国の重要無形民俗文化財に指定されている『古式十二段舞楽』は毎年4月に奉奏されます。
この『古式十二段舞楽』は、今より1300年程前の飛鳥時代末にあたる大宝元年(701年)
天皇よりの使者「勅使(ちょくし)」によって小國神社に奉奏された、十二段の舞からなる舞曲です。
<五番 太平楽(たいへいらく)> 子ども達による「稚児舞」で乱世を正す舞と伝わります。
勅使によって伝えられた『十二段舞楽』は当地で脈々と受け継がれ、
昭和57年「遠江森町の舞楽」として国指定無形民俗文化財となりました。
現在では、大神様への真心をもってご奉仕をする人々からなる
「小國神社古式舞楽保存会」がその伝統を守り伝えています。
<八番 二の舞(にのまい)>七番「安摩(あま)」を真似る老爺と老婆を演じます。
「二の舞を演じる」の語源です。
『古式十二段舞楽』の奉奏は第一日目に全体を短縮して行う「試楽(しがく)」と 第二日目の小國神社「神幸祭(しんこうさい)」に合わせて行われる正式なものと、2日間行われます。
<二番 色香(しきこう)>円盤を背負い鏡写しのように二人で舞います。
それではここで、神社では大変に珍しいアニメーションを使った小國神社の由緒を伝える特設サイトをご紹介いたします。恐らく、全国の神社でもこういった試みはされていないのではないかと思います。
アニメーションをご覧いただくと、大変にわかりやすく大人から子供まで楽しみながら神社の歴史を知ることができる内容になっています。
「百聞は一見に如かず」と申しますので是非ご覧ください。
(以下のスペシャルムービーのURLをクリックしてください)
小國神社ものがたり~ご祭神とともに~
スペシャルムービー「小國神社ものがたり」http://okunijinja.or.jp/monogatari/
小國神社のご祭神「大己貴命(だいこく様)」は、遠江國(※)の護り神として 1460年以上も昔から私たちを見守っています。 この物語には「だいこく様がはじめて現れた場所の本宮山(森町)」や「戦国時代の小國神社と徳川家康公」、「縁結びのご神木 ひょうの木伝説」、「1,300年以上もの永きにわたり神様に捧げられている十二段舞楽」などのお話が表現豊かに描かれています。
※大井川から浜名湖までの地方。現在は遠州地方とも呼ばれています。 だいこく様がはじめて現れた場所本宮山(森町)
全長約7mの大型絵巻物作品
「小國神社ものがたり」
この物語は、絵本・造形作家のたたらなおきさん、地域のお母さん方が中心となって日本の神話の詠み聞かせ活動を行っている「日本の神話に親しむ会」の皆さん、地元の皆さん、神職さんなど多くの人々のご縁によって完成し、奉納されたものです。
※平成28年5月29日 大型絵巻物語「小國神社ものがたり」ご神前へのご奉納
だいこく様がはじめて現れた場所本宮山(森町)
だいこく様と女神様 縁結びのご神木 ひょうの木伝説
戦国時代の小國神社と徳川家康公
◆古代より受け継がれる伝統◆
国指定無形民俗文化財『古式十二段舞楽』のご案内
1300余年の伝統の舞楽 ~その歴史~
小國神社の古式十二段舞楽は、国の安寧と遠江国(現在の遠州地方)の発展を願い、大神様への真心(まごころ)をもって奉納することを本義としています。
毎年4月18日に近い土曜日、日曜日にほぼ1日かけて奉奏。
この日付は、欽明天皇の御代16年(555年)春十八日に本宮山(現在は小國神社の奥宮、奥磐戸神社が鎮まっています)にご神霊が出現したと伝わる小国神社の創建に深く関わっています。
大宝元年(701年)2月18日には、勅使(天皇の使者)が当地へ出向き、現在の社地に里宮を開き、十二段の舞を奉納したことが舞楽の始まりと伝承。
江戸時代には鈴木左近家が代々指南役を継承していましたが、現在は「遠江国一宮小國神社古式舞楽保存会」として組織され、指南役や師匠を中心として小國神社氏子青年会の協力のもと一体となり保存伝承。
昭和57年1月23日文化庁より「重要無形民俗文化財」に指定され、平成15年9月14日には、秋篠宮文仁親王同妃紀子殿下が御親拝の折、当社の古式十二段舞楽をご覧遊ばされました。
奉納演目
