ZIPANG TOKIO 2020「白山信仰と白山比咩神社『奥宮』開山1300年を迎える (続編その2)」


白山信仰と白山比咩神社

石川、福井、岐阜の3県にわたり高くそびえる白山は、古くから霊山信仰の聖地として仰がれてきました。ふもとに暮らす人々や遥かに秀麗な山容を望む平野部の人々にとって、白山は聖域であり、生活に不可欠な“命の水”を供給してくれる神々の座でした。 やがて山への信仰は、登拝という形に変化し、山頂に至る登山道が開かれました。加賀(石川県)の登拝の拠点として御鎮座二千百年を越える当社は、霊峰白山を御神体とする全国白山神社の総本宮です。



白山比咩神社略年表



御祈祷・ご参拝

神社の誕生以前、古い時代には、山や川など、自然に神が宿ると考えられていました。その頃は、神は祭祀のときになると別の場所から招かれ、終わればそこを離れるとされていましたが、次第に神の訪れる聖域が定まり、それが神社のはじまりとなりました。今日神社は、集落はもちろん、無人島や山頂、岬など、全国のいたるところに鎮座しています。年が明けると、多くの人がまず神社に行き、幸多き一年であることを祈る初詣をはじめ、人生の節目ごとに訪れるなど、日本人はこれまで長い年月、神社を心のよりどころとして暮らしてきました。

歳時記

古くは一定の場所に定住していなかった神が、決まった場所=「神社」に鎮座するようになると、共同体で暮らす人々の繁栄を願うことを目的としたさまざまな祭事が行われるようになりました。 日本人の暮らしは農業と深いかかわりがあるため、春と秋には、五穀豊穣を祈る「祈年祭(きねんさい)」や収穫に感謝する「新嘗祭(にいなめさい)」など、農耕のサイクルを基本とした祭りを行い、それ以外では、6月と12月に、半年間の罪・穢れを祓う大祓(おおはらえ)を行うようになりました。 人々は、神に供物を捧げ、歌舞音曲を演奏し、共に飲み、食べることで人と神との関係を強めたいと願い、郷土色豊かな祭りは今日まで各地に受け継がれています。 

 
境内のご案内

本宮と奥宮

養老元年(717)、初めて白山に登拝した僧泰澄は、翌年山頂に奥宮を建立しました。泰澄の登拝以来、白山信仰は急速に全国へと広まり、各地に白山登拝の拠点となる馬場(ばんば)が設けられました。その中で、加賀(石川県)馬場として栄えたのが、白山比咩神社を中心とした白山七社でした。 
白山比咩神社の本宮は、県内一の大河「手取川」と奥獅子吼山(928m)に挟まれた平坦地にたたずみます。47000m²もの広大な境内には、天に向ってそびえる古木に抱かれるように社殿が並び、御力(みちから)に満ちた神域にふさわしい厳かな雰囲気が漂います。

※ここからは、上記マップの「奥宮」から「かたがり地蔵」まで順番にご覧いただけます。

奥宮

白山山頂にある奥宮へは、石川県白山市白峰から別当出合登山口まで行き、そこから登るルートが一般的です。標高2450mの室堂には、奥宮登拝の拠点となる白山比咩神社の祈祷殿(きとうでん)や、一般登山者のための宿泊施設があります。室堂から約40分の御前峰(ごぜんがみね)山頂付近に鎮まる奥宮は、養老2年(718)に創建。現在の一間社流造り、檜造りの社殿は、昭和63年(1988)に建立されたものです。

一の鳥居から表参道

神域への玄関にあたる鳥居。曲線を用い、装飾を施した明神型の大鳥居は高さが6.4mもあり、石造りでは日本有数の大きさです。この鳥居は、昭和11年(1936)に建てられたものですが、白山比咩神社には長らく鳥居がなく、白山七不思議のひとつといわれていました。一の鳥居の奥に、杉や欅(けやき)、楓(かえで)などの樹木に覆われたおよそ250mの表参道が続きます。

琵琶滝

表参道の中ほどにある滝。清冽な谷水を手取川に注いでいます。

御神木(老杉)

表参道手水舎前にあり、注連縄が掛けられています。根元の周り約12m、胸高幹周り約10m、樹高約42mの巨木で、樹齢はおよそ800年といわれています。(白山市指定天然記念物)

 大ケヤキ

境内神門前にあり、堂々とした姿が目を引きます。胸高周り約5m、樹高25m、推定樹齢は1000年と伝わっています。(白山市指定天然記念物)

神門

一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居をくぐった先にあり、神門越しに望む拝殿は風情が感じられます。

外拝殿

切妻造り、銅板葺き、檜造りの優美な姿の外拝殿。もともとは、大正9年(1920)に建てられた旧拝殿でしたが、昭和57年(1982)の増改築で外拝殿になりました。その後ろに、直会殿(なおらいでん)、拝殿、幣殿(へいでん)、本殿までが一直線に並びます。

直会殿

直会とは、神事の最後に神饌(しんせん)や神酒を参加者一同で分かち、飲食する行事です。現在の建物は、大正9年(1920)に建てられた旧幣殿を昭和57年(1982)に直会殿としたものです。

幣拝殿

拝殿は、人が神様に対して拝礼する場所です。拝殿と幣殿は一体化しており、内部は総檜造りで、本殿とは30段の木階登廊で結ばれています。

本殿

ご祭神である白山比咩大神(菊理媛尊)を祀る社殿です。江戸時代の明和7年(1770)に、加賀藩10代藩主前田重教(しげみち)の寄進によって造営されました。造営は、前田家御抱(おかか)えの大工や地元の職人の手で行われました。

