688 石川県白山市倉光二丁目1番地
TEL:076-274-9564
甲武信水の森ユネスコエコパーク登録推進協議会 事務局
(山梨県森林環境部みどり自然課内)
〒400-8501 山梨県甲府市丸の内一丁目6番1号 TEL:055-223-1522
川上村役場 〒384-1405 長野県南佐久郡川上村大字大深山525 電話番号:0267-97-2121
(一社)信州千曲観光局〒389-0821 長野県千曲市上山田温泉2-12-10千曲市総合観光会館
TEL:026-261-0300
関東森林管理局 〒371-8508 群馬県前橋市岩神町4-16-25 電話:027-210-1155(代表)
昇仙峡観光協会 〒400-1217 山梨県甲府市猪狩町441電話:055-287-2158
白山本宮・加賀一ノ宮 白山比咩神社 〒920-2114 石川県白山市三宮町ニ105-1
TEL (076)272-0680
環白山広域観光ガイド ウェルカム白山 〒920-2121 石川県白山市鶴来本町2-ワ121
TEL:076-255-7655
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