当地では、古くは舞楽(ぶがく)とは言わず、舞物(まいもの)と呼び親しんできました。12段のうち6段を舞い子に選ばれた子供が舞います。舞い子は「稚児舞(ちごまい)」と太平楽の「太刀(たち)」とに区別されます。
稚児舞の連舞(れんぶ)・蝶の舞・鳥の舞・神まっく(しんまっく)・抜頭(ばとう)と習得して、太刀の太平楽でご奉仕の務めを終えます。
舞い子には序列があって、舞台前列の右から稚児(太刀)の1・2、後列の右から稚児(太刀)の3・4となり、年齢の低い者が4に、そして順に1まで上がります。
この他の色香・安摩(あま)・二の舞・陵王(りょうおう)・納蘇利(なっそり)・獅子(しし)は大人(16歳以上)が舞う大舞(ふとまい)です。その多くが舞い子として奉仕を経験した子供たちが大舞を継承します。
江戸時代、大舞は神社周辺の氏子が舞っていましたが、色香舞だけは神職の役とされていました。
楽の今
小國神社の舞楽では、多くの演目を稚児である子供たちが舞い、奉納しています。
この子供たちは、奉納日から数えて3週間前から稽古し、1週間前には神社内の施設に合宿をします。子供たちは、ただ舞楽を習うのではなく、稽古や集団生活を通して様々な体験をし、一回りも二回りも精神的に成長し親元へ帰ります。
舞の指導を行う小國神社古式舞楽保存会の会員は、子供や若者たちに舞楽の「技と心」を教えることで、舞楽の「伝統」と「精神」を次世代へとつなげようとしています。
幽玄の伝統に込められた意味
舞楽を伝承することは、「地域の文化」を護り伝えることです。そして、地域の文化を護り伝えることは「日本文化」全体の継承に大きな貢献を果しています。
古式十二段舞楽 ~未来へ~
小國神社の舞楽は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。一方で、国内には多くの立派な「有形」の文化財も多くあります。
「有形」の文化財は自然災害などでいとも簡単に崩れ去ってしまうことがしばしばありますが、「無形」のものはそうではありません。人々が神々を敬う心を持ちながら、「技の伝承」、「心の伝承」により長い月日を経て受け継がれてきた神事祭礼文化は、その真心(まごころ)を失わない限り、何度でも蘇ることができます。それが「無形」の精神文化の伝承であり、日本の誇るべき伝統です。
小國神社が鎮座する森町には、小國神社の古式十二段舞楽を含めて国指定重要無形民俗文化財に指定を受けた舞楽(天宮神社十二段舞楽・山名神社天王祭舞楽)が三つも現存しています。当地にこれだけの伝統芸能が今も継承されているのは、ご奉仕を続けている地域の人々が常に神々を敬う心をもって奉納されてきた証です。
今後とも地域の皆さま、伝統文化の継承について深い理解とご協力をされている皆さま、そして神社の不断の努力によってこの伝統をいつまでも護り伝えていかれることでしょう。
遠江国一宮小國神社「古式十二段舞楽保存会」会員募集
古式十二段舞楽保存会では、国家の安泰と遠江国の安寧・豊穣を祈る小國神社の古式十二段舞楽を永久に保存伝承し、伝統文化を通して広く人格の形成を培うとともに、神社及び地域の発展、隆昌を図ることを目的としています。
遠江国一宮小國神社「古式十二段舞楽賛助会」会員募集
古式十二段舞楽賛助会では、遠江国一宮小國神社古式舞楽保存会の趣旨に賛同していただける個人・法人を募っています。例祭期間中に奉納される古式十二段舞楽の拝観ご招待状が送られます。
詳しい内容やご入会・お問い合わせ
遠江国一宮小國神社古式舞楽保存会事務局 TEL/0538-89-7302
遠江国一宮小國神社「古式十二段舞楽」
番外/花の舞(はなのまい)
祓の舞で、奉仕者は舞人以外の伶人また神職で奏楽に合せ竹の筒から切麻を振って祓います。
一番/連舞(えんぶ)
舞楽の始めに行う舞で「神に供へる又は押し鎮める」の意があります。
舞人は稚子2人で緋袍に天冠を冠り鉾をとって舞います。
二番/色香(しきこう)
大人2人で典雅な白色の面に裂布の垂れた独特の上衣に紫の袴をつけ背に円板をつけ、桴を手に曲に合わせて動きも大きくゆるやかに舞います。
三番/蝶の舞(ちょうのまい)
舞人は稚子4人で布衣をつけ天冠を冠り胡蝶の花に遊ぶさまをして舞います。