御神木(三本杉)

昭和58年(1983)の5月21日に石川県で開催された「第30回全国植樹祭」において、昭和天皇が境内の杉の種をお手まきされました。この杉は、その時の苗木を御神木として植樹したものです。

遊神殿

平成20年(2008)に御鎮座二千百年を迎えたことを記念して、平成19年に新築されました。参拝者の受付、控室、休憩所として利用されています。

手水舎

清冽な水があふれる手水舎。建物の柱には、神社のある旧鶴来地区ゆかりの木彫りの獅子があります。表参道、北参道、南参道の3カ所にそれぞれ趣の異なる手水舎があります。

白山霊水

延命長寿の霊水として名高い白山水系の伏流水。北参道手水舎横に湧き出ており、遠方から水を汲みに来られます。

白山白光苑

昭和33年(1958)に境内の北東に造られた自然にあふれた庭園。鬱蒼(うっそう)とした木々が一帯を覆い、静寂な雰囲気が漂います。

神馬舎

白山比咩大神を乗せて白山に登拝するといわれる神馬の姿を、白山麓の大欅を素材に奉製。絢爛豪華な装飾が見事です。

芭蕉句碑

元禄2年(1689)に、奥の細道の途次の松尾芭蕉が、白山の姿に感銘を受けて詠んだ句が刻まれています。 『風かをる 越(こ)しの白嶺(しらね)を 国の華  翁』

荒御前神社

神門の傍らに鎮座する境内摂社※。荒御前大神、日吉大神、高日大神、五味島大神の4柱が祀られています。荒御前大神は、『日本書記』の中に、神功皇后(じんぐうこうごう)が朝鮮半島に出兵した際、守護した神として登場します。

※白山比咩神社の境内外にわたってあり、白山比咩神社の祭神と縁故の深い神を祀った神社。それ以下は末社(まっしゃ)という。


白山奥宮遥拝所

離れたところから白山山頂の奥宮を拝む遥拝所。神門をくぐった右側にあり、大汝峰、御前峰、別山の「白山三山」の形をした大岩が祀られています。毎月1日と15日の月次祭(つきなみさい)では、神職による遥拝が行われています。

禊社禊場

体を清め、罪やけがれを洗い流す場。平成18年に造られた禊場には、白山の伏流水を利用した滝もあり、荘厳な雰囲気が漂います。

住吉社

禊場の横に鎮座する境内末社。住吉社は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉(よみ)の国から戻って禊を行った際に生まれた底筒男尊(そこつつのおのみこと)、中筒男尊(なかつつのおのみこと)、表筒男尊(うわつつのおのみこと)の三柱をご祭神とし、禊祓いの神として崇敬されています。

白山比咩神社宝物館

当社は古来より、広く信仰・崇敬の対象となってきたことから、大変貴重な宝物を数多く所蔵しています。個々の宝物は、歴史的・文化的価値もさることながら、その時代ごとの特色や世情も伝え、そこからは悠久の歴史ロマンを感じることができます。  

白山比咩神社古宮跡

白山に源を発する手取川の川岸にある旧鎮座地。霊亀2年(716)から文明12年(1480)までこの地に鎮座していました。現在は、手取川扇状地を潤す七ヶ用水の水門を守る水戸明神があります。

舟岡山

標高178m、白山比咩神社創祀之地(そうしのち)。白山比咩神社がはじめて鎮座した場所であることを示す顕彰碑がたてられています。近くには、縄文時代の舟岡山遺跡や舟岡城跡もあり、遊歩道が整備されています。

かたがり地蔵

泰澄の作ともいわれる地蔵菩薩。最初の鎮座地である舟岡山にあった磨崖仏※で、明治時代になって現在の場所に移されました。箸を奉納して祈願すれば、歯の病気に霊験があると伝わります。
 ※自然の巨石や岩壁に彫刻した仏像で石仏の一種。

白山の四季

白山の夏

白山の秋

白山の冬

白山の頂上に続く道

白山の雲海



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使



協力(順不同・敬称略)

白山本宮・加賀一ノ宮 白山比咩神社
〒920-2114 石川県白山市三宮町ニ105-1 TEL (076)272-0680 FAX (076)273-0933

環白山広域観光ガイド ウェルカム白山 〒920-2121 石川県白山市鶴来本町2-ワ121
TEL:076-255-7655 FAX:076-255-7478

ZIPANG TOKIO 2020

2020年、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。 この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、伝統芸能、行事、風習、ものづくりの技の美等、 サイトを通じて、平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです

もしもこのサイトに同じ思いをお持ちの皆様から、素敵な情報や画像をお寄せ戴ければこの上ない喜びです。以下のEメールアドレスへご連絡下さい。

E-mail aromajinja@gmail.com ( ZIPANG 2020 編集部 )。

2020, will be held the Olympic Games and Paralympic in Tokyo.

On this occasion, for the little-known beauty of the spiritual culture and national land of Japan to the people of the world I think that if we help to re-discover.

Climate, nature of the four seasons, of food, clothing and shelter cultural beauty, traditional arts, events, customs, beauty, etc. of the work of making things,

Through the site, peaceful country, a strange country, if the interest is more depth or round to ZIPANG Japan, is where I want secretly.


写真ご協力:高山祭(高山市)/ 富士山(富士市)

ZIPANG TOKIO 2020

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