位置と気候
奄美大島は、鹿児島本土と沖縄県のほぼ中間に位置しています。
宇検村は、その奄美大島の南西部に位置し、海抜694mの標高を持つ「湯湾岳」を中心とした高い山々が深い入り江の「焼内湾」を囲み、冬季に北方から吹き込む寒風をさえぎり、本村特有の温暖な気候をなしています。
気候は亜熱帯海洋性で、四季を通して温暖です。年間を通じて降雨量が多く、一般には冬季を除き湿度が高いです。
大自然
奄美大島は、世界中でもここにしかいない固有の動植物が多く「東洋のガラパゴス」とも呼ばれる地域です。宇検村のエメラルド色に輝く海「焼内湾」には、サンゴ礁や何百種類もの熱帯魚や水中生物が泳ぎまわり、不思議な世界を造っています。
宇検村の砂浜からウミガメの子供たちが世界の海へ旅立っていきます
奄美の最高峰「湯湾岳」一帯は、亜熱帯広葉樹の原生林で固有な植物があり、また、珍しい動物もこの一帯に住んでおり、アマミノクロウサギ、ルリカケス、トゲネズミ、アカヒゲなどが国の天然記念物に指定されています。このようなことから、頂上付近は天然記念物、国定公園特別保護区にも指定されました。
心温かい人々
奄美大島 宇検村に住む人々は、昔からお互いに見守り、支え合うというもとで生活をしてきました。そして、今なおその生活習慣が根強く残っています。
また、古くからの文化や伝統行事の伝承も地域の中でしっかりと受け継がれています。子どもからお年寄りまで、さまざまな世代との交流を通して、宇検村を大切に守り続けています。
人と人とのつながりのある、心温かい村がここには残っています。
へだ【人口105人・62世帯】平田集落
へだ【人口105人・62世帯】平田集落
波静かな焼内湾に面し、海の美しい集落です。
まだまだ結いの心の色濃く残っている人の心も自然も豊かなところです。
亜熱帯植物も育ち、美しい草花や鳥の鳴き声に感動がいっぱいです。
いつかこうありたいものです・・・
漁師さんの表情がいいですね!
平田集落 自然環境を配慮してか平屋が多い
やどん【人口50人・28世帯】屋鈍集落
やどん【人口50人・28世帯】屋鈍集落
白い砂浜の美しいこと、海の色の美しさ、ブルー色、海岸からの眺めの美しいこと、これが屋鈍集落の自慢です。一度訪ねてみてください
沖縄渡嘉敷島の阿波連ビーチの砂浜にも引けを取らない美しい砂浜です
どの集落にも立派な土俵がある。奄美・徳之島出身の第46代横綱「朝潮太郎」の影響なのだろうか?
そういえば子どもの頃名古屋場所(当時は準場所)の折に遊びで稽古をつけてもらったことを思い出しました。当時は一に長嶋茂雄、二に朝潮太郎、三に三島由紀夫三大胸毛で有名でした
屋鈍集落 朝の散歩ですか?
澄んだ空気と光のせいかどの花の色も美しい
あむろ【人口72人・34世帯】阿室集落
あむろ【人口72人・34世帯】阿室集落
山村ならではの自然環境の中での生活を通じ豊かな情操教育を育むとともに、地元の子どもたちや、地域の人たちとのかかわりあい、そうして日常生活での様々な体験の中で「心の豊かさ」と生きる力をもとに学び少人数のよさを生かした教育ができると思います。
海山川に囲まれた地域であり、海岸ではアサリ取り等もできます。
集落内には阿室小中学校、阿室へき地保育所、郵便局もあり、人が集まる集落です。
さあ、海で大きくなって戻っておいで・・・と都会に行った若者に呼び掛けているよう
大相撲の第46代横綱、未来の朝潮太郎
海の中にはお宝がいっぱい
気の合った相棒と漁に、それとも兄弟船か・・・
今日も大漁!常に新鮮な魚を好きなだけ食べることができる自給自足の生活?