小國神社の舞楽古伝書に依れば庭小鳥とあります。
四番/鳥の舞(とりのまい)
蝶の舞と同じく稚子4人で、鳥の飛び遊ぶ姿をして舞います。
装束も蝶の舞と同じですが、舞の手が異なっています。
五番/太平楽(たいへいらく)
乱世を正すというめでたい舞です。俗に”太刀舞”と言い子供4人鳥兜に裲襠装束で鉾を持ち勇壮華麗に舞います。「太刀の一人舞」は独特の舞手です。
六番/新まっく(しんまっく)
小國神社では古くは「神麻久」と言い、舞人は子供4人で樺色の布衣を着けて笏を持って舞います。
七番/安摩(あま)
紙の仮面に巻纓の冠を被り青色の狩衣に笏を持って舞います。楽器は太鼓と鉦鼓で、唱歌により拍子をとって舞います。本来二人舞であるが当神社では一人舞です。
八番/二の舞(にのまい)
安摩の答舞で次いで舞います。番舞(つがいまい)で安摩を真似得ない姿を舞うと言う翁媼のいわゆる戯舞で見るものを思わずほほえませます。
九番/陵王(りょうおう)
竜頭を頂いた鼻のとがった目の鋭い恐ろしい面をつけ一尺余の桴を持って舞います。
装束は赤色かかった裲襠を用いて舞は走舞で鮮やかなものです。
十番/抜頭(ばとう)
稚子の”一人舞”と言い子供1人天冠をつけ白地に刺繍の装束で舞います。
2日目には「座頭の坊」と称する子供と大人の争うさまを舞います。
十一番/納蘇利(なっそり)
裲襠装束で恐ろしい紺青色の面をつけ桴を持って舞います。
走舞で動作は元気があって面白く竜の舞跳る趣があり活発な中にも荘重の感が深い舞です。
十二番/獅子(しし)
俗に”獅子伏せ”と言い大人3人で舞います。悪魔払いとも五穀豊穣の祈りとも伝えられ、祝儀舞です。
舞曲共に勇壮かつ華やかに舞います。
「神幸祭(しんこうさい)」斎行
舞楽が奉奏される日には「神幸祭(しんこうさい)」を執り行います。
1年で唯一、大神さまがお神輿に乗ってお出ましになる大変めでたいお祭りです。
このお神輿に付き従い『古式十二段舞楽』を奉仕する舞人(まいびと)などが行列を成します。
また門前の明神通りから小國神社へと向かう「勅使行列(ちょくしぎょうれつ)」が行われます。
この「勅使行列」は勅使が小国神社に遣わされた当時を想わせるものです。
小國神社とご神域が時代絵巻につつまれる1日となります。
この貴重な1日に、ご家族、ご友人などお誘いあわせて、ご参拝されては如何ですか。
御神札まつり箱
神杉の木霊(かみすぎのこだま)
御神域で育まれた「神杉」を使い清浄に奉製したあたらしいかたちの神棚
(小國神社オリジナルデザイン)
輝く太陽や広がる海、遠くに連なる山々、清らかに流れる川、そよぐ風、そして大地。
日本人は、古より、豊かな自然の恵みを受けて、生活をしてきました。
豊かな実りのなか、命が生れ、育ち、繁栄をもたらす自然の営みは時に、日照りや豪雨、地震や津波 そして火山の噴火など、私たちの生命を奪うほど大きな力を持ち合わせています。
人々はこのような自然の営みに神々の力を感じ、この「自然を生み出したもの」に「敬意」を表わしておまつりしました。
私たちはこうして、日々の生活の中で神さまを身近に感じてきました。
「神杉」
ご神域で育まれた神聖な杉の木
遠江國一宮 小國神社は、約三十三万坪に及ぶ広大な「鎮守の森」の中に鎮座しています。
この壮厳なご神域には、樹齢数百年を経た丈余の杉が鬱蒼と繁り、自然の力強い生命力が満ち溢れています。
「鎮守の森」に育つ杉は、小國神社の祝詞において「神杉」と表わされるように、神々が宿る杉として今に譲り伝えられています。
「だいこく様」 人々の良縁を結ぶ神さま
「日本の国を作られた神さま」としてまた、神話「因幡の白うさぎ」に記されるように「傷ついたうさぎを助けた心のやさしい神さま」として広く親しまれています。
国土経営開発・諸行繁栄のご神徳はもちろん、近年では「良縁を結ぶ神さま」としても篤く崇敬されております。
「打出の小槌」
大いなるご神徳の象徴
だいこく様のお姿は頭巾をかぶり、左肩には袋を背負い、右手には打出の小槌を持ち、米俵の上に座っている姿が広く知られています。
「打出の小槌」は振ると様々なものが出てくると伝わる福徳円満の宝器です。
「打出の小槌」をお持ちのお姿はその大いなるご神徳の象徴でもあります。
「神棚」
生活の中に「感謝」を伝える「祈り」の場を
生活スタイルや住宅環境が変化し、「かみだな」のあり方も一つだけではありません。 大切な事は、「感謝」の気持ちを伝える「祈り」の場を設けて神さまに心静かに手を合わせることです。
「お神札を丁寧におまつりしたいけれども、従来の宮方や神棚は住まいに合わず、粗末にあつかいたくないので困っている」との声が多く聞かれます。
そのような中、ご神域で育まれた「神杉」を使い、現代の住環境に馴染む「かみだな」のとして「御神札まつり箱」を奉製いたしました。
御神札まつり箱
「神杉の木霊」
木目も色合いも一つ一つ違う特別な授与品です。
和室・洋室問わず様々な環境に馴染じむ落ち着いた佇まいで、お神札を汚れやほこりから守り、丁寧におまつりする事ができます。
壁に大きな穴を開けることなく壁に掛け出来る事が出来ます。
お神札は上蓋を外し、神宮大麻(小)や小國神社のお神札などの一般的な紙製のお神札を三体納めることができます。
「神杉の木霊」
そのひとつひとつに大神様のご加護が宿ります
御神札まつり箱「神杉の木霊」は授与所にて
初穂料五千円也にて限定授与しております。
実物は参拝者休憩所にも展示をいたします。
ご遠方の方には発送も受付けしておりますのでご連絡下さい。
小國神社 社務所/0538(89)7302
ご家庭でのおまつりの場所
「南向き」または「東向き」の 「明るく静かな高い場所」におまつりしてください。
一日が始まる朝日や日中の太陽など日当たりを考慮して、神さまを敬うためです。毎日お参りする場所ですので、家族の親しみある場所が良いでしょう。
階段の下や部屋の入口など人通りの多い場所は避けるとよいでしょう。
また、適切な場所がない場合には、方角にこだわりすぎずにおまつりしてください。
お神札の納め方
神杉の木霊の上蓋は簡単に外すことができますので、上部からお神札を納めて下さい。
お神札は正面手前から、
「神宮大麻」「氏神様のお神札」「崇敬する神社のお神札」の順に納めます。
おまいりのしかた
おまいりの作法は「二拝二拍手一拝」が基本になります。
神さまに向い、頭を垂れ、心を整え、日常の感謝の気持ちを素直に伝えましょう。
お供えができるようであれば「米・酒・塩・水」をお供えした後におまいりしましょう。
まだまだご紹介したいことは山ほどありますが、この後は年間通して行われる祭事の時期に合わせてご紹介したいと思います。
今回の取材にご協力いただきました「遠江国一宮 小國神社」宮司様並びに、ご担当の広報課 権禰宜 打田雅臣様に感謝申し上げます。
協力
遠江国一宮 小國神社 〒437-0226 静岡県周智郡森町一宮 3956-1 TEL/0538-89-7302
鎹八咫烏 記
伊勢「斉宮」の明和町観光大使
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。
遠江国一宮 小國神社
小國神社の御祭神は「大己貴命(おおなむちのみこと)」です。一般には「大国様」 の名前で親しまれており、神話「因幡の白うさぎ」で赤裸のうさぎを助けられたのもこの神様なのです。
遠州の小京都とも称されるこの森町は四季折々の風景が美しく、3月下旬から4月上旬にかけては満開の桜が咲き誇り、5月下旬から6月中旬にかけては花菖蒲。そして、紅葉の時期には彩り鮮やかな木々たちが観光客の目を楽しませてくれます。
交通アクセス
新東名高速道路「遠州森町スマートIC」から約7分、小國神社へ最も近いインターです。
東名高速道路「袋井IC」より約20分(案内看板をご利用ください。)
JR新幹線「掛川駅」より約40分 天竜浜名湖鉄道「遠江一宮駅」より、送迎マイクロバス(日曜日運行)にて約10分
無料駐車場 約800台収容できます。大型バスは専用駐車場があります。
参拝時のご休憩やお土産処
小國ことまち横丁
小國神社一の鳥居すぐ横にあります
「ことまち」とは願いを待つ、願い事のまま叶うという意味です。
どうぞお立ちよりください。
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