三線の音色を聞きながら憩いのひととき・・・
沖縄でバナナのコーヒーを飲んだことがあるけれども、ここでも飲めるのだろうか・・・
奄美大島の阿室校区では、村外就職などによる急激な人口減少、
それに伴う小中学校の存続の危機に直面し、全住民の意向調査を経て平成21年に「阿室校区活性化対策委員会」(以下、委員会)を結成。「母校を守りたい」という強い決意から、何度も話し合いを重ね、人口を増やすための打開策として、住民自らが「親子山村留学制度」の仕組みをつくり、活動をスタートさせました。
同制度により、I・Uターンを中心に移住者が増加したことで、学校の休校が回避されたほか、農水産業を担う重要な担い手として、地域の振興に大きく貢献しています。
更に、移住者等の外部からの視点が農山漁村の価値を生み出し、伝統野菜の復活や高齢者が農業を継続できる仕組みづくりなど、新しい活動が展開されたことで、学校の存続のみならず、校区全体の活力につながっています。
これらの取組みが評価され、平成29年度豊かなむらづくり全国表彰において、農林水産大臣賞を受賞するとともに、農林水産祭のむらづくり部門で天皇杯を受賞されました。
今号では集落の過疎化を止めるだけでなく、さらに発展させ、住民の皆さんの知恵『結い』の心でみんなでむらづくりをされている奄美大島の西南部に位置する、かっては周りから限界集落(失礼)のようにみられていた阿室(あむろ)集落を紹介します。
阿室(あむろ)集落の自然環境保全を守る会
『鹿児島県宇検村(うけんそん)』
~地区概要~
本組織が活動する阿室集落は、奄美大島の西南部に位置し、平成29年に村制施行100周年を迎えた宇検村の中心部から1時間ほど車で走ったところにあります。
活動範囲は、畑5.5ha、水路1.6km、
農道2.1km、ため池1カ所。
~主な取組~
本組織は、半数以上が非農業者で構成されており、農道の草刈りや水路の泥上げ、集落内の景観維持など、地域ぐるみで様々な活動を行い、阿室集落の多面的機能を支えています。
本集落を含む「阿室校区活性化対策委員会」は、昨年度、第56回農林水産祭むらづくり部門において、地域活動の功績が評価され、天皇杯を受賞しました。その中で本組織は、主要作物であるタンカンの栽培に欠かせない通作道路等の軽微な補修、耕作放棄地の発生防止対策、また防風樹の維持管理といったむらづくり活動の中でも重要な役割を担っています。
人口減少で小中学校存続の危機にさらされた過去をもつ阿室集落は、集落の活性化に向けて多くのI・Uターン者を受け入れています。
本組織は、今後も一人ひとりが様々な分野で役割を持ってシマ(集落)を盛り上げ、「結の精神」の下、助け合いながらさらに楽しく活動していくことと思います。
平成29年度天皇杯受賞者受賞理由概要 むらづくり部門
「結い」の心でみんなでむらづくり
○集団等の名称 阿室校区活性化対策委員会(代表 後藤 恭子)
○所 在 地 鹿児島県大島郡宇検村
○受 賞 理 由
・地域の沿革と概要(詳細)
宇検村は奄美大島の西南部に位置し険しい連峰によって近隣市町村と隔てられ村の90%以上を山林が占めている。阿室校区は、焼内湾奥の村の中心部から入江伝いに車で約1時間走ったところにあり、平田、阿室及び屋鈍の3集落からなっています。
同校区は古くから半農半漁で生計を立ててきた地域であり現在の人口は220人程で、相互に助け合う「結いの精神」のもと、水産業と限られた耕地でサトウキビやタンカン、ニンニク等を生産。
・むらづくり組織の概要
① 阿室小中学校が存続の危機に直面したことから校区全世帯の意向調査を行い 、平成21年に集落の区長などからなる阿室校区活性化対策委員会 (以下「 委員会 」というを立ち上げ 同年10月から 「親子山村留学(以下『 山村留学』 という 。)」 の取組をスタートさせた。
② 次に、山村留学をした世帯が校区内で生計が立てられる所得を得て、安心して生活できるよう、地域の農林水産業を振興する活動をスタートさせた。
③ 現在、委員会メンバーは41人で、平均年齢は47歳。また、半数が女性、
そして6割がI・Uターン者であり、地域住民の交流イベントを企画運営する企画班、山村留学希望者との連絡調整を行う山村留学班及び地域農業の活性化に取り組む農業班の3班を組織して活動しています。
・むらづくりの取組概要
(1)農水産業生産面
① I・Uターン者を地域農業の担い手として位置づけ、地域ぐるみで就農を支
援すべく、耕作放棄地を再生し、I・Uターン者に農地を集積している。これ
らの農地において、亜熱帯気候を生かしたパッションフルーツ、フィンガーラ
イム等を新規導入し、首都圏等へ販売。
② タンカン共同防除班を結成し、校区内の防除作業を請け負い、労働力の補完体制を整えることにより高齢化が進む産地の再生に取り組む。
③ I・Uターン者が水産業に従事し、村全体の水産振興に貢献。
④ 途絶えかけていた在来ニンニクの生産、加工品などの特産品の開発により、
地域全体の所得向上につなげています。
(2)生活・環境整備面
① 山村留学世帯を受け入れる際には、受入用住宅の確保や保護者の就業先の情
報を収集、提供するとともに、移住者に居場所と出番と役割をつくり、地元住民との交流の場を積極的に設けています。
② 校区が一体となって、子育て、教育、伝統文化の継承、自然環境の保全に取り組む。
③ 平成22年以降の8年間で35世帯79人の移住者を受け入れ校区の人口は220人 、
前後で推移しており、高齢化率は21年の48.4%から39.8%に減少。
・他地域への普及性と今後の発展方向
本取組は、極めて条件不利な地であるにも関わらず、住民が地域の将来に危機感をもち、地域一丸となってI・Uターン者を増やす活動を開始し、移住者を含めた地域全体のコミュニケーションを形成・醸成している事例であり、今後も取組の継続を期待。
人口減少社会の中で、地元住民と移住者との共働による地域再生は、全国の条件不利地におけるむらづくりのモデル事例になり得るものです。
鹿児島県宇検村教育委員会
電話:0997-67-2261
FAX:0997-67-2287 メール:kyoui@uken.net
校区の状況
宇検村は,大島本島の南西部に位置し,奄美市名瀬から約43kmです。
北は大和村,南は瀬戸内町,東は奄美市住用町に隣接し,西には東シナ海が広がっています。
人口約1,800人(平成27年11月現在)周囲を豊かな自然に囲まれた村です。
阿室校区は,平田,阿室,屋鈍の三集落からなり,人口は3集落で213人。
黒潮めぐる東支那海に面し,焼内湾の入り口にあって,南は瀬戸内町の西古見,管鈍と境を接しており南北500m,東西に5kmの細長い校区です。
後方は,緑豊かな山並みに囲まれ,前方には,白砂の海岸と青く澄んだ海が広がり夏は波静かで枝手久島の遠景もすばらしいが,冬は強い北西の季節風が吹く。
産業は,土木業と漁業が主で,農業は高齢者が中心となっていおり年々高齢化が進み,児童生徒数も年々減少傾向にあります。
阿室小中学校について
学校教育目標
心身ともに健康で,自主性と探求心を持ち,確かな学力を身につけ,何事にも最後までねばり強くやりとげる人間性豊かな阿室っ子を育成する
本校のキャッチフレーズ
緑いっぱい阿室校 元気いっぱい阿室っ子
校 訓
よく学び すこやかに たくましく
学校教育目標
○ めあてをもって進んで学習する子ども
○ 礼儀正しく思いやりのある子ども
○ 何事にもねばり強くやりぬく子ども
めざす教師像
○ 響き合い 高め合う教師・・・誰からも信頼される教師
○ 授業で勝負する教師・・・・・指導力の向上に努める教師
○ 情操豊かな教師・・・・・・・心にゆとりを持ち,和の姿勢を持つ教師
○ 責任感の強い教師教師・・・・家庭や地域と連携し,信頼される教師
めざす学校像
○ 信頼と友情で結ばれ,敬愛に満ちた学校
○ 明るく活気があり,楽しく過ごせる学校
○ けじめがあり,礼儀正しく規律ある学校
○ 整然と落ち着き,美しく,喜びのある学校
○ 伝統を尊び,郷土愛を育む学校
児童生徒数(平成29年5月現在)
創立133年の歴史を誇る小・中併設の小さな学校です。
一番多い時は,500人を超える児童がいたそうですが,今は児童生徒合わせても22名です。
小中併設校の長所を生かし,小中合同の行事を中心に,みんな仲良く生活しています。
学習発表会
秋季大運動会
他にも学校内にある田圃で,地域の方々の御協力の下,稲作体験活動を楽しんでいます。
体験留学では、実際に阿室校区に数日間滞在し、学校に通い、地域の行事に参加することができます。気軽に、お問い合わせください。
学校内にある田圃で,地域の方々の御協力の下,稲作体験活動
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
阿室校区活性化対策委員会
鹿児島県大島郡宇検村湯湾915(宇検村役場内)電話: 0997-67-2215
九州農政局
〒860-8527熊本市西区春日2丁目10番1号 熊本地方合同庁舎 電話 096-211-9111
農林水産省 〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1電話:03-3502-8111(代表)